紗奈さより
思い巡らしたことを遺します
自作の詩をぽつぽつと
すべてが理由。そして理由はひとつもない。生命は広がりつづけ、そして収束に向かう。つねに終わりと初まりが一緒にある。 そんな感覚があるから、総和が0ゼロ(ゼロサム)の地域通貨のありかたに感動をおぼえた。地域に限定されることで、貨幣の本質がわかりやすく示される。 貨幣は役目を終えたときに収束する。いいえ、人が意図した役目を果たしても果たさなくてもいずれ収束する。ひとりの人のところへ集まっても総体はゼロ。なんてすばらしい理だろう。 「お返し」の習慣についても説明できそうだ。aさ
「雨あがりのそらに」 ただ 砂の丘に立ち ながれる星をみあげて生きていたなら ただひとり 水のみちた夜のそらにゆらいで 息をしていたなら だれのいかりにも だれのかなしみにもふれずに もう なみだもなく むねをさくことも はらをさくこともなく こころをとざすこともなく ああ それでも ひとのなかに生まれ ひとのあいだに生きることをのぞむのは あなたが ひとのなかに生まれ ひとのあいだに生きたから くちてゆくことばを そっと りょうてでやさしくつつみ 息をふきか
「息を」 いま空を見つめ あのころも空を見つめ いまあなたは遠く あのときはとなりで いっしょに心をふるわせた 生まれただれもがどこかにいれられ はいっていないと生きられないけれど はいっていても 鉛のようで息ができない つめたすぎる 外から中が見えない箱 さかれた心からそそいでくれた あたたかさ あなたがいて 息ができた 踏みあとひとつない 雪の原にねころび 金色《きんいろ》の麦畑が 紅《べに》のゆうやけが あなたが すべてのあなたが 息をつないでくれたこと
虹 おおきな 虹がかかったよ ひとつの 虹 ふたつの 虹 おおあめのあとにかかったよ ひとつの 虹 ふたつの 虹 虹のはじまり どこだろな 虹のはじまり どんなとこ 虹のはじまり 行きたいな いつか行こう 虹のはじまるところ ちいさな 虹がかかったよ ちいさな 虹 ちいさな 虹 お花にみずをあげたなら ちいさな 虹 ちいさな 虹 みんなに 虹をみせたいな みんなで 虹をみていたい すうとしずかにきえるまで みんなで 虹をみていたい (2021年8月 さよ
「ちいさな星」 ちいさな星ぼしよ 告げよ やがて来る春を待つように よろこびの日に そなえるように 光れ 暗やみのなかでその身を磨き 灯す時を待ち光れ 春の風 春のかおり 春のあたたかさを はこぶ星として 冬のつめたさは血の流れをほそくし 指さきをかじかませ 鼻を凍らせ 口をとじさせる 吹雪は先を見えなくし さけぶ声さえ耳にとどかない 冬に生まれ 冬をわたるわたしたちを 冬のつめたさを背負うわたしたちを あたためうるのはなにか 星はつらなり へだたりをわたるす
思いがあふれるこの世界で よくもわるくも思いと繋がるわたしとあなたのための手紙 思い(感情)に境がない人間の休養:体を痛ませる思いからできるかぎり離れる 慈悲があさくなる心配も 時事にうとくなる心配も要らなかった 思い(感情)は 目に見えなくともたしかにそこにある におい、香り 音、振動 それらと同じように心身に影響をもたらすものだった においがそこに流れているように、思いもそこに流れている 思いに境がないことは、「思いを知覚する器官の感覚がするどい」と言える
詩 「部屋に」 Sayori Dec,. 2021
わたし:フィルムカメラ初心者。 YAMA FILM の MEMO M20 というフィルムカメラをたのしむための研究。 CAMERA: YAMA FILM MEMO M20 FILM: Kodak ULTRAMAX 400 36枚撮り 現像: カメラのみなみや ○ 構図 ・フィルムに写る景色は、ファインダー越しに見える景色より広い。 [ファインダーとレンズの位置のズレ]と[ファインダーの周りの景色]を想定して撮る。むずかしい。 ○ 風合い フィルムならではの粒子感。
短歌のアプリ「うたよみん http://utayom.in 」はじめたよ。 「さより、」: https://www.utayom.in/n/ddf7e0a8
しんゆうがこの曲をリクエストしてくれたので ひさしぶりに歌を… 優河さんの「愛を」という歌です 歌詞(一部): “その傷が痛むたび 私の名を呼んで そっとあなたを抱きしめに行くから この無力な両手で あなたの頬を つたう涙を拭うから 暗い夜を照らす月のよう あなただけを包みたい”
・・・ いろいろと重なり4月末に体調をくずしました。 いまはだんだん元気になってきています。 これを収録したときはまだ喉が治りかけでしたが、「この詩を朗読するのは今がいちばんいい」となぜか思って録音したのを覚えています。 いま聞いてみると、弱々しい声がこの詩に合っているかもしれません。あはは。 ▽朗読です▽
ばらの木がこんなに大きく育つなんて知らなかった えも言われぬ美しさをたたえたばらの花が 大きな木に咲きほこる 花は可憐で 儚さをはらんで この世界に浮いている 小さく細い木ばかりを見てきた 日の光の中に美しい姿を現して 人の目を驚かせる 落ちて 枯れて 朽ちて 地上の限りある美しさ 何にすがりつく 何にとどまる 花の向こうに 大きな木の向こうに 地中にめぐる根の向こうに 何を見る 2021 Sayori
こころの声 生活の音にかき消されても 寄る辺ないことばに耳を貸さず みずからを信頼するのは骨の折れること ちからを渡せと言うひとがいる いのちを渡せと叫んでいる いのちが渇いているから ちからが満ちていないから あなたのいのちを渡してはいけない あなたの時間を渡してはいけない しずかにとりさられてゆく 警告はかき消される こころの声はいつもあなたのうちにある たえまなく流れる 水のように 2021 Sayori #詩
だれも気にかけていないけど今日も空はうつくしいよ たった一度の空だよ あなたは気にかけていないけど 今のあなたは今だけのあなた 今の私は今だけの私 今の私を あなたを 100年後から見つめます 2021 Sayori #詩 #朗読 #空
人間の知恵は大海のひとしずく 人々が おのおのしずくを持ち寄り 分かちあえば 見えなかったものが見えることもある 流れが生まれることもある ただ、それが完成品でないことは 忘れない 不完全であることを忘れない わたしたちの不完全さのなかに 見えないものが見えるもの 2021 Sayori #詩 #朗読