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紗奈さより
2022年6月6日 12:23
「雨あがりのそらに」ただ 砂の丘に立ちながれる星をみあげて生きていたならただひとり水のみちた夜のそらにゆらいで息をしていたならだれのいかりにもだれのかなしみにもふれずにもう なみだもなくむねをさくこともはらをさくこともなくこころをとざすこともなくああ それでもひとのなかに生まれひとのあいだに生きることをのぞむのはあなたがひとのなかに生まれひとのあいだ
2022年3月11日 17:39
「息を」いま空を見つめあのころも空を見つめいまあなたは遠くあのときはとなりでいっしょに心をふるわせた生まれただれもがどこかにいれられはいっていないと生きられないけれどはいっていても鉛のようで息ができないつめたすぎる 外から中が見えない箱さかれた心からそそいでくれたあたたかさあなたがいて息ができた踏みあとひとつない雪の原にねころび金色《きんいろ》の麦
2022年3月1日 14:26
虹おおきな 虹がかかったよひとつの 虹 ふたつの 虹おおあめのあとにかかったよひとつの 虹 ふたつの 虹 虹のはじまり どこだろな 虹のはじまり どんなとこ 虹のはじまり 行きたいないつか行こう 虹のはじまるところちいさな 虹がかかったよちいさな 虹 ちいさな 虹お花にみずをあげたならちいさな 虹 ちいさな 虹みんなに 虹をみせたいなみんなで 虹をみていた
2022年2月11日 12:46
「ちいさな星」ちいさな星ぼしよ 告げよやがて来る春を待つようによろこびの日に そなえるように光れ 暗やみのなかでその身を磨き灯す時を待ち光れ春の風 春のかおり 春のあたたかさをはこぶ星として冬のつめたさは血の流れをほそくし指さきをかじかませ 鼻を凍らせ口をとじさせる吹雪は先を見えなくしさけぶ声さえ耳にとどかない冬に生まれ 冬をわたるわたしたちを冬のつめたさ
2021年12月26日 18:29
詩 「部屋に」Sayori Dec,. 2021
2021年5月30日 17:17
・・・いろいろと重なり4月末に体調をくずしました。いまはだんだん元気になってきています。これを収録したときはまだ喉が治りかけでしたが、「この詩を朗読するのは今がいちばんいい」となぜか思って録音したのを覚えています。いま聞いてみると、弱々しい声がこの詩に合っているかもしれません。あはは。▽朗読です▽
2021年3月20日 11:49
ばらの木がこんなに大きく育つなんて知らなかったえも言われぬ美しさをたたえたばらの花が大きな木に咲きほこる花は可憐で儚さをはらんでこの世界に浮いている小さく細い木ばかりを見てきた日の光の中に美しい姿を現して人の目を驚かせる落ちて 枯れて 朽ちて地上の限りある美しさ何にすがりつく何にとどまる花の向こうに大きな木の向こうに地中にめぐる根の向こうに何を見る2
2021年3月11日 19:22
こころの声生活の音にかき消されても寄る辺ないことばに耳を貸さずみずからを信頼するのは骨の折れることちからを渡せと言うひとがいるいのちを渡せと叫んでいるいのちが渇いているからちからが満ちていないからあなたのいのちを渡してはいけないあなたの時間を渡してはいけないしずかにとりさられてゆく警告はかき消されるこころの声はいつもあなたのうちにあるたえまなく流れる水のように
2021年3月9日 17:40
だれも気にかけていないけど今日も空はうつくしいよたった一度の空だよあなたは気にかけていないけど今のあなたは今だけのあなた今の私は今だけの私今の私を あなたを100年後から見つめます2021 Sayori #詩 #朗読 #空
2021年2月9日 22:11
人間の知恵は大海のひとしずく人々がおのおのしずくを持ち寄り分かちあえば見えなかったものが見えることもある流れが生まれることもあるただ、それが完成品でないことは忘れない不完全であることを忘れないわたしたちの不完全さのなかに見えないものが見えるもの2021 Sayori #詩 #朗読
2021年2月9日 22:00
悲しい知らせと深刻な知らせから自分を守るあなたの中の静けさに耳を傾ける孤島にふたり、孤島に四人、孤島にひとり、わたしたちは孤島にいる2021 Sayori #詩 #朗読
2020年12月25日 21:34
きらめく街で胸を痛めるちいさなひとはここに居られないでしょうちいさな偽善者でいたいからわたしのために死んでくれたひとを喜ぶ、と言うとなんだか怖いか遠からずだけどいまも生きてるってことを言わなきゃ贈りものはいつでも このなかにある絶えない すたれない いのちの呼吸を口をきけなくなったひとがふたたび話すようになったときそのひとは低くなり高き存在をたたえるように歌うよ