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短編小説集

46
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記事一覧

二十世紀の街角で

短編小説 ◇◇◇  新宿は田舎者が集まるところだと誰かが言っていた。なるほどな、だからこ…

海亀湾館長
1か月前
65

クレアの前の前の前の彼

短編小説 ◇◇◇ (問題はない。何も問題はないのだが……)  エスカレーターの前方を見上…

海亀湾館長
3か月前
50

願いをめぐる二つの短い物語

短編小説 ◇◇◇ 第一話 沛然叔父さんの厄落とし業  ぼくの叔父さんは、昔から雰囲気を出…

海亀湾館長
6か月前
44

犬を連れた奥さんの犬の行方

短編小説 ◇◇◇  アームに取り付けたWebカメラを天井近くまで伸ばし、真下に向けたまま狙…

海亀湾館長
8か月前
65

夜更かしの人

短編小説【NEMURENU Ver.】 ◇◇◇  夜の繁華街を独りで歩いていると、君はいつも旅人にで…

海亀湾館長
10か月前
48

アリスになって遊ぶ夜

掌編小説 ◇◇◇  夜の十時に芙沙から呼び出される。急だったが、こういうのはこれまでにも…

67

8の字

短編小説 ◇◇◇  小学校時代に同級生だった腋田君は、よく蛇を殺していた。腋田君の家はすぐ後ろに山があり、水がちょろちょろと流れている小川もあったので、遊びに行くと玄関先に蛙やイモリ、ときには蛇が待ち受けていることも珍しくなかった。あれは何年生のときだったか、玄関前のアプローチに、二メートルを超える青大将を目撃したときは、息を止めたまましばらくその場から動けなかった。蛇は白く乾いたモルタルの上を悠々と横断して、生け垣の向こうに姿を消したが、このときのぼくは連結した車両がい

ブラッディ・ザネリ

短編小説 ◇◇◇  二十時に配達予定の宅配便を待っている間、ラジオから流れていたバラード…

52

皮のない葡萄

短編小説 ◇◇◇  黒のチェスターコートの下は裸なのだから、身支度に時間はかからない。襟…

51

あの夜シュウの声

短編小説 ◇◇◇  港湾地区から奥まった郊外に移転してきた馴染みの洋食屋で、その夜ナツは…

51

枕元の樹海

掌編小説(#2000字のホラー) ◇◇◇  交際相手から婚約を解消されて落ち込んでいた同僚を…

58

マリー・セレスト号のしつらえ

短編小説 ◇◇◇  妻が今日から三日間、里帰りで家を留守にする。  おれは仕事の都合もあ…

46

エレベーターの孤独

短編小説 ◇◇◇  二つ歳上の土岐岡さんとは大学が同じで、今月から真穂は勤め先も同じにな…

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オキノタユウ

短編小説 ◇◇◇ ◇◇  アデルが休日はデートもしないで、一日の大半を市立図書館で過ごしていると話すと、大抵の友人たちは驚く。続けて、そんなに長く図書館にいて何をしているのかと問われ、これもアデルが正直に「クラシックブックを読んでいる」と答えると、友人たちの驚きはさらに大きなものになる。何かストレスを抱えているに違いないと心配した親友のクリスティーナからは、男の子たちを招待してパーティーを開くから絶対にきて、と言われ、親切なジムからは、相談事があったら気軽に声をかけてく