ソーシャルディスタンススクール
20☓☓年3月。
こんにちは、僕です。もうすぐ小学2年生になります。
1年生のときにガッコウで勉強をして、一番びっくりしたことは、2020年から新しい生活がはじまったと教科書にかいてあったことです。「コロナウイルス」というウイルスが地球上で大流行してから「しんせいかつようしき」というものが広がり、それから、僕たちの暮らしもガラッと変わってしまったんだそうです。僕は「たった少しの出来事で世界はこんなに変わってしまうんだなー」と思いました。
小学校に入って、一番うれしかったのは
「もう1日中マスクをしなくてもいいですよ。」と言われたことです。
マスクは耳がとっても痛かったです。ケンコウの先生からも、「長い時間マスクをつけすぎると肩こりや頭がいたくなる人もいるんだよ」と教えてもらいました。とくに夏は顔がとてもあつくて、頭が毎日くらくらして倒れてしまいそうでした。水もたくさん飲みました。
先生からは、
小さいうちは、色んな病気から体を守るために大事なものだけど、
小学生になったら、ちゃんとケンコウのことも勉強して、ソーシャルディスタンスもたくさん練習するから、
マスクを外す時間を増やしても大丈夫なんですよ^^
と教わりました。
体育の時間、僕たちは、先生から
「コロナ隊形にひらけ!」と言われたら、
「おーーーー!」と言って、となりの人から離れます。
これをソーシャルディスタンスと言います。
1年生は6歩
2年生になったら5歩
3年生だと4歩だけ離れます。
「僕たちだけこんなにたくさん歩かなきゃいけないのはおかしい」と思って、6年生のセンパイに「なんで?」と聞いてみたら、
1年生はまだ足が短いから、たくさん歩くんだよ。本当は2メートル広がればいいんだけど、2メートルって言われてもよく分からないでしょ?
だから、とりあえず6歩はなれればOKなんだよ。
俺たちくらい大きくなれば、2人が1歩ずつ離れれば、だいたい2mだから、だから6年生は1歩でいいんだよ。
と教えてくれました。
難しくてよく分からなかったけど、
僕は「早く2メートルになりたいな」って思いました。
ガッコウに入る前は、大人の人に色々なことを「なんで?」って聞いても、「キマリだから」「ルールだから」と教えてくれないことばかりでした。でも、ガッコウに入ったら先生もセンパイもたくさんのことを教えてくれるようになりました。
ある日、ケンコウの先生に、「なんで、今まで、大人の人は何にも教えてくれなかったの?」ってきいたら、こんなことを言っていました。
すごく難しい質問だね。人それぞれ大人の事情ってやつがあるからさ。
例えば、仕事がいそがしくて答える時間がない人もいれば、うまく答えられる自信がない人もいる、逆に自分なりの答えはもってるけど、あえて教えない人もいるか(ブツブツ)。
まぁ、ごめんな、俺も君の質問にうまく答えられない大人の一人だ(笑)
でも、これだけは言えるんだけど、
大人の人が教えてくれたこと、全部が全部、100点ってわけじゃないからね。もちろん俺が言うことも。だから、ガッコウでたくさん勉強して、「あの人が言ってたことは本当なのかな?」「あの人とこの人で違うこと言ってるけど、ジブンはどっちがいいかな。」ってちゃんと考えられるチカラをつけていこうね。これをリテラシーって言うんだけど、、、あーまだ君には早いか。まぁとにかく学びも遊びも楽しくやろうね。ガッコウは楽しいぞ♪
変な人だけど、なんか面白いから、僕はよく相談にいきます。
そんなこんなで、まだ1年生だから良く分からないけど、
「キマリ」とか「ルール」を守っていれば、いつかいいことあるのかなーって思い続けてたある日、とうとう僕にもいいことがおきました。
まだ恥ずかしくて言えないけど、大人になったらまた親友にだけ教えます。
おわり。
* * *
2年生、春。
マスクのあの子と恋をした。
* * *
こんにちは、私です。上の作文を書いてくれたカレの担任を務めます。今を生きる子どもたちにも様々な人間ドラマがあります。人と人の距離が縮まりにくい『新生活様式』という中でも、彼らなりの楽しみ方を見つけ、思いやりをもち、精一杯毎日を送っています。
2020年のコロナ騒動以来、「確かに日本は変わった」と思います。学園祭、体育祭、甲子園、若者が青春をささげるイベントは全て無くなり、楽しむことさえをマナー違反とされた日々。オンライン化が進み、体温のない授業やコミュニケーションで薄くなる人間関係。重たいフェイスガードをつけられ、真夏でのマスク登校をする子どもたち。それを『当たり前』や『常識』として育てられてしまった若者を、見ているのはとても辛かったです。あの時は何もできずに悔しかったです。でも、だからこそ、声をあげて立ち上がった人たちもいて、私も何とか自分のできることを精一杯動いてきました。抗えない社会のルールに何度もくじけそうにはなりますが、それでも、創られたルールの中で、今日もめいいっぱい子どもたちを守ろう思います。
大人たちが見守っていれば、子どもはどんな環境下でもスクスク育ちます。大事なのは規制でも制限でもなく、安心できる環境や条件をそろえたうえで伸び伸びと過ごしてもらうこと。そんな中でキラキラと毎日を送る子供たちがいることも知っているはずです。暗い側面ばかりに眼を向けないで、いつ誰がどんな時にどんなサインを出しているのかを見ていると、意外と子供たちも楽しんでいるかもしれませんよ。
そういえば、皆さんも、新生活様式だからこそ生まれた恋を眼にしたことはありませんか?「好きなあの子と距離をとる」時に変に強がる男の子、マスクに隠しきれない「精一杯の好き」を眼でアピールする女の子。
もし、知っていたら、ぜひこの続きからお聞かせください^^
恋はいつでも活力になりますね、皆さまからの胸がトキメクようなエピソードをお待ちしています。それでは、また。
温かいサポートをお待ちしております。頂いたサポートは自身の勉強、情報発信へのモチベーションとし、世に広く『健幸的な生活』を提案する活動の資源とさせて頂きます。