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小説牴牾(もどき) {みんなおなじ #4}

あらすじ

入社面接に行くはずだった俺だが、突然爺さんに話しかけられた。
爺さんが話したいことがあると言って…
喫茶店に行く道中、爺さんの悲しい過去を知ってしまった…

3章 求めるもの

「まずはお主に質問じゃ。」
「お主は、あの会社がどういった人を求めていると思う?」

(ああ、確かホームページに書いてあったような…)

「確か、自分で考えて行動できる、会社の未来に貢献する人、だったような…」

「まあ、そう書いてあるがな。」
「これを見てくれないか。」

爺さんは徐ろに鞄からノートパソコンを取り出して俺に見せた。

(あ、結構そういうの使えるんだ。)

―― 御社に入社したいと… …何でもしますので…
           …採用
   入社しましたら… 学生時代の経験を生かして…
           …不採用
             ***
――

(儂がパソコンを使えないと思っとったのか…)

「これどこで、入手したんだ…?」

「まあ、ちょっとな、裏ルートで…」
「見てわかったじゃろう。会社からすれば上司に反対しない部下がほしいんじゃ。」

「そうだったのか…」

「儂も昔は経営者の一人じゃったんだが、こんなことは望まなかったのぉ…」

(まあ、確かに『言うことを聞く』部下って言われるとな…)

「その『言うことを聞く』と言うのが、社畜状態なんじゃな。」

俺は爺さんと出会っていなかったら…
と考えると恐ろしく思った。

to be continued…

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