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生きがいについて 神谷美恵子 みすず書房

オススメ:⭐️⭐️⭐️⭐️ ※4星評価

4星の理由:理不尽で絶望感を味わい価値観が崩れたとき、生きがいを失うかもしれない。そんなとき生き延びることの助けになるから。

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内容

「いったい私たちの毎日の生活を生きるかいあるように感じさせているものは何であろうか。ひとたび生きがいをうしなったら、どんなふうにしてまた新しい生きがいを見いだすのだろうか」 P8

精神科医としてハンセン病治療に終生を費やした著者が、「生きがい」とは何かを、真摯に追求した本。

後世に受け継がれていく一冊

1966年の初版以来、多くのひとを慰め力づけ、生きがいブームを生んだ一冊。

きっと、これからの時代のほうがより「生きがい」がテーマになると思う。そのときこの本は生きるための手がかりになる一冊。

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赤線❣️

人間がいきいきと生きていくためには、生きがいほど必要なものはない、という事実である。それゆえに人間から生きがいをうばうほど残酷なことはなく、人間に生きがいをあたえるほど大きな愛はない。P11

人と接するときに大切にしなくちゃいけないことだと胸に刻みます。

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著者 神谷恵美子

1914-1979 昭和時代の精神科医。
大正3年1月12日生まれ。前田多門の長女。神谷宣郎の妻。昭和33年から47年までハンセン病療養施設長島愛生園の精神科に勤務。患者の行動と心の関連を分析して独自の「生きがい論」を確立した。38年津田塾大教授。昭和54年10月22日死去。65歳。岡山県出身。東京女子医専(現東京女子医大)卒。    出典 講談社

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          写真:長島愛生園

メッセージ

人間の存在意義は、(中略)野に咲く花のように、(中略)大きな立場からみたら存在理由がある。  P268

生きがいを失い、未来に希望を感じられず、多くの命が消えている。

でも、きっと誰にも、どんな状況でも、理性ではわからなくても、この世界にはあなたの存在が必要だ。

僕たちは同じ月をみる仲間だろ。それだけで十分だ。

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最後に

こういうのをドラマ化にしてほしいなぁ。

文章は医学者らしく客観的に真摯に生きがいを見つめているのが感じ取れる。

だからこそ、最後の章になるにつれ、現時点の医学的見地では限界を感じ、精神性に寄っていく姿がココロをうつ。(´༎ຶོρ༎ຶོ`)

ドラマじゃないけど100分de名著では放送されましたね。でも、動画見れないんだよなぁ。有料とかでみれないのかなぁ。もったいないなぁ。( ̄^ ̄)ゞ




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