見出し画像

提供価値が一目瞭然!価値提供ピラミッド【企画の道具箱 #3】

みなさん、こんにちは!
今回は「価値提供ピラミッド」についてご紹介します。
価値提供ピラミッド…?なんだか聞き慣れない言葉ですよね…?
今回ご紹介する価値提供ピラミッドは「ブランドエクイティピラミッド」をもとに、私たちがアレンジしたフレームワークになっています!
詳しく説明してきますのでぜひ参考にしてくださいね。

価値提供ピラミッドの完成イメージ

価値提供ピラミッドとは?

価値提供ピラミッドは、ブランドエクイティピラミッドをベースにしており、独自のアレンジを加えたフレームワークです。ブランドエクイティピラミッドは、ブランド価値に焦点を当てるのに対し、価値提供ピラミッドは製品やサービスが顧客にどのような価値を提供するのかを明確にするためのフレームワークです。

ブランドエクイティピラミッドとの使い分け

ブランドエクイティピラミッドは一般的にブランドに焦点を当て、そのブランドが顧客にどのような印象を与えるかを分析します。つまり、ブランド戦略の検討に使います。

一方、価値提供ピラミッドは、製品やサービスの実際の要素に焦点を当て、それが顧客にどのような影響を与えるかを理解するためのフレームワークです。つまり、マーケティング戦略やプロダクト開発の検討に使います。

価値提供ピラミッドの構成

価値提供ピラミッドの主要な構成要素は「本質的価値」「心理的価値」「機能的価値」の 3 つです。
また、価値提供ピラミッドにはさらに「ターゲット」「インサイト」「機能要求・実施施策」などの要素も含まれます。
沢山の要素がありますが、価値提供ピラミッドでは主要な構成要素 3 つ以外は検討するために必要な項目であり、実際に書き込む必要はありません。

価値提供ピラミッドの構成図と本質的・心理的・機能的価値の説明

ピラミッドの「ターゲット」に当たる部分はペルソナです。顧客への価値を考えるため、ペルソナを使って価値を整理します。
そして「インサイト」という言葉は、直訳すると「洞察」や「直感」、「発見」といった意味を持ち、ペルソナの気持ちを洞察し、それに必要なものやことなどを発見するといったことを示します。
図は、特定のペルソナを通じて、顧客の心理的な側面や機能的な側面においてどのような価値が本質的価値なのかを理解し、洞察を得るプロセスを指しています。
つまり、ペルソナの視点を通じて、顧客の本当のニーズや欲求を把握し、仮説を立てて、サービスが提供する価値を心理的な側面と機能的な側面から分析し、その中で本質的な価値を見つけ出します。

用途「こんな時に使える!」

価値提供ピラミッドは、主に以下のような用途で活用されます。

  1. マーケティング戦略:マーケティングキャンペーンや広告の計画を立てる際に、顧客に対してどのような価値を伝えるべきかを理解する手助けとなります。

  2. プロダクト開発:新しい商品やサービスを開発する際に、どのような機能や特性を組み込むべきかを決定する際の指針となります。顧客が求める本質的な価値を優先的に考慮できるようになります。

  3. 顧客理解:顧客のニーズや要望を理解するために使用されます。顧客の心理的な側面や機能的な側面においてどのような価値が重要かを把握することで、製品やサービスのカスタマイズや改善が行えます。

  4. 競合分析:競合他社との比較を通じて、自社の商品やサービスがどの点で競争優位性を持つかを明らかにするのに役立ちます。自社の価値提供を客観的に評価できる手段となります。

総じて、価値提供ピラミッドはビジネス全般にわたって、顧客との関係構築や市場での競争において、どのようにして価値を提供するかを体系的に理解し、戦略を立案する際の指針として活用できます!

価値提供ピラミッドの作り方

1. ペルソナの理解

まず、ターゲットとなる顧客ペルソナを明確に理解しましょう。
ペルソナは特定の顧客セグメントを代表する架空の人物であり、その人物のニーズ、要望、好みを把握することが重要です。
ペルソナについてはこちらの記事を参照してくださいね!

2. インサイトの抽出

ペルソナに関する情報から、その顧客が抱える課題や欲求、価値観などの洞察を抽出します。これによって、顧客の心理的な側面や機能的な側面においてどのような価値が重要かを理解します。

💡Tips!:効果的なインサイトの抽出方法って?
顧客の立場に立って感じることを心がける…のは勿論ですが、具体的にどうすればいいか分からない場合はフレームワークを利用すると良いでしょう。
中でも有効なのが共感マップです!共感マップとは、ペルソナ視点で感情や行動を整理することで、顧客のニーズを浮き彫りにするフレームワークです。顧客の属性などを定義するものではなく、顧客を取り巻く環境や行動、関心、願望にフォーカスしたものになっています。
ペルソナが普段何を考え、どのようなものを見て、誰とどんな話をしているかなど、できるだけリアリティーを持って書き出していきます。
共感マップを書くことで、自社の商品が顧客のどの課題を解消できそうか、どの願望をかなえられそうかなどをイメージすることができます。

共感マップの6つの基本要素

出典:共感マップとは?6つの基本要素から作り方まで詳しく解説!(https://blog.nijibox.jp/article/empathymap/

3. 価値提供ピラミッドの構築

インサイトが抽出できたら機能的価値と心理的価値にそれぞれ当てはめて考えてみましょう。

  • 心理的価値とは
    ペルソナがサービスを利用することで引き起こされる心理的状態と解決される心理的課題

  • 機能的価値とは
    ペルソナがサービスを利用することで得られるベネフィットと解消される課題や状況

架空の百貨店の店舗とオンラインを繋ぐ体験型店舗の企画を題材に作ったサンプルはこちら!
具体的にどんな要素が当てはまるのか確認し、活用してみてください!

4. 本質的価値の特定

心理的価値と機能的価値で特定した要素の中から、本質的な価値を特定します。これは、顧客が最も重要視する価値であり、そのサービスのコアメッセージとなります。
本質的価値とは、顧客に提供する最大の価値で、顧客がその製品やサービスを選択する主要な理由であり、他の競合製品やサービスとの差別化要因です。

本質的価値の例

具体的にどのように本質的価値を特定するのか?いくつか観点を挙げてみます。

  • ペルソナがその製品やサービスを選択する理由になるのはどの価値か?

  • それがなくなるとペルソナが製品やサービスを選択しなくなるのはどの価値か?

  • ペルソナが競合製品やサービスと比較して当該製品やサービスを選択する理由になるのはどの価値か?

このような観点で検討をしてみると良いでしょう。

💡Tips!:本質的価値の設定が難しい…!
本質的価値の特定をします…と言われても、その本質的価値がわからないから難しいんだ〜!ってなりますよね。
ペルソナ(属性層)がどんな体験(行為層)をすることでどういう価値(価値層)を得ているか、の視点で分析することで、利用文脈をより深く理解できるようになります。属性層、行為層、価値層の順番で分析していき、最後の価値層まで分析できれば、本質的価値にたどり着くことができます。

こちらの価値提供ピラミッドは森岡毅さん著の「苦しかった時の話をしようか」に記載されている「ブランドエクイティピラミッド キャリア開発用」を参考にしています。

テンプレートはこちら

テンプレートはこちらです。サンプルも一緒に入っているので活用してください!

📋テンプレートとサンプルの利用規約はこちらを参照してください。

※ サンプルは、架空の百貨店の店舗とオンラインを繋ぐ体験型店舗の企画を題材に作成しています。

おわりに

今回は価値提供ピラミッドの作り方とその概要についてご紹介しました!
ぜひ活用してみてくださいね。
この「現場で使える!コンサル道具箱」では、その名の通りすぐに現場で使えるコンテンツを無料でご提供している note です。
あなたの欲しい道具が探せばあるかも?ぜひ他の記事もご覧ください!


この記事が参加している募集

おすすめテンプレ