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自転車日本一周WWOOFの旅(35軒目:静岡県) 〜アグリクエスト/ファームファンタジー(仮)〜

WWOOFを活用し、農家さんをお手伝いしながら農レベルを上げ、自転車で日本一周もしちゃおう & 地元でしか味わえない美味しいものも食べちゃおう & 観光地ではない自転車ならではの風景もお届けしちゃおうのUmiです。

今回は静岡県。ここがWWOOFの旅最後の滞在先。そしてこの旅で初めてのお茶農家さん「うの茶園」

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ここもまたすごい山の中にあり、なんでこんなところに住んじゃうかな、と。とはいえそれはわかっていたことなので、ここで最後だからと気力を振り絞る。

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日が暮れる前に到着。うの茶園の宇野さんご夫婦とお子さんが3人。あまりこんなことを言うのは失礼だと思うので普段は言わないのですが、初めて旦那さんと会った時の私の第一印象は芸能人の「有吉」さん、そして奥様は「青木さやか」さん似。でもよくよく話を聞くとこのご夫婦めっちゃ面白いw 

旦那さんの方は実はえなりかずきさんのそっくりさんとして笑っていいとも!に2回も!出演。

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さらに新婚さんいらっしゃいにも出演され、なんとハワイ旅行もゲット‼️ そして本当にハワイ旅行も行ってます! TV番組の景品って本当にもらえるんだw 出演オーディション時の裏話も面白かった😆

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さらに京都大学時代には体操部に所属し、私の友人で青年海外協力隊としてジャマイカで体操競技を教えていた共通の友人(西田さん)もいたのです。以前noteに書いたジャマイカ🇯🇲レポートもあるので西田さんのことも知って欲しい。


元々お茶とは縁もゆかりもなかったお二人。最初は知多の方で細々と家庭菜園程度にやり始めたんだそう。仕事は別にあり、旦那さんは塾の講師。奥様は家庭教師などをしていたそう。しかし奥様の方がもっと農的暮らしをしたいということで、田舎の方に家がないかと探し始め、紆余曲折あり、ここに来たのが12年前。放置されていた茶畑を借り受け、お茶農家として出発。

ここは集落全体が有機でお茶を作っているため、共同の工場こうばがあり、わからないことは色々教えてくれたそう。なので就農1年目からお茶が穫れ収益が出たと。

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そして今では煎茶だけでは飽き足らず、烏龍茶や紅茶、ほうじ茶も作っています‼️

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烏龍茶をウーノン茶と命名❣️

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ここではお茶の話をたくさん聞かせていただきました。ここには書ききれないほどの情報量。なのでかいつまんでお伝えします。

お茶農家として出発した宇野さんがなぜ烏龍茶に目覚めたのか⁉️

それは私と同じようにWWOOFerとして台湾からやってきた女性が、今度ぜひ台湾にも遊びに来て! という社交辞令をウノみにし、本当に行っちゃったんですw そしてそこで飲んだ烏龍茶に衝撃を受け、自分も作ってみたいと。

人生を変えた台湾旅行にw


そもそも皆さん煎茶、烏龍茶、紅茶の違いってご存知ですか? 実は品種に違いはあっても同じ茶葉なんです! もちろん、皆さんは知ってましたよね?

「煎茶」は収穫してきた茶葉を酸化させないために、すぐに蒸して酸化を止めます。そしてその蒸し時間によって浅蒸し、中蒸し、深蒸しと種類が分かれます。

「烏龍茶」は日に晒して(直射日光ではない)半発酵させる工程があり、

「紅茶」は日には晒さないのですが、萎れさせて揉捻といって揉み込むことで酸化発酵させます。


わたし、段々とお茶に興味を持ってきました。普段はコーヒー派なのにw


では私が滞在した時にやった作業をざっとご紹介。まずは有機肥料を宇野さんが撒いていったのを後ろから茶畑用の耕運機ですき込んでいきます。

山の中とはいえ、8月の終わりはまだ暑く、こんなものを着させてくれました!

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ファン付きジャケット! 若干馬鹿にしてました、大して変わらんだろうと。でもこれ結構涼しいw

こんな綺麗な景色のところで作業ができるとめっちゃ気持ちいい❣️ 自転車で来るのは大変だけどw

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雨の日にはラベル貼りや、

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茶葉の梱包。

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休憩の時にはティーテイスティング❣️ めっちゃ優雅✨

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これ何かわかります?

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これはお茶の種。中はこんな感じ。

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実はこれ油になるんです。茶の実油。大人は忙しいし大してお金にもならないのでで摘みませんが、子供が学校帰りなどにまめに採り、ある程度まとまった量になると、油屋さんに持っていきます。そうするとお小遣い程度に買い取ってくれるんだとか!

茶の実油はまだ食べたことがないので食べてみたい😋

私も茶葉を手摘みさせてもらいました。

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それを宇野さんがウーノン茶に。私の名前まで入れて商品にしてくれました❣️ 5個しかなかったので、うの茶園のお茶を買ってくれた友人に先着順でプレゼント💝

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収穫時期の夫婦喧嘩はすぐに仲直り

茶葉の収穫時期は3回。春の一番茶。夏の二番茶。秋茶。収穫の時期は寝る暇もないほど忙しくて死にそうなんだとか。集落の人たちが交代で24時間工場の機械を稼働させてお茶を作ります。刈り機はペアで持たないとできないものしか持っていないので収穫は1人ではできず、夫婦共に疲れていたりすると喧嘩に発展することも。奥さんが「もう帰る!」と言うと、1人ではできないその刈り機を1人でなんとかやろうとするも結局できず、仲直りするしかないんだと笑ってましたw

販路拡大のために以前は東京青山にあるファーマーズマーケットにも出店していたことも。採算取れるんですか?と聞いたところ、全然取れないから辞めたそうw 燃料代、高速代、駐車場代、出店料、ファーマーズマーケット後に友達と飲んだら全く合わないってw


お茶業界の色々

業界の話も聞けて自分たちが飲んでいるお茶がどんなものなのかを知ることができました。

− ペットボトルのお茶は秋茶がほとんどで、味・質的には良くなく1kg/500円程度で取引されるようで、収穫などの手間を考えると採算は合わないのだとか。春の一番茶は100g/800円ほどなのですごい差。

− 静岡県では条例でお茶には着味着色は禁止されている(いた?)そう。しかし近年になってフレーバーティーなどの需要も高まり条例の廃止などが議論されている。

− 旨味成分を増幅させるため、土に窒素を混ぜ入れたりもするそうで、県によってはその最大量も制限している。これには環境の影響を案ずる賛否もあるよう。

− 日本の有機JASで作っていても、ヨーロッパの基準の方が厳しいためヨーロッパには輸出できない。ヨーロッパ輸出用にはヨーロッパの基準で作るそう。日本の有機JAS ってなんなんじゃ??

− 海外からの有機抹茶の需要が非常に伸びている。でも抹茶は碾茶工場てんちゃこうばで加工されたものでないと抹茶とは呼べず、煎茶工場で加工されたものは緑茶粉末になってしまうらしい。

− 抹茶を栽培するには20日間ほど遮光して葉緑体を一気に増やすのだそう。そのため茶樹にとっては負担が大きいから本当は不健康な茶葉なんじゃないかとも。

− お茶農家はお茶の9割まで仕上げる。この半製品を飲んでも実はそんなに美味しくない。最後の仕上げは茶商の仕事。農家が有機JAS認証があっても、茶商にその認証がなければ販売時にJASを付けられないw 茶商は火入れするだけなのにw

− 浅蒸しの方が香りはよく、二煎目でもよく出る。深蒸しは一煎目でかなりのうまみが出てしまう。通は浅蒸しのお茶を好むから浅蒸しを注文されるとドキっとするそう。

まだまだいっぱいあるのですが、きりないのでもう辞めておきますw


日本一周最後の最後にめっちゃ楽しませてもらいましたし、奥深いお茶のことがすごく学べました! 最終日には子供たちが歌を歌ってくれたり、奥様がダンスを披露してくれるディナーショーまで開催してくれました! そしてこんな垂れ幕まで作ってくれて、なんて素敵な家族なんでしょう😭 元気でひょうきんな長男の笑顔も最高❣️

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来年からは共同の工場から独立し、自分たちでお茶を作っていくことにしたそうで、味により磨きと独創性がかかります!

有機で育ったこだわりのお茶を飲んでみたい方はうの茶園のウェブサイトへ!


そしてみんなに見送られ、うの茶園を後にし、旅の始まった東京へ戻ります。

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約1年続いた自転車日本一周WWOOFの旅レポートもこれで終わりになります。農業の現状・実態を身をもって知りたい。日本とはどんな国なのか、日本の田舎暮らし、伝統文化、芸能にも触れたい。そして農業をエンターテイメントにしたい。と思って始めましたが、たくさん叶えることができました。

次回、日本一周を終えた私が何を感じこれからどうしていくかを書いてみようかと思います。



一緒に旅を充実させませんか?