神仙霊妖人 人妖争 2話
その刀身は黒く紫がかった光を纏う。
鞘には赤く荊が浮かび上がる。
僕は薄ら笑いを浮かべる。
後ろで見ていた時雨はと言うと、
口を開けていた。開いた口が塞がらないとはまさにこのことだ。
「時雨、これ…」
だめだ…言葉が出ない。
「・・・」
時雨も同じようだ。
「まさか…ねぇ…」
「それ…ね、私が最初に作った刀なの」
「骨董屋で売れ残ってた妖気を放つ村正と、緋々色金を混ぜて」
「でも…二つを混ぜたのが悪かったのか、一度鞘に納めてから出てこなくなった」
――ふふふふふふふ
どこか