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顧客の解像度を上げるペルソナシート【企画の道具箱 #2】

みなさん、こんにちは!
企画の現場で「まず対象顧客を設定しましょう」となること、よくありますよね。新規サービス・既存改善、BtoC・BtoBを問わず、対象とする顧客を捉えることはとても大切です。
今回は対象顧客の人物像を描く「ペルソナ」の作成方法とテンプレートを紹介します。


ペルソナとは

ペルソナとは、対象とする顧客の典型的な人物像です。
架空の人物のデモグラフィック属性、ニーズ、行動パターン、思考パターンなどを想定することで、顧客の理解を深めていきます。
マーケティング戦略やサービス企画はもちろん、ビジネス変革などにおいても、ユーザーが誰なのか、どのようなペインやニーズがあるのか分からないと、有効な打ち手も考えられないですからね。

ペルソナシートのイメージ

用途・こんな時に使える!

繰り返しになりますが、ペルソナはBtoC、BtoBを問わず様々な場面で利用できます。以下に例を挙げますが、他にもたくさん利用できる場面はあります。自社視点で考えるのでなく、顧客像を描いて顧客起点で考え始めるだけで、検討の質は劇的に改善します。

  • マーケティング戦略・マーケティング施策

  • 製品開発・製品改善

  • 新規サービス企画・既存サービス改善

  • 業務改革・業務改善

  • ブランド戦略

💡Tips!:BtoBでの活用イメージ
顧客像と言われるとBtoCはイメージがつきやすいですが、BtoBではイメージがつきづらいですよね。そこで、BtoBでは「対象顧客」を「利用者」と読み替えるとイメージしやすくなります。
例えば、企業間の取引システムであれば、自社の担当者や取引先の担当者をイメージしてペルソナとして描きます。社内業務のワークフローであれば、申請者や経理の担当者などをイメージしてペルソナとして描きます。

ペルソナの作成手順

1.作成するペルソナパターンの決定

まずはペルソナを作成する目的を整理した上で、何人分のペルソナを作るのか、パターンを決定します。
簡易的にパターンを決定する場合は、顧客のセグメント(自社にとってどんな顧客か)やユーザーの切り口(どのような人物か)を掛け合わせて作成するペルソナを決定します。

BtoCにおけるペルソナパターン決定の一例

少し難易度は上がりますが、BtoCなどで顧客数が一定以上いる場合はデータに基づいてペルソナパターンを決定する方法もあります。例えば、顧客をいくつかの変数でクラスタ分析して、クラスタに意味づけ(ペルソナパターン化)していくなどです。

2.属性の検討

検討中のサービス特性に応じてペルソナに付与する属性を設定します。人に付帯する属性は無限にありますが、その中でもサービスに影響する属性を選びます。例えば、オンラインショッピングにおいては消費動向や利用しているメディアなどは重要な属性ですし、仕事で使うツールであれば働き方やモチベーションの源泉などが重要な属性になってきます。
【BtoCでの属性例】
・性別・年代・職業・年収・家族構成などのデモグラフィック属性
・趣味・消費傾向・生活習慣・利用しているメディアやアプリなど
【BtoBでの属性例】
・性別・年代・職業・年収・家族構成などのデモグラフィック属性
・雇用形態、担当業務、経験年数、働き方、モチベーションの源泉など

3.情報収集

ペルソナパターン毎に情報を集めて属性項目を埋めていき、架空の人物像の解像度を上げていきます。
情報収集には、現場の観察、身の回りにいる人へのインタビュー、顧客や営業担当者へのインタビュー、インターネットの検索、外部の定量調査などを活用します。

4.ペルソナシート記述

情報を整理してペルソナシートを記述します。
履歴書のようなスタイルで整理して分かりやすく人物像をまとめます。情報だけでなく、イメージに合う人物の写真を付けたり、あだ名をつけたりすると、後からリアルなヒトとしてイメージしやすくなるのでおススメです。

5.確からしさの確認

作成したペルソナを関係者間で確認して適宜修正を加えます。
BtoCでは現場の観察、実際の消費者へのアンケート調査、インタビュー、データに基づく検証などを通して精度を上げていきます。
BtoBでは営業担当者など普段から顧客と接している社内有識者へのインタビュー、顧客インタビュー、データに基づく検証などを通して精度を上げていきます。

💡Tips!:複数のペルソナを作成した時の優先度設定
複数のペルソナを作成した場合は、どのペルソナを対象にするのか、絞り込みをしたり優先度をつけます。誰をメインターゲットにするのか優先度を決めておくことで、後々のソリューション検討を進めやすくなります。

ペルソナを書くコツ

最後に、よいペルソナを書くためのコツを3点紹介します。

1. その人はいるのか?

そのペルソナ(のような人)は本当に実在するのか?期待する人数存在するのか?という点です。「データから根拠を得る」「他の人からの意見を得る」「現場を観察する」など様々な手法を用いて、その人はいるのかフラットな目線で振り返ってみてください。頑張って施策を実行してもターゲットとしていた人がいないのでは本末転倒です。

2. 手触り感はあるか?

具体的に人物像をイメージできるかです。抽象的すぎるとペルソナを設定する意味がないですし、外面的なことだけでなく、性格や価値観、ライフスタイルなどにも踏み入ることで、より手触り感のあるペルソナが描けるのではないかと思います。
私の同僚は、ペルソナとして旦那様のことをイメージして書かれていました。ただし、特定の人をイメージして書く場合はその方が偏った方でないかは注意したいところです。

3. 古くなっていないか?

マーケットは常に変化しているので定期的にペルソナを見直していくことも忘れないようにしましょう。過去のペルソナを使い回す時には、今の時代に合っているか必ず見直すようにしましょう。数年前に作った時代遅れのペルソナを追い続けてもあまり意味がないケースもありますからね。

テンプレートとサンプルはこちら

※サンプルは、架空の百貨店の店舗とオンラインを繋ぐ体験型店舗の企画を題材に作成しています。

📋テンプレートとサンプルの利用規約はこちらを参照してください。

おわりに

今回は対象顧客の人物像を具体的にイメージし、顧客起点で戦略や施策を考えていくための「ペルソナシート」をご紹介しました。
テンプレートとサンプルも是非活用してみてください!

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