ZINE『うみかじ』

ほんとは紙に書きたいのだけど、仕方なくインターネットに載せるものをば。

ZINE『うみかじ』

ほんとは紙に書きたいのだけど、仕方なくインターネットに載せるものをば。

最近の記事

『うみかじ』6号について

わたしにとって、済州島との出会いはひとつの事件だった。どこまでも広がってゆく風景や、底の知れぬほど残酷な歴史、抗い続けているひとびとの姿、心の揺さぶられない瞬間はなかった。そんな、風とともに揺れ動いている心が、島に見透かされている気がする。わたしの存在そのもの、欲望そのものが問い直されることになった。                  2023年12月7日発行 ・写真 クロンビ ・詩・写真 アルトゥル ・島じま紀行 済州島 ・うみの辺野古日記。 20230731-20231

    • 『うみかじ』5号について

      『うみかじ』をはじめたばかりの頃、なんとか5号まで続けようとおもっていた。「辺野古」は日々続いているということは手放せないながら、継続のあり方が模索するばかりで、何もかもが不足していた。そんな時分、はじめての韓国はそんな暗雲をはねのけた。表紙のデザインも、詩もビラも、韓国にいる間にあらましができた。言葉を見つけるのには時間がかかったが、歩きまわった身体からすっと生まれた号だった。 2023年9月29日発行 ・詩 蝶 ・写真 樹 ・木版画 恨 ・うみの辺野古日記。 20230

      • 『우미카지』1호について

        翻訳し、制作し、配布する。どこをとってもエキサイティングな一冊だった。韓国から海を越えて辺野古に来るひとびとに出会うたびに、ハングル版をつくっておればよかったと思っていた。昨夏、韓国に行くタイミングでつくり、韓国の印刷会社で印刷をお願いした。 2023年7月22日発行 ・詩 うみべ⑴ ・ビラ(イラスト) わたし/たちへ ・木版画 沖縄島 ・うみの辺野古日記。 20220928-20230630 ・島じま紀行 宮古島 与那国島 基本的には『うみかじ』の1号から4号のなかで最

        • 『うみかじ』4号について

          『うみかじ』ではいつも、おわりとはじまりが重なる。制作がおわったと思えば、それを手放していくための作業がはじまる。リアクションがあったり、どこかに届いたという感触がうまれて、すこしはじまったような気もする。そのなかから次号がうまれたりする。おわりとはじまりを通底するように、ほぼ毎日のように、わたしの身体は、座り込んだり引っこ抜かれたりを繰り返している。4号では、これらの狭間にある会話ややりとりを書き残そうとした。 2023年7月17日発行 ・詩 ほし ・フォトエッセイ 軍服

        『うみかじ』6号について

          『うみかじ』3号について

          3号が好き。それぞれの号に思い入れや出会いがあって、はずせないポイントはあるけど、3号が好き。表紙が好きなだけかもしれない。唯一正面を向いている天使。表紙の絵は毎回「ジュゴンと天使」というタイトル。3匹目のジュゴン、3人目の天使。つたなさはあるけれど、描いて夜を明かす日々は楽しかった。 2023年の3月のあいだに伊江島、与那国島、石垣島に行っている。土砂搬入のない週末は、那覇に行くのも増えた。生活環境に絶えず風を吹かすようになった。図書館にもアクセスしやすくなり、紙面上の言

          『うみかじ』3号について

          『うみかじ』2号について

          「辺野古の現場だけを見ていては取りこぼすことがある」という一文を編集後記に残していた。最初の1ヶ月、ただずっと辺野古のゲート前・テントにいた自分に向けて何気なく書いた文章なのだが、2号を要約するひとつだとおもう。辺野古のゲート前に何十人と集まる日でも、土砂の出し入れが行われている安和・塩川では、ほんの少しの人数で、生命を削り、体力をしぼるように抗議をつづけている。自衛隊基地ができたことで安心が揺さぶられている宮古島、西海岸埋め立てとともに生命・生活の破壊が脅かされる浦添。情報

          『うみかじ』2号について

          『うみかじ』1号について

          「私は個人的に、うみさんの辺野古滞在中の日記を読んでみたい」というLINEをもらったのは、2022年10月27日。このメッセージがなかったら『うみかじ』という名のZINEは世に出されていなかった。もともと秘めていた一遍の詩と、すでに配布したビラ、それから寄稿や論考を作り、日記をまとめ、バタバタと編集した。時間をかけて磨き抜かれたものをつくるというよりも、言葉がすべり落ちてしまわないような空間を紙面でつくる必要を感じていた。現状をなんとかしないといけないという気持ちが先行した結

          『うみかじ』1号について

          「パレスチナ・ガザは今」 岡真理さん講演会@沖縄 レポート

          岡真理さんを沖縄に招いての講演会「パレスチナ・ガザは今」が12月10日、沖縄県立博物館・美術館にて開催された。この投稿はその講演の概略と感想を私的にまとめたものです。講演の流れに合わせて所々言葉を補っていることにご留意願います。 🍉講演内容。  もしも、占領がなかったならば、  海はほんとうの海になり、  空はほんとうの空になる。  そして、生きるということは、ほんとうに生きるということになる。    イブラーヒーム・ナスラッラー『アーミナの婚礼』 現在、日本の主流メデ

          「パレスチナ・ガザは今」 岡真理さん講演会@沖縄 レポート