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転送少女症候群、もしくは黍島柘十武の長い回想【完結済】

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「君に恋をしてもいいかな?」 生きる理由も希薄な「僕」の前に、ある日突然現れた少女がそう問いかける。強引に始められた同居生活の中で、彼女はその能力(転送)によって辿った奇妙な自分…
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#長編小説

【連載小説】転送少女症候群、もしくは黍島柘十武の長い回想 #03

 それから何日も過ぎました。朝目覚めるたびにこれは夢じゃ無いと思い知ることになりました…

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【連載小説】転送少女症候群、もしくは黍島柘十武の長い回想 #04

「昔々あるところに、と言っても、十二年前だけど、六歳の少女が――少女たちがいました。 …

【連載小説】転送少女症候群、もしくは黍島柘十武の長い回想 #05

 次の日、大教室の隅の方に座っていた僕に、志伊理美が近寄ってきました。  おはよう、と彼…

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【連載小説】転送少女症候群、もしくは黍島柘十武の長い回想 #06

 その日、大学の授業はまるで耳に入りませんでした。  志伊理美の頼み事など、忘れていま…

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【連載小説】転送少女症候群、もしくは黍島柘十武の長い回想 #07

 次の日も僕は普通に家を出ました。遊は、そんな僕に、待ってる、どう話せば良いか、何度も…

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【連載小説】転送少女症候群、もしくは黍島柘十武の長い回想 #08

「『あなたは世界とうまくやれない――』  それは、折に触れミツウラがわたしに言い続けて…

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【連載小説】転送少女症候群、もしくは黍島柘十武の長い回想 #09

 大学に行っても、僕は、まるでうわの空でした。  授業では、講師がいつもの真面目そうな顔で、この世の決まりを話し続けていました。それを真剣に聞いている学生がいました。食堂では、誰かが笑っていました。あちこちで何気ない会話が聞こえていました。皆が皆、当たり前の日常を生きていました。  でも、僕の日常は、遊が引き裂いた。その裂け目からこの世の秘密が、暗い液体が、滝のように流れ出して、僕の身体を濡らしていました。  日常はフィクションだった。それが単なるフィクションだったとして

【連載小説】転送少女症候群、もしくは黍島柘十武の長い回想 #10

 思考の焦点が合いませんでした。ぼやけているのじゃなく、遊のこと、氷井のこと、どちらか…

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【連載小説】転送少女症候群、もしくは黍島柘十武の長い回想 #11

 ふう、と遊はひとつ息を吐きました。そして、僕を見詰め返すと、疲れないかい? と遊は微…

【連載小説】転送少女症候群、もしくは黍島柘十武の長い回想 #12

 次の日、学校に行くのが、相当に嫌でした。  僕はどうしても遊のそばにいなければならな…

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【連載小説】転送少女症候群、もしくは黍島柘十武の長い回想 #13

「仕事にはインターバルが置かれた。立て続けに重要人物が死ぬのはおかしいからね。  わた…

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【連載小説】転送少女症候群、もしくは黍島柘十武の長い回想 #14

 タクシーを降りた僕たちは、繁華街の外れの喫茶店にいました。僕は遊の話が終わったのを、…

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【連載小説】転送少女症候群、もしくは黍島柘十武の長い回想 #15【最終回】

「それで、全部です」  彼はそういうと、すっかり氷が溶けて薄まったアイス珈琲を口にした…