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なぜルーマニアのイタリアンピッツァは美味しいか

ルーマニア旅行記は一通り終えましたが、今回の旅で面白かったことや興味深かったことをちょこちょこ書いていこうと思います。


びっくり美味しかったイタリアン・ピッツァ

ルーマニアの首都ブカレスト滞在中、夕食は軽くしたかったので、旧市街のピザ屋へ。

スライスで売るピザ屋さんであまり期待はしていかなったのですが、美味しかった!美味しいピザはやはり見た目も美味しそう。

クルジュ・ナポカでもピザ屋さんに行ったらこちらもナポリ風でとっても美味しかった!

私の住んでいるバルセロナは4万5千人ものイタリア人が住んでいますが、立て続けに行ったピザ屋が二軒とも美味しいということはまずありません。なぜルーマニアのイタリアンは美味しいかある程度検討はつきましたが、改めて検証してみると面白いことが分かりました。

なぜルーマニアでイタリアンが美味しいか?

そもそも、国名の「ルーマニア」はアルファベットで書くとRoma-nia、つまりは「ローマ人の国」という意味です。ローマ帝国は最盛期には欧州のほぼ全域と北アフリカ、中東の一部などを制覇。衰退してからは多くの国は独自の言語や文化が発達しました。

その秘密は言語にあった!

ラテン語の口語である俗ラテン語に起源をもつ言語のことをロマンス諸語と呼び、これにはポルトガル語、スペイン語、フランス語、イタリア語、ルーマニア語、カタルーニャ語などが含まれます。ラテン語は元々イタリア半島中西部の一都市の言語として生まれた言語。

この事実はルーマニアを訪れる前から知っていたのですが、ルーマニアは近隣諸国のスラブ系言語の影響もあり、発音を聞いているだけではスラブ系に近い気がしました。事実、近隣諸国で話されるスラブ系言語やハンガリー語の単語が語源のルーマニア語の単語もあるそう。

2つの言語で同じ単語が用いられる比率を計算した「語彙の共通度」というものがあり、イタリア語とルーマニア語はなんと78%の共通度。かなり似ているイタリア語とスペイン語の共通度は82%なのでそれと大差はありません。例えばこのように似た単語があります。

                ルーマニア語   イタリア語
家             casa                               casa
広場         piaţă                               piazza
春             primăvară                      primavera
肉             carne                              carne

これらの単語はだいたい同じです。広場は綴りが異なりますが、ルーマニア語の発音を聞いてみると「ピアッツァ」と発音しています。スペイン語も広場(plaza)を除いてイタリア語と同じです。

ルーマニア人とイタリア人がそれぞれの言語で会話をしようとするとどうなるかというビデオがありました。

ルーマニア人男性がルーマニア語でイタリア人女性3名にクイズを何題か出し、それにイタリア人女性たちは答えることができるかというもの。

こののビデオを見るとどうにか会話がなりたっていることが分かり、正解がほとんど。

イタリアのルーマニア人人口

イタリアには108万人を超えるルーマニア人が住んでいます。イタリアはルーマニア以外でルーマニア人が最も多く住む国です。そしてイタリアに住む外国人で最も多いのがルーマニア人です。やはり言語が似ている欧州の先進国ということで移り住むよう。

イタリアの国別の外国人人口

他の国籍と比べると圧倒的な数です。イタリアに住むルーマニア人の6割近くが職を求めての移住で、残りが家族の理由でということ。特に賃金の低い業種で働く人が多いので、レストランやバーなどで働くルーマニア人も多いのでしょう。

逆にルーマニアに住むイタリア人人口は8万人ほど。一見少なく聞こえますが、隣国のモルドバ人の次に多い外国人人口です。

イタリアからUターンで帰ってくるルーマニア人も多く、その中にはイタリアでイタリア人と結婚をし、イタリア人配偶者を連れて帰ってくるケースも多いそう。そして、多くのルーマニアにあるイタリアン・レストランがそういったルーマニア人やイタリア人によって経営されているようです。

ルーマニア人にとってイタリアは言語に限らず食などでも身近な国と言えそうです。

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