見出し画像

美味しいってこういうこと

先日、山梨県北杜市からお米が届きました。今日はそのおはなし。

12月上旬、山梨県北杜市の辻さんというご家族(農家さん)の”辻米 ~辻家から届く仕送り米~”というサービスを利用してみました。

”仕送り”という名のとおり、実家から(実家じゃないけど)、いろんなものが段ボールに詰められて届くというもの。
"仕送り米”なので、お米をメインに山梨の特産品が箱にぎゅっと詰められて送られてきます。
注文できるお米は全部で3種類。
・tsujimai-白 shiro-(白米)
・tsujimai-玄 kuro-(玄米)
・冷めても美味しいというお米の tsujimai-握 nigiri-

このサービス、コンセプトを聞いた時、山梨の特産品が一緒に送られてくるのも面白いなと思ったのですが、
お弁当を職場に持って行っているので「冷めても美味しいお米がある」というところにとても惹かれてしまいました。
言うまでもなく、早速、tsujimai-握 nigiri-を注文。

このサービスのいいところは届くまでお米と一緒に何が入っているのかはわからないところ。
“仕送りコーディネーター”(ネーミングが素敵♪)という辻家のお母様が中心となり、お米と一緒に仕送る品物を考えて詰めてくださるらしいので、何が届くんだろうとずっとわくわくしていました。
12月ということもあったので、なんだかクリスマスプレゼントみたい♪

ほどなくして我が家に到着した小ぶりの段ボールの中に入っていたのは、なんと!
・2kgのお米
・あけの金時(さつまいも)
・テンヨのだしつゆ(醤油)
・ほうとう
・コーヒー
・信玄餅(知っている信玄餅と違う!)
の全部で6点。
思っていたよりぎっしりでびっくり!
こんなに入ってるのに設定されたお値段はお手頃なのもうれしかった。

私はこんなふうに段ボールで仕送りをもらったことがないので、仕送りというものをほんの少し体験できたのもなんだかよかったです。

もう届いた時点でお弁当を作るのが楽しみで楽しみで仕方なかったです。
冷めても美味しいってどういうことだろうって。
そしてせっかくなので、いただいたあけの金時とお醤油も使ってお弁当を作ることにしました。

あけの金時は大学芋に。
お醤油はだしが入っているので水溶き片栗粉のみ加えてハンバーグのあんかけに。
そして、炊きたて辻米をお弁当箱に。

お昼。
お弁当箱を開けてまず思ったのが、「つやつやしてる!」。
いつもお弁当ってこんな光だったかな?と思うくらい、ごはんに艶がありました。

辻米はとても優しい味わいでした。
香りが高かったり、すごく甘かったりというわけではなくて、ほどよい香りと甘さ。
ほんと”優しい”が合う感じ。
どんなおかずにも合うんだろうなぁという印象でした。
そして、その名のとおり、冷めても美味しかった。
大学芋も、あんかけハンバーグも美味しかった。

この日のお昼は、とても幸福度が高かったし、今でもあの日のお弁当の味が思い出せるくらい。
たぶん、ずっとにやにやしながら公園でお弁当を食べていたんじゃないかな。

なんでこんなに幸福度が高かったのかというと、
美味しかったからというのはもちろんのこと、
お米や野菜を作ってくれた人たちがいる、送ってくれた人たちがいる、
そんな繋がりの延長線上に自分がいて味わえているということに感動していたからだとも思うのです。

ごはんを食べるとき、よく命をいただいているなと感じます。
目の前の料理は自分で作ったものだけれど、お米が食べられるのは米農家さんが心を込めて育ててくれるから。太陽や大地の恵みで、稲が育つから。
そう思うと、一粒も無駄にしたくないと思うのです。

食べ物だけではなく、器も同じ。
私の愛用している曲げわっぱは秋田県の伝統工芸品。職人さんが丹精込めて作られたもの。
大学芋も、さつまいも農家さんのおかげで、ハンバーグもまた、多くの命がかかわっている。

こんなふうに命をいただくことをありがたく思えるようになったのは、たぶん稲刈りをしたからなんだと思います。
ありがたいことに、ご縁で稲刈りのお手伝いをさせていただく機会がありました。
その当時に感じて書き溜めたものがこれ↓

体験させてもらった稲刈りは生産過程にしてみたらほんの一瞬の出来事だけれど、1日だけでも生命の大事さが身に沁みました。

辻米は生産者さんの顔が見えるから、より一層のありがたみを感じられるのだと思います。
きっとあんなふうな広大な田んぼに、きっとあんなふうな黄金の稲が靡き、きっとあんなふうにコンバインで稲を刈り、きっとあんなふうに重くなった袋を担ぎ、きっとあんなふうに落穂拾いをしたのかな。
私が体験したものとはきっと違うけれど、でも、どこか通じる部分もあるのかなと思うと、目の前のごはんはやっぱり大事にしたくなる。
そう、感じられるのってとても幸せなことだと思うのです。

つい先日、辻米さんのInstagramに仕送りの様子が掲載されていました。
「こんなふうに詰めてくれたんだなぁ」とわかって、それもすごく嬉しくなりました。

私の手元に届くまで、農家さんだけではなくいろんな方の命が繋がっている。
それは、辻米に限らず、全てのものに通じることではあるけれど、
辻米を通して、それを改めて感じることができた気がします。
本当にありがとうございます。

いつかこの想いを直接伝えられたらいいなぁ。
私がInstagramのお弁当アカウントを作ったのも、「美味しい」「ありがとう」を届けたいから。
最近はすごくこの気持ちが大きくて、作ってくれた人や関わってくれた人に届けたい気持ちで溢れている。
心を込めてつくられたものには、そう伝えたくなっちゃうよね。

農家さんに限らず、生産者の皆様、いつも本当にありがとうございます。
私の手元に届くまでの命すべてに、そして自然の恵みに、これからも感謝をこめていただきます。

この記事が参加している募集