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ネット広告大手 → メディアベンチャー → 『フードテックベンチャー創業』という異色のキャリアを振り返ってみた。

こんにちは!UMAMI UNITED JAPAN CEOの山﨑です。弊社は植物性卵 UMAMI EGGを開発する日本発のフードテックベンチャーです。

植物性100%の原料で作られた植物性卵「UMAMI EGG」(主原料はこんにゃく粉です)

創業から約1年が経過し、メンバーが10名(業務委託含む)を超えたタイミングで、改めてUMAMI UNITEDを創業した経緯について振り返ることにしてみました。

タイトルの通り、新卒でネット広告大手に入り、メディアのベンチャーに転職をし、フードテックベンチャーの創業という流れは中々に珍しいキャリアではないかと思います。社内外の関係者の方、これから出会う未来の仲間!そして将来のキャリアに悩んでいる方に読んで頂けたら嬉しいです。

ミッション「ONE TABLEで未来を創る」に込めた想い

キャリアを振り返る前にUMAMI UNITEDをご存知のない方向けに会社の話をさせていただきます。UMAMI UNITEDは「ONE TABLEで未来を創る」というミッションとともに誕生しました。まずはこのミッションに込めた想いから始めたいと思います。

突然ですが、この文章を読んで頂いているあなたに質問です。普段の食生活の中で食べられないもの(あるいは意図的に食べないもの)はありますか?きっとこの質問への答えは人ぞれぞれだと思います。普段日本にいると意識をする場面は少ないかもしれませんが、世界に目を向けると何でも食べられる(食べる)という人の方がむしろ珍しいのです。

引用:PHOTO AC

宗教的な理由で豚・牛・その他 動物性の食事を控える人、食物アレルギーの理由で卵・乳・小麦等 特定の食品が食べられない人、エシカルの側面から植物性の食生活を心掛けている人等、様々な背景から食の選択肢は多様化をしています。

しかしながら、食の多様化(フードダイバーシティ)への理解、配慮、リスペクトは社会全体には浸透しておらず、未だに「特別食」という選択肢に留まっており、ある種の「垣根」が存在しているように感じています。

UMAMI UNITEDでは様々なバックグラウンドを持った人たちがONE TABLEで食べられる社会を実現し、明るい未来を創造していくことを使命にしています。

原点は学生時代の「海外生活」と「ボランティアガイド」

このテーマに関心を持つようになったきっかけは学生時代にあります。私は親の仕事の転勤で小学校、中学校時代をタイのバンコクで過ごしました。子供ながら商社マンとして海外でビジネスをしていた父の背中を見て育った私は「いつか自分も日本と世界の架け橋になるような人材になりたい(なっている)」と心の中で思っていました。

漠然と海外の接点を増やしていきたいと考えた私は、高校、大学時代もチャンスがあれば、果敢に海外留学に挑戦しました(機会を与えてくださった両親、学校の先生方に感謝です🙏)。

高校時代は3週間 アメリカ カリフォルニアへ!引っ込み思案だった性格が180度変わる(笑)
大学時代は安くて長い期間行けるからという理由で中国留学へ、後のビジネスチャンスに繋がる

大学時代、日本と世界の架け橋になるための第一歩として、訪日外国人向けのボランティアガイド団体を発足させたのですが、このことが日本の食の多様化の遅れを知るきっかけとなりました。

大学時代は訪日外国人向けボランティアガイドに熱中

ガイド活動を通じてヴィーガンの観光客(ドイツ出身)、ムスリム (イスラーム教徒)の観光客(マレーシア出身)、アレルギーの観光客(アメリカ出身)等 様々なバックグラウンドを持った方との出会いがありましたが、レストランやお土産を案内するのも一苦労。当時、皮肉にも日本はオリンピックの誘致を進めていたのですが、OMOTENASHIとは?という疑問符だけが残りました。その時の感情を敢えて言葉にするならば「恥ずかしい」という感情が一番近かったのかもしれません。一人の日本人としてこの現状を変えたいと思った私は、卒論のテーマを「食の多様化」に設定することにしました。

テーマは一環して「食の多様性」、元メディアがフードテックベンチャーを始めた経緯😲

この決断が私のキャリアに大きな影響を与えることになります。卒論のフィールドワークを通じて「フードダイバーシティ株式会社」という食の多様化をテーマにしたメディアを運営するベンチャー企業に出会い、私はこの会社でインターンをやらせて頂くことになりました。

大学卒業後は新卒でインターネット広告の大手に就職をしたのですが、やりたいことを実現するにはどうも時間軸が合わないことを知り、1年数ヶ月で退社をし(短い期間でしたが社会人としてのベースを学ばせて頂きました)、学生時代にお世話になったフードダイバーシティ社に第二新卒という形で入社することになりました。

入社後、社内で新しいメディアの立ち上げ話があり、私は迷わず「やらせてください」と社長に直談判をしました。テーマは「訪日ベジタリアン向けメディア」で、初めは私も興味本位だったのですが、調べていくと食糧問題や地球温暖化といった社会問題と密接に関わっており、自分たちの未来とは切っても切れないテーマであるという事実を知り、この分野に携われることに喜び、ワクワクと感じたことを今でもはっきりと覚えています。

ここから先は偶然の連続です。ベジタリアン×訪日旅行者という切り口で調査を進めていたところ一番該当者が多かった地域がまさかの「台湾」でした。台湾は親日家が多いことで有名ですが、実は宗教を理由にベジタリアンの人口が多く、台湾人の13%がベジタリアンだと言われています。

大学時代に北京に留学をしていた経験がここで生きました(笑)。今思うとかなり地道で、マニアックなチャレンジでしたが、中国語で日本のベジタリアンの情報を発信するYouTubeやSNSチャンネルを開設し、黙々と発信を続けました。

中国語で日本のベジタリアン情報を発信するSNSを開設
京都の絶品ヴィーガンラーメン!(懐かしい)

最初は数10名〜100名の方にしかリーチしない日々が続きましたが、「まずは現場を知るべきだ」と思い立ち台湾に行くことにしました。

台湾現地のベジインフルエンサー達に現場の情報を沢山教えてもらいました👏
台湾でライブ配信とかもやりました(懐かしい2)

そのことがきっかけとなり、台湾現地のベジタリアンコミュニティの方と繋がることができ、そこからは破竹の勢いで支援者(フォロワー)が増えていき、わずか半年足らずでフォロワー数は3万に到達しました。メディアを始めて1年が経過した頃、ガイドブックの出版話や地方自治体の観光課の皆様からプロモーションのオファーを頂けるようになりました。

盛岡でわんこ蕎麦 精進対応を取材できたのはレア体験
クラファンで資金を募って東京・関西のベジガイドブックを出版したのも良い思い出

北は北海道から南は沖縄まで、YouTubeやSNSのプロモーションオファーを頂くことで、地方出張の機会が増えていきました。その度に各地の郷土料理や道の駅をご案内頂いたのですが、その度に日本の食文化はヴィーガンやプラントベースとは相性が良く、世界で戦える可能性が眠っていると感じていました。それもそのはず、歴史を紐解くと約1200年に渡り日本は肉食をタブーにしていた為、実はプラントベースな食事、食文化、食材が山ほどあるのです。

熊本で出会った豆腐の味噌漬けは「東洋のチーズ」と言われていて日本酒のあてに最高です。
山形で出会った「ますたけ」の食感はまるでチキンでビックリ😲

世界はこの可能性にいち早く気がついていました。

ミシュラン3つ星 Daniel氏 ヴィーガンメニュー考案時に精進文化を参考(引用:Time sensitive)

日本にとって発酵や植物性素材を生かした食の提案は本来であれば得意分野のはず。にも関わらず、世界のプラントベース、代替タンパク市場で日本のプレーヤーは皆無に等しい状態が続いている。この事実を知ったのは今から2年以上前のことですが、当時はただただもどかしく、日本の強みを生かした食品企業がやりたいという想いが芽生えていき、創業メンバーの仲間を探し続けました(自分の想い、構想を形にしてくれる天才フードサイエンティストと会えると信じて!)。

そこから2年近くの月日が経った時、とあるプロジェクトを通じて、共同創業者兼CTOの大場との出会いがありました。UMAMI UNITEDで大切にしているカルチャーの1つに「言ったら起こる」というものがありますが、言い続けたり、やり続けると結果が付いてくるのはどうやら本当のようです(笑)

彼と出会った後、UMAMI UNITEDを共同創業していくことになるのですが、創業からこれまでの軌跡は他の記事に纏めておりますので、詳しくはそちらをご覧ください。

創業者としてUMAMI UNITEDで取り組みたい2つの挑戦!

冒頭お伝えした通り会社としては「ONE TABLEで未来を創る」というミッションを掲げており、様々なバックグラウンドを持った人がONE TABLEで食べることができ、かつ社会にとって優しい選択肢を広めたいという想いで事業をスタートさせました。

このミッションに対して私の想いをより噛み砕いてお伝えすると大きく分けて2つの挑戦が隠れています。

引用:PHOTO AC

1つは「グローバル規模での社会課題の解決」です。一言で社会課題といっても、私たちが取り組む課題は多岐に渡ります。タンパク質枯渇の問題、動物福祉やエシカルの問題、食物アレルギーの問題、鳥インフル等の疫病によるサプライチェーンの問題等 様々です。2050年のカーボンニュートラル、タンパク質クライシスに向けて、世界の食産業は既存の在り方を見直し、サスティナブルな方向へシフトして行かざるを得ません。肉や乳製品で起こっている変化(代替食品の流れ)は卵においても必ず起きるとみていますが、この領域はまだまだ未発達の状態。故に分からないことも多く大変なこともありますが、それ以上に世の中にない新しいものをゼロから創る面白さは格別です。

引用:pixabay

もう1つは「グローバル企業に成長し、世界で戦える成長産業を日本に創ること」です。私は来年節目の30歳を迎えるのですが、「失われた30年」を生きてきた「ゆとり世代」の一人です。安全で清潔で道徳心に満ち溢れて、何よりご飯も温泉にも恵まれている日本は大好きなのですが、一度海外に出ると日本社会・経済の停滞(& 今後の衰退)を身を以て感じます。かつて、日本製の車や電化製品が世界を席巻したように、食の分野においても世界をリードできるポテンシャルがまだまだ眠っていると信じています。UMAMI UNITEDもまだスタートラインに立ったばかりの会社ですが、日本・そして世界を舞台にチャレンジを続けていくことで、日本の食品業界を牽引していけるような企業に成長して参ります。

気がつけば4,500文字を超えていました。ここまで読んで頂き、ありがとうございます!そんな中、厚かましくもお願いがございます。UMAMI UNITEDは立ち上がったばかりのベンチャー企業です。綺麗事とかではなく、本当に周りの方に支えて頂きながら日々前進をしています。私たちの取り組みに興味を持って頂けた方・共感を頂けた方は、是非ともこのNOTEにいいね・シェアを頂けると嬉しいです!少しでも多くの方に情報を届けたく、ご協力頂けますと幸いです。

最後にメンバー募集の宣伝です!UMAMI UNITEDでは未来の食を共に創るメンバーを募集中です。こちらも併せてご覧くださいませ〜^^

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