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Q. お金をかけずに外国語を勉強するのってどう?

 A. 何かの技術を修得するにはカネを遣った方が有利
 
 
「先生、語学が上達するのに必要なものはなんでしょうか」
 
「それは二つ、お金と時間」(千野栄一『外国語上達法』岩波新書、1986年、38頁)
 
 
以前に別の記事で取り上げた文章だが、今回はカネと時間のうちカネについて書く。
 
 
インターネットが発達した現在、無料でできることが多いのは確かだ。ネット上に様々なコンテンツがあるのはもうよく知られている。しかも優良なものが多い(私も利用する)。半面、何百万円も英会話につぎ込んで失敗した人の例は昭和の昔から溢れている。(英語)学習に金をかける=高額な教材や効果の薄い留学というイメージもあるだろう。そして私たちは何かを無料で行うことに喜びを覚えることがあるのも確かだ。
 
 
だが適切に資金を投入すれば外国語学習は楽になる速く進む。時間は貴重な財産であることを忘れてはならない。世の中のサービスの多くは金で時間を買っている。
 
 
さて金をかけるといっても、テキストを買う、辞書を買う、動画のサブスクに加入する、学校に通う、教師を雇う、留学する、とかけ方は様々ある。以下この記事では、カネをかけるべき点について3点述べる。
 
 
【①YouTube Premiumに加入する】
 
30×10×30=9000
 
雑な計算だが、1回30秒の広告を1日10回、30日見れば9000秒=150分になる。おそらくみなさんもっとYouTubeを見ているだろうから、実際には毎月200分以上広告を見ているのかもしれない。
 
2024年6月17日現在、YouTube Premiumの会費は月額1280円のようである(どうも色々な要素で多少の変動はあるようだが)。1280円で150分=2時間半が買えるのなら、買いたくならないだろうか?
 
 
YouTubeには学習系の動画が溢れている。英語学習の動画はいったいいくつあるのかもわからない。日本語だけでなく、英語で作られたもので勉強できるならなおさら選択肢が多い。利用するのなら、学習が途切れないようにするべきだ。教室での授業で10分おきにCMを見せられたらどういうことになるか、ということだ。
 
 
【②教材にカネを惜しまない】
 
何十万円も使うというわけではない。テキストを複数買い、辞書を買う。図書館で借りて必要なところだけコピーしようとか、偶然見つけた古書で済まそうとかしないこと。
 
 
数万円あれば十分だ。電子辞書がある言語なら電子辞書は用意しておく。今の電子辞書には英語辞書も搭載されているのできっと役に立つ。あるいはアプリの教材を使うなら、有料版にして広告を消す。①と同じく、学習を途切れさせないためだ。
 
 
スマホでオンライン無料辞書を使うのではなく、英語ならリーダーズやフランス語ならロベールのように定評のあるものを活用する。アプリだってある。翻訳の世界では「辞書は金で買える実力」である。
 
 
【③教室に通うなら1対1】
 
学校に通うならグループよりも1対1だ。何のために通うのか、どれくらいの時間を投じるのかを考えれば1対1が最適だ。授業に生徒が3人いれば一人が話せる時間は1/3になる。
 
 
国内の学校だろうと留学先だろうと、少人数であることが重要なのは同じだ。
 
 
時間とカネは表裏一体の関係だ。適切に資金を投じれば時間の節約になり、学習の進度が上がる人より速く上達し、実戦投入できれば資金が稼げるかもしれない。
 
 
結論:全てを無料で済まそうとしないこと。


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