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全く知らなかった「介護」業界の知識

今回はNewsPicksさんの番組「介護のイノベーション」をみて、記事を書いていこうと思います。

・介護保険制度システムの難点

厚生労働省に記載があるデータを調べていただければわかりますが、介護に充てられる予算は相対的に大きく増えてきているのです。
例として、2010年の介護費用は7.8兆円であったのに対して、2020年は12.7兆円が予算として当てられています。

これは、当然介護保険料をいただける人(要支援+要介護)の人数が増えているからというのは言うまでもないことです。
なので、ここではどうして1人あたりの保険料は減っていないのか?について考えていきたいと思います。現場のことを想定しながら話を進めます。

日本には介護保険制度という制度があって、介護保険を利用できる人は基本使用料を1~3割支払いで住むようになっています。残りの7~9割りは支給され、支払われるわけです。
しかし、介護保険には介護度に応じた支給限度額があります。以下がその表になります。

要支援1 50,320円
要支援2 105,310円
要介護1 167,650円
要介護2 197,050円
要介護3 270,480円
要介護4 309,380円
要介護5 362,170円

見ていただければわかるように、介護レベルが上がるほど支給される限度額が高くなっていきます。これはある意味当然だと思います。保険を利用される方からすれば、レベルが高くなるに従い治療の頻度を上げて、早く元の生活に戻りたいと考えるはずです。

一方で、介護士の方からの視点ではどうでしょうか。
ここで、3人の要介護4の方を担当されている介護士Aさんがいると仮定します。そして、Aさんが頑張って3名の方を要介護2まで支えたとしましょう。一般的に見れば、この時Aさんはボーナスのような報酬をもらえてもおかしくないと考えます。しかし、病院に入ってくる収入は、要介護4のときより元気になった要介護2の時の方が少ないのです。
このように、介護士視点でみればレベルをさげるインセンティブが働きにくいシステムが作られています。

これは1人当たりの介護費用が減少しなかった1つの原因なのではないかと推測をしました。
もちろん、人が悪いというのではなくシステムモデルを変える必要があるということです。

・マーケットシェアが低い?

番組内で話されていますが、介護業界は全部で6万社あるそうです。
ですが、こちらの記事からも分かるように売り上げトップ22社のマーケットシェアは8%しかありません。(介護費が10兆円支払われているのに対して、22社の売上合計が0.8兆円であるから)

だから、何かあるわけではありませんが、これだけ注目を集めている介護業界でとびぬけた民間企業がないことに少し驚きました。
番組内でかたられていましたが、介護業界は国からお金をもらう関係で大きな利益を出しにくいらしいです。(根拠のあるデータがないので断定はさけました。)これが関係しているのでしょうか?

・どういう取り組みがされているのか。新たな学び。

・SIB(Social Impact Bond)
最初の項の、成果に対してインセンティブが支払われにくいということに対する取り組みです。(詳しくはこちらをごらんください。)

官民連携の仕組みの一つで、成果連動型民間委託契約になっています。国から委託された業務に対して企業が成果を残すことが出来れば報酬が出るというものです。まだ、事例は少ないもの事ですが、介護の業界で少しずつ浸透していけばいいなと思います。

・ユマニチュード
フランスで開発された認知症ケア方法。フランスでは医療費を3800万円減らす大きな成果を残した方法らしいです。(個人的にはどうやって計測したんだろう、というのがきになっちゃいました。)
日本でも導入されており、日本ユマニチュード学会があります。

ラボット
エモーショナルロボットの名称。
主に教育の場で利用されているらしいのですが、現在は医療現場にも導入されているとのこと。
体温が人間と似た温度に設計されているところにいい意味でロボットらしくなさを感じました。

・最後に

番組でも話されていますが、結局大事なことを1言でまとめると「治療から予防への変換」なのかなって思います。
今まで何か起こった後の「費用」として使っていたお金を、その何かが起こらないようにするための「投資」に当てることが必要なわけで。
その変換のために何ができるかが大切なんですね。


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