見出し画像

OKRのワナ

お仕事での目標管理についてのお話です。前回の目標管理の本質にも通じていますが今回はより具体的な手段の方の話しです。

数年前から日本でもだいぶ流行っていて"OKR"という単語を目にする機会が増ましたね。昔ながらのMBOとの違いから整理したいと思ったのですが、「OKR MBO 比較」で検索すればたくさんの方がとても綺麗にまとめていらっしゃいますのでそちらをご覧ください。


ここでは、あえてこのように整理します

OKR:ゴールから逆算して手を考える
MBO:足元から順番に積み上げる


このnoteの表紙の画像は MBO? OKR?どっち

足元からステップアップしてるのでMBOですね。


OKRで「逆算」と同じくらい大事なのは「俯瞰」

3D迷路を解くときのプロセスを考えてみます。足元から解く場合は、懐かしの3Dダンジョンのイメージです。前方に壁があって、右折や左折ができて「右に進む」みたいな選択をしてその先に宝箱があったりするやつです。

俯瞰(または鳥瞰)は、まさに鳥のように空に飛び出て、上から迷路を見ます。よくある鉛筆で解く迷路はこれですね。しかもこれやるときって慣れてる人はゴールから目で追って線引きますよね。まさに逆算と俯瞰を使ってます。

こう考えるとMBOよりも圧倒的にOKRの方が有利です。


OKRの弱点(じつは弱点じゃないけど)

OKRの弱点は2つあります。一つ目は手段の目的化ですね。これは仕事しているときにいろんなところで起こるあるあるだと思いますがOKRは多いと思います。なんか新しくてOKRよさそうってことから導入するパターンが多いからだと思います。

OKR を使うことが目的になっちゃわないように気を付けたいです。

二つ目は「しゃがむ」ということです。

どういうことか。尚、これはOKRのすべてを表現しているのではなく、ある側面を強調しています。

さっきの迷路の例をMBOとOKRで比べてみます。このときスタートから進んだ距離をKPIとして計測します。1分ごとに何cm進んだかと比べていきます。

青い線のMBOは、迷路を3Dダンジョンのように目の前の道を進んでいきます。行き止まりの時戻るのでマイナスが発生しますが、売上目標のマイナスはあんまり発生しないのでグラフではあえてマイナス入れませんでした。

オレンジの線のOKRは、最初に迷路をゴールから見て正解の道を探すので進捗がしばらく0です。でもトレース完了したら一気に進むのでゴールまで早いです。

グラフにすると↓こんな感じになります。

MBOとOKR

オレンジの最初の0つづきの時を「しゃがんでいる」と表現しました。

会社の運用上この「しゃがんでいる」状態を果たして許容できるでしょうか?繰り返しになりますが、これは目標管理の本質に密接に関わっています。


喩える「登頂」

山の頂上にいくことをゴールとするとき、足元から考えると、道具選びからペース配分やルート選びなどの戦略を練ります。これは想定内の登山では有効です。でも前代未聞の大きな山の場合そうはいきません。それなら最初からヘリコプター作って飛んで頂上にいく。このときヘリコプターを作っている時間は売上ゼロですね。しゃがんでいます。


しつこく喩える「地図とメーター」

車で喩えると、MBO はメーターです。いま時速何キロで進んでいるのか。ガソリンは何リットル残っているのか。これを正しく把握して前に進むことを促進します。

OKR はカーナビです。ゴールと現時点を線で結んでから出発します。途中渋滞するとリルートするところなんかPDCAの仕事っぽいですね。


というわけで、OKR自体は目的ではなく、ただの道具。その道具をデメリットも加味して有効だなと思ったらそれを正しく使うことで本来の恩恵が得られますね。個人的には OKR のツリー感とMECE感が好きです。すっきりします。



最後まで読んでいただいてありがとうございます。今日はグラフを書いたりして体力を奪われたのでダジャレはお休みします。ごめんなさい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?