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<UMA遺産 第5回>河童伝説の「カッパ淵」はじめ『遠野物語』の原風景を辿る~岩手県遠野市土淵町(つちぶちちょう)エリア

UMA(未確認生物)出現が噂されるミステリアスなエリアを、UMAの聖地として、「UMA CREW PROJECT」が独断と偏見で選定、紹介する「シリーズUMA遺産」。第5回目は・・・・。

「河童」(カッパ)~おそらく日本の中で最も愛され、我々の日常にいるUMA(未確認生物)と言えるだろう。「かっぱ寿司」、「かっぱえびせん」、日本酒「黄桜」のキャラクター、懐かしのテレビ番組キャラクターの「カータン」から、「おかっぱ頭/ヘア」まで、すっかり生活に溶け込んでいる存在だ。


河童は、日本の妖怪・伝説上の生き物とされるが、「UMA」というカテゴリーとしたい。名前の由来は、「かわ(川)」に「わらは(童)」の変化形「わっぱ」が複合した「かわわっぱ」が、さらに変化したものと言われている。
1927年に出版された芥川龍之介の小説『河童』により、今の呼び名が定着し、知名度も全国的に上がったという。


外見についての言い伝えは、一見子供のように見え、全身は緑色であることが多いが、赤色の目撃談もある。頭頂部に皿があり、皿は円形で毛が生えておらず、常に水で濡れており、皿が乾いたり割れたりすると死ぬと言われている。口は短い嘴のようで、背中には亀のような甲羅が、手足には水掻きがあるとされる。体臭は生臭く、姿や形は猿やカワウソのようと形容されることもある。

名称未設定 1

1801年(享和元年)、水戸藩東浜で網にかかった河童の姿。
「身長三尺五寸、重さ十二貫目。胸が隆起し、猪首。背が曲がっている。」と記される。天保七年(1836年)霊槐書写による古賀侗庵『水虎考略』 
写本より。

「河童」の目撃例は、古くから全国各地で言い伝えが残されている。今回は、中でも日本の民俗学の開拓者であり、日本各地に伝わる伝説や逸話を数多く書籍として残した柳田国男の『遠野物語』の舞台として有名な、岩手県遠野市土淵町界隈にスポットを当ててみることにする。

東スポ一面を飾った「衝撃写真 カッパ発見」

遠野市は、柳田国男の「遠野物語」の舞台として知られ、古来より、天狗・座敷童子といった“人ならぬ物の怪”の民間伝承がさかんな地。
JR遠野駅前には河童像まで立っている。そして、「遠野物語」の原型となる現地での言い伝えを柳田国男に伝えた民俗学者佐々木喜善の生まれ育った地が、遠野市土淵町であり、地元の土淵小学校(つちぶち)の裏を流れる小烏瀬川(こがらせがわ)は、昔から河童が多く住み、人々を驚かしたという伝説が残る場所らしい。

そんな河童伝説に基づき、河童とされているカッパ狛犬が、小烏瀬川沿いに建つ常堅寺というお寺の入口を守っていると言われており、この近辺の水辺は「カッパ淵」と名づけられている。この「カッパ淵」に河童が現れ、2006年10月、土淵小学校の生徒の目撃談が東スポの1面を飾ることになった。

実はこの騒動、日本テレビのバラエティー「電波少年」のヤラセであることが判明、小学校の生徒達も仕込まれた河童を目撃した情報が紙面を飾り、全国ネットでのワイドショーがひっきりなしに取材に訪れ、のちに「カッパ騒動」と言われるほど、非難殺到、賛否両論の嵐が巻き起こったという。


2006年10月東スポの1面を飾った「カッパ発見」のニュース記事
※ヤラセであることが発覚し、当時「カッパ騒動」に発展

「カッパ淵」は、「遠野物語」の原点であり、
究極の原風景

ヤラセ騒動はさておき、「カッパ淵」は、その昔、河童が住んでいたと伝わる遠野市土渕町にある小川、小烏瀬川の川淵である。川渕の小さな祠にはカッパ神が祭られ、出産後の女性がここに参拝すると母乳の出がよくなるという言い伝えもある。

この小川、田園風景の中、静かに流れる川沿いに木々が鬱蒼と生い茂っており、いつ水面から河童が顔を出してきてもおかしくない、そんな雰囲気が漂う。

川辺では、釣り竿を借りることができ、河童捕獲にチャレンジできるようだ。なんでも、「カッパ捕獲許可証」なるチャレンジ権を購入する必要があるが、遠野市観光協会や道の駅、観光案内所「旅の蔵遠野」、「伝承園」、オンラインストア「遠野時間@Shop」などにて購入できる。「カッパ捕獲許可証」は2タイプあり、遠野市観光協会では写真入りタイプ(930円)、道の駅などではカードタイプ(220円)を販売している。チャレンジへの記念になりそうだ。

ちなみに、写真入りの「カッパ捕獲許可証」は、購入時に撮影した顔写真を入れられ、5年以上の更新をすれば「ゴールド許可証」となり、「旅の蔵遠野」での買い物が5%割引になるお得なサービスもある。
許可証の裏面には、「カッパ捕獲7ヶ条」が記されている。「カッパは生け捕りにし、傷をつけないでつかまえること」「頭の皿を傷つけず、皿の中の水をこぼさないでつかまえること」など、リアリティある内容が嬉しい。

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「カッパ淵」
川辺にある釣竿を使ってカッパを捕獲!
「カッパ捕獲許可証」は2タイプあり、遠野市観光協会では写真入りタイプ(930円)、道の駅などではカードタイプ(220円)を販売中。
岩手県遠野市土渕町土渕
TEL:0198-62-1333(遠野市観光協会)
アクセス:釜石自動車道遠野ICから車で約15分
駐車場:あり
(徒歩約5分にある郷土歴史博物館「伝承園」の駐車場を利用)

土淵小学校に隣接している「伝承園」では、小学校児童が「子ども語り部」として昔話を披露している。この地には、遠野の文化や歴史を語りつぐ土壌があり、「遠野物語」が今なお受け継がれている背景もこうした文化伝承の風習によるものと思われる。
また、最近では土淵町で盛んな「ホップ栽培」を教育活動に取り入れ、総合的な学習の時間を使い、ホップ学習に取り組んでいるとの事だ。

「カッパ淵」歩いて5分のところには「かっぱの茶屋」があり、河童にちなんだ、おみやげなども購入できる観光スポットとなっている。

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「伝承園」
岩手県遠野市土淵町土淵6-5-1 TEL:0198-62-8655
開園時間:9~17時(入園は16時30分まで)
定休日:年中無休 駐車場:あり

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「かっぱの茶屋」
岩手県遠野市土淵町土淵7-46 TEL:0198-62-3777
営業時間:10~16時 定休日:年中無休 駐車場:あり


遠野といえば「遠野ホップ」現地のクラフトビールも味わってみたいもの
オンラインショップでも販売中

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我らが「UMA CREW PROJECT」がプロデュース、
月華葵さん(@721gekka_aoi721)に書いて頂いた河童!
日本全国に様々な言い伝えが残る、人気者!
独特の配色とマッチョスタイルがチョー強そう!
※UMA CREW PROJECT公式twitterにて配信中
https://twitter.com/crewuma/status/1373484511061803015

最後に

このように、河童を話題の入口に、「遠野物語」の背景も含め、遠野市エリアの魅力のほんの一部を紹介したが、これだけでは紹介しきれない魅力がたっぷり詰まったエリアであり、まさに「UMA遺産」としても語り継がれる街であり続けるだろう。

いつの日か、UMA愛好家の皆さんと、「遠野物語」の里である遠野市へ、河童探しに出かけることを、「UMA CREW PROJECT」のミッションとして掲げたい。

UMA遺産5_遠野市MAP


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