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1を聞いて10を予想するための「帰納法」

今回は

問題解決力を高める「推論」の技術』 羽田 康祐著

を読んで、内容を忘れないよう本の1部を自分の言葉で説明しながら、例を自分で挙げたいと思います。なので、備忘録的側面が強いですが、ご了承ください。

・帰納法の説明と例

ビジネスにおいて1を聞いて10を予測できる人は優秀かと思いますが、その方法の1つが「帰納法」という方法です。
私は、帰納法を「いくつかの事象から共通点を抜き出しそれを一般的な法則につなげるというもの」と捉えていましたが、著者は帰納法を

「妥当性の高い論理を導くための手法」としてだけでなく、「有益な法則を導き出す推論法」

という意味合いで説明しています。

では、実際に帰納法を用いた2つの例をあげていきます。

「事実:Aのカラスは黒い。
事実:Bのカラスは黒い。
事実:Cのカラスは黒い。
結論:だから、すべてのカラスは黒いと予想する。」

次の例は、食品製造・配達を行うA社の人を想像しています。

「事実:B地区の住民はコロナ禍で巣ごもり傾向にある。
事実:B地区には飲食店が多いがテイクアウトを始めているお店が少ない。
事実:B地区の近くには自社の冷凍食品向上がある。
結論:B地区に冷凍ミールキットをデリバリー販売する事業をはじめるとうまくいきそうだ。」

というかんじですが、この2つには導き方に違いがあります。著者が

「直線的」と「洞察的」

という言葉で表しているもので、前者は事実から直接的に結論を導けます。一方で、後者は事実から見えないものを推測することで結論を導いています。

{巣ごもりってことは家にいる時間が長くなってるだろうな。けれど、家でずっと料理するのも大変だし時々おいしいものをたべたくなりそう。テイクアウトできるお店は周りにないわけし、ちょっとした贅沢ができる食事をト配達できるようにしたら人気が出るんじゃないかな。うちの冷凍技術を使ってミールキットを作れないかな。}

みたいな推測をしているということです。ちなみに、後者を考える際には「3C(Customer,Competitor,Company)」というフレームワークを用いました。書中には、3C以外にも有効なフレームワークが紹介されています。

・トレーニング

いざ働き始めて帰納法を使いたくても習慣になっていなければ出来ないと思うので、書中で紹介されている日常で可能な思考訓練をここで実際試してみます。身近なものから有益な法則を導く思考訓練です。

「タオル→一枚の生地+表面のたくさんの糸輪
   →目につきにくいけど必要な部分+目につくけど増減可能な部分
と考えたとき、物事の必要不可欠な部分は一目ではわからないものなのではないか、と推測。そして、
事実:ボールペンの必要不可欠な部分はペンのインクで一目ではわからない
事実:人間の必要不可欠な部分は心臓で一目ではわからない
結論:物事の必要不可欠な部分は一目で判断できるものではない
という結論に至る。」

身近なタオル一枚から何か推測ができないか考えてみました。

例を挙げて実際に法則を用いるとするなら、自社サービスのアップデート時、正確に必要不可欠な部分にたどり着けると逆にそうでない可変部分もわかりそこを後回しにする選択肢をとれる?的な感じでしょうか。正直説得力があまりなく、法則としては弱そうですね。
そうでないことや自分の結論が間違っていることはあるでしょうが、そんなことは考えずどんどん思考実験したいと思います。

・最後に

私が振り返った内容はほんの一部でしかないので、よければ是非手に取ってみてください。
仮説を立て実現可能性の高い戦略をたてたいと考える方にはおすすめできる1冊と実感しています。

最後に、筆者の言葉で印象に残ったものをかいて終わります。

『真に意味がある成長とは、すぐに陳腐化してしまう「知識」を得ることではなく、時代を超えて使える再現性の高い「法則」をストックしていくことだ。』

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