城崎にて #1 旅立ち
東海地方で生まれ育ち、学生になってからは東京で暮らしてきたので、あまり関西の温泉に馴染みがない。ただ「城崎」という名前は認知していた。
きっかけは、志賀直哉「城の崎にて」である。新潮文庫から出ている志賀直哉の短編集に収録されており、確か中学生の頃に読んだはずだ。(しかし、内容は全く記憶にない。)
私と城崎の縁というのは、その程度のものだったのだが、一昨年あたりに少し城崎について知る機会があった。知るにつれ「結構、魅力的な温泉地だなあ」という印象を強くしていった。
城崎の最