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デリバリー利用手数料に対する疑問と、オフプレミスに対応するアメリカレストラン

今回はこちらの記事について、考察をしていきたいと思います。

テーマは「フードデリバリーと、オフプレミスに対応するレストラン」です。

・2つの疑問

記事の前半では、Uberの飲食店からもらう手数料の話が載っています。
内容は、「手数料の高さの是非」についてです。
記事を読んでいて、私は2つの疑問点が浮かびました。

①飲食店がつぶれたら元も子もないのではないか?

A total of 110,000 restaurants in the U.S. have closed, which is about 17 percent of the nation’s restaurants total.(本文より抜粋)

とあるように、新型コロナウイルス蔓延の影響で、レストランが11万件つぶれてしまったことが分かります。

上記のような、全体の17%がつぶれてしまうような状況で、手数料を高い状態で維持し続けたら飲食店の方が持たなくなるのではないか?ということです。
当然ですが、サードパーティーフードデリバリーサービス(Uber eatsやDoordash)の売上は、契約している飲食店数に比例するはずです。手数料サービスは1回の売上から、割合で利用料が支払われるからです。

もちろん、「飲食店の数が手数料の影響で減る」と断言はできません。実際、11万件のレストランがつぶれてしまった理由が、「配送手数料&サービス手数料」が原因であることは示されていないからです。手数料を支払ってでもマージンが利益になり、経営がスムーズにいっているお店も多いでしょう。

ただ、2020年は飲食店全体の数が減っても、契約の数は伸びていたでしょうから、売上は上がったと思います。
しかし、1社でとれる契約が頭打ちになったとき、そこから手数料が原因で契約がなくなることがあり得るのではないでしょうか。しなくなる理由は、「経営が苦しくなったから」「コロナ禍が落ち着いて顧客が戻ってきたから」「自社でデリバリーを始めたから」「ゴーストキッチンに移行して、販売方法をドライブスルー限定にしたから」などたくさん考えられます。

②利益の増加は飲食店に還元されるのか?

Uber Eats had a big year in 2020. It more than doubled its revenues and even acquired a competitor, Postmates, towards the end of the year.(本文より抜粋)

ということから、Uber Eatsは2020年に大きく利益をあげながら、Postmatesを買収していることが分かります。

今回の疑問は、この利益が飲食店側に還元されることはあるのだろうか?ということです。
還元というのは、手数料ダウンを指しています。
「売上が上がったので、飲食店からもらう手数料を下げ、継続率の向上と新規店舗獲得を目指す」みたいなことです。

ただ、Uberはこちらの記事にあるように、Uber全体では大きな赤字が予想されていることが分かります。先行投資が大きな原因でしょう。
Uber側は、黒字化できると話していますが、その理由が自社システムの効率や利益率の改善であることを考えると、利益を飲食店手数料のダウンに割こうしているとは推測しがたいと判断しました。

・求められるレストランの対応

話は変わりますが、こちらの記事に、レストランが取り組んだ2020年のトレンドが載っています。最初にリンクを張った記事の後半にも、リンクがあります。
やはり、「off-premises」への対応がほとんどですね。飲食店外での需要が高まっていることが分かります。

「off-premises」というのは、内食・中食といった家での食事や飲食店外での食事を指しています。一方、飲食店で食べる食事を「on-premises」といいます。

「メニューを合理化」してデリバリー注文者の迷いを軽減したり、「コンフォートフード」や「健康的な食事」など消費者が好むものを商品に組み込もうとしていることが分かります。「bandleされた食事」という、1品料理でなく、数種類の料理が配達される商品もアメリカでは人気なんですね。

後、これは面白いなと思ったのが、「食料品の購入」が飲食店からされるようになったことです。「飲食店が仕入れる食品なら」という安全性からなのか、「どうせならついでに食料品もデリバリーしてもらおう」という便利さからなのかは分かりませんが、日本にはない面白さを感じました。

10のトレンド全てから、飲食店がコロナ禍による変化に対して、素早く対応したことが理解できます。

・ふと考えたこと

フードデリバリーサービスって、1回1回の手数料制じゃなくて、月額の定額制とかだと難しいのでしょうか?

飲食店側からすれば、損益分岐点が分かりやすくて、よさそうだと思うのですが・・・。
それだと、やはりサービス提供者側が利益を得るのが難しくなるのでしょうか。

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