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これからは「多様性の時代」というけれど。ダイバーシティを大切にするカナダで生活して感じたこと

こんにちは。うめ組ランジェリーです。

これからは「多様性」の時代、なんて言葉をよく耳にする。多様性を受容することでよりクリエイティブな社会になる、色んな価値観が組み合わさることで新しいものが生まれる。etc.

理論としては理解できても、日本では日常的にそれを体感することってほぼ無かったな〜と思う。ダイバースな国と言われるカナダで約1年生活してみて体感したこと、社会に多様性があることのメリットについて書いてみます。

薄く混ざりあった文化が作りだす、心地良い雰囲気

カナダは積極的な移民政策を展開し、移民によって発展してきたタイバーシティな国。異なる国籍、肌の色、言語、文化を持つ人たちが生活しており、実際に街を歩いてみるとそれがよく分かります。

ただ親やそれ以上の世代で移民してきた人がほとんどなので、それぞれが持つバックグラウンド、個を激しく主張し合っているわけではなく、カナダという国にうまくアジャストして、皆心地よく暮らしている感じです。

たとえば、日本やインド、フランスなど、個性的な文化・歴史的背景を持つ国々。その「違い」に人々は惹かれて旅行をするし、それらを体験してみることもある意味"多様性"を持つことと言えるのだろうけど、カナダのダイバーシティはそういう鮮明な違いがぶつかり合うような世界とは異なります。さまざまな文化が薄く混ざり合って曖昧なマーブル模様を描いている感じ。そういう空間で感じる、独特の心地よさがある。

皆見た目も違うし、恐らくそれぞれが持っているバックグラウンドは違うだろうけれど、普段は誰も気にしません。日本のように均質的な文化や同調圧力もなく、かといって強く個を主張して価値観の違う者同士が意見を戦わせることもない。そういう自由で穏やかな空気が、心地良さを作り出しているのだと思います。

多様性を受け入れるセイフティネット、安心して生きられる社会

子どもが育つ環境という点で考えてみても、見た目や人と違うことをからかうようないじめは少ないだろうし、私も子どもがいたらこういう環境で子育てしたい。「みんな違ってみんな良い」「ナンバーワンよりオンリーワン」なんて標語を掲げるよりも、多様性が溢れる環境に放り込んでしまった方がよっぽど分かりやすいと思います。

かつ、カナダはセイフティネットがしっかりしているので、誰もがその人の能力に合った仕事を得て十分に生きていける余裕がある。学校でも子ども同士を競わせて、無理に上を目指させたりすることが少ないと友人から聞き、目から鱗。実際、例えば日本だと飲食店のサーバーだと生活が厳しいけれど、カナダではチップも貰えるし生活に困窮することはない。もちろん、キャリア志向でばりばり上を目指す人もいるけれど、それぞれが自分の能力の範囲で社会に貢献して生活することが受容されている。生まれたときから競争社会で生きていかなければならない日本と比較して、いろいろ考えさせられます。「多様性が大事だ」と言うだけでなく、それをどう実現できるのか、多様性を受け入れて人々が幸せに生活できる仕組みがあるのかどうかが重要。

英語を学ぶ上でのメリット

多様性の溢れるカナダで生活することは、初期段階で英語を学ぶ上では大きなメリットがあると感じます。中には「ネイティブの完璧な英語だけに囲まれて生活したい!」という人もいるだろうけれど、間違いを気にしてしゃべれない、発音の悪さが恥ずかしいと感じがちな日本人にとってはこれほど英語学習に適した国はないのではないかと思う。カナダの人は間違った英語にも皆寛容だし、彼らのリスニング能力、理解力の高さはすごい。

あと、見た目はアジア人でも、若い人は移民2世や3世で英語ネイティブも多い。日本人からみるとザ・外国人!青い目をした白人!よりも、話したり友だちになるのに精神的なハードルが低く感じられることはあると思う。実際に私も、アジア系、アラブ系、ヨーロッパ系カナダ人の友だちがいます。カナダ人は基本的に皆寛容ではありますが、彼らは祖父母以上の世代が非ネイティブなので、私の英語にもさほど抵抗を持たず付き合えることもあるのではないかと思います。

世界で起きている出来事が、自然に身近なものになる

日常生活で主張されることは少ないけれど、それぞれが持っている文化や背景は異なるので、当然価値観や関心事は異なります。

たとえば、先日の「Black lives matter」。私の元職場にも黒人、アジア人、白人いろいろな人がいて、同僚のうち一人が抗議運動に参加してそれをSNS上にアップしていたりする。そういう自分に近い人を通して、世界中の様々なことが自然と身近になり、自分ごととして捉えられるきっかけになる。

他にも、母国のストリートチルドレンの問題に心を痛めているイランから移民した2児の母親の話、韓国人と日本人が共通点を多く感じる一方で相容れない国際問題の話、コロナウイルスの件でアジア人が暴力を受けた話、、

なんというか、自分が日本で抱えていた悩みなんてちっぽけだったなあと思うし、世界中に関心を持つべきことはこんなにもたくさんある。

正直にいうと、私自身、日本にいた時は国際政治や世界平和、環境問題など、自分の生活とダイレクトに結びつかないことに対する関心が極めて低かったのです。「毎日忙しい」し、婚活!今後のキャリア!年金!みたいな、自分とその周辺5mmぐらいの範囲の出来ごとに囚われていた。

でもカナダで生活をしている中で、世界中で起こっていることに対して自然と関心が向くようになった。日本のように島国ではなく地続きで他の国々とつながっていることもあると思いますが、カナダで生きる日本人としてではなく、世界の一員として考えられるようになった。

そして、そういう広い範囲の物事にも意識が向くことで、より自由になった。もちろん自分の人生は大事だけれど、そればかりに意識を向けることが返って自分の世界を狭めて、どんどん首を締めていたと思います。

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以上、私がカナダというダイバーシティな国で生活して感じたメリットについて。

視野が広がり、自分ゴトとして感じられることや情報が増えていくことで、より多くの選択肢と可能性を信じられるようになる。それが多様性のある社会のメリットであり、クリエイティブに生きるということなのかなと思います。

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