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Q. 世界一難しい言語は?
A. 母語次第。
言語学に「難しい言語ランキング」はない。
もちろん、日常生活で盛り上がる話題ならばみなさんそれぞれ一押しの言語があるだろう。「最強〇〇ランキング」のようなもので、絶対的な答えは出ない。
だがこれは関心がある人が多いテーマであるのも確かだ。ブログやXで発信すると反応が多い話題だ。日本以外の地域でも事情は似ている。今回はこのテーマについて掘り下げていく。
まず、何をもって「難しい」というのかを決めないといけない。一般に私たちが何かの言語を「難しい」と感じるのは、その言語に触れているとき、もう少しいえば学習している時だ。
存在も知らないか、自分と何らかかわりもない言語を「ああ難しいなあ」と感じる人はそうそういないはずだ。
ゲームであれ、仕事であれ、「簡単なこと」はできるようになるのに時間がかからない。ということは当たり前だが「難しいこと」ができるようになるには時間がかかるのであるから、「難しい言語」というのは「習得するのに時間がかかる言語」と言い換えることができるだろう。
では言語を習得する上での難易度を左右する要素には何があるのだろうか。
結論をいえば、冒頭で述べた通り母語の影響は甚大である。もちろん文字や発音や不規則な文法事項というものも学習を左右する。それらについてはまた別の記事で述べるとして、今回は母語と外国語学習の関係に焦点を当てる。
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