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1年記念日

2018年12月13日の朝9時。名駅のビックカメラ前のバス停から、東京行のバスに乗った。出発の前日に39度の熱を出した。母は「あんたはいつもそうなんだから。もぉ。」と言いながら病院に連れて行ってくれた。小学生からの付き合いのあんちゃんは「東京行くなってことだよ〜」とInstagramのコメントをくれた。お別れ会をドタキャンしたのにその日の夜にお別れを言いにきてくれた先輩は、「 じゃあ次はGWな。 」と言ってくれた。

「わざわざ東京に行く必要あるの?」結構いろんな人に言われた。別に名古屋にいてもできない仕事じゃない。個人的には、コピーライターになれれば東京じゃなくてもよかった。なんて言いつつも東京に行ってみたい気持ちはゼロではなかったんだと思う。

そんな時たまたまいいなと思った会社が東京で、その会社にたまたま拾ってもらって、たまたま東京に行くことになった。東京に来てまるっと1年。来たばかりの頃は自分の部屋というよりも なんか毎日ビジネスホテルに帰るみたいだな なんて思っていた部屋にもやっと愛着が湧いてきた。

友達も全然いないと思ってたけど、名古屋時代の先輩たちとのグループラインなんか作ったりして、「今日はやく終わったんだけど」なんてLINEが届けばすぐ集合しては酒を飲んでいる。さみしい時のが多いけど、初めての一人暮らしはなんだかんだ楽しい。

1年を振り返って最初に浮かんだ言葉は、"もっとできたな"。自分のコントロールができなくてアクセル全開で過ごしていたら、ちょうど梅雨の時期に心がぽきっと折れてしまった。気を張ってないと24時間、心のダムが崩壊寸前だった。(実家に帰って発散したらケロっと治ったけど)そこからはなんか怖くなって、あんまり全力が出せなかったのは反省している。でもそれでも辞めたいとは思わなかったから私は一生コピーライターとして生きていけるなっていういい気づきもあったので、あれはあれでよかった。


ちょうどこの前上司と「3年以内にTCC獲った方がいいよ」なんて話をしていて、3年ですか…?と、つい弱気な返事をしたばかり。今の私の実力は、上司のチェックをクリアしてからじゃないとクライアントに持って行ってもらえない。(そしてほぼその壁をクリアできない) やれません と わかりません は言わないと決めていたけれど、そんな状況の中でのふとした会話の中につい弱気な部分が出た。でもこれがきっと私のいまの本心だ。

だけど改めてちゃんと考えてみると、20代のうちに賞が欲しい。どうしても「TCC獲ってからがコピーライターとしてのスタートだ」なんて言われているのが業界の現状だから。そんなのなんだかバカバカしいけど、自分のやりたい仕事をするためには必要だなとも思う。そのためには2020年はやっぱり勝負の年になる。今年の1億倍くらいギアを入れないときっとムリ。…いや絶対ムリ。

人生に後悔しないために東京きた。上京してきたた人はきっとみんなそうなんだろう。だからこそ、この大都会に埋もれてしまう人だって少なくない。コピーライターになりたい人って実は結構いる。私も1年前はその一人だったし、そんな中で運よく名刺の肩書きのコピーライターを手に入れた。

私は誰かの夢の上に立っている。そう思うと、コピーライターになりたくてなりたくて仕方なかったあの頃を思い出してもうちょっとだけ頑張れる。だから今日から毎日これを思い出しながら、コピーライター2年目の終わりの今日を振り返った時に"今年はよくがんばったな"と自分で自分を褒めてあげたい。

上京1年記念日、おめでとう。2年目もがんばりましょう。