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鮎柱大祭…そして…鮎漁師の一日

“熱中症で 倒れたかと思って”......
ある意味 熱中症である....

朝目覚めれて.....

鮎柱祭りである。

前日に見つけた全てが重なる一点

鮎が 舞う舞う 鮎柱

ただ 命がけ....

“命かけてまで 獲るものでなし”

太古 この川で 鮎を獲っていたであろう縄文人の鮎漁師も 同じ事を
呟いていただろう.....

鮎柱を観て 太古からの狩猟の血が
騒いでいる.....

“御安全に”......獲るには?

前夜
押入れの奥から ライフジャケットを
引っ張り出す

シュノーケリングマスクも.....

水飲んで 溺れなければ 死なないだろうと....

頭の中は 鮎柱の底に居る
鮎の大群が 視えている

前日も大漁だったけど

祭りの前夜である

朝 目覚めれて....

綱蔵から 網を選ぶ
祭りだからと 新しい刺網を準備する

午前八時

祭りは 始まる

スパルタリハビリ祭りである

ウエットスーツに
ライフジャケット
シュノーケルマスク
左手に 刺網を持ち 泳ぎながら 張って行く

水深は3mほど......

ライフジャケットが無いと 深場に
吸い込まれてしまう

あれ? あれ?

昨日 鮎柱が 立つほど
鮎が 居たのに 全く居ない 
新しい綱を 巻いたのに 1匹も 
かからない......

漁場を 泳ぎ歩く.....やはり鮎の
気配は無い

鮎柱祭りの会場は?

午前八時半 まだ 水は冷たい

わかった 下のトロ場に居るんだ......

200m程 降り 川を仕切るように
網を入れる

鮎祭りの 始まりである

次から 次へと 良い天然遡上鮎が
網を刺す

トロ場から 水の冷たい深場に向かう
のだろう

あっという間に 
腰にぶら下げた 鮎袋(5Lの洗濯ネットであるが....)口まで 満杯に

重たい重たい 鮎五キロほど....
すぐ腹を出し 氷の中へ

全て クーラーボックスに納め
また 川を降る


張り切った網を 確認に行くと
また びっしり 鮎がかかっている

これは これは 大変だ.....

なんやら 携帯が鳴る

“大丈夫?”......

昼過ぎても 戻らないのを 心配してか
坊が 漁場まで 見に来ていた

熱中症🥵を心配されてたが
違う意味で 熱中症である..... 祭りだ...

水が温くなっている

また 鮎袋いっぱい...,.
手早く腹を出し クーラーボックスへ

天然遡上鮎 10キロ超え
大漁の大漁 大祭である

戻って 遅い昼餉.....


さてさて
始めるかと 
贈り用に 氷詰めして 二箱配る

鮎漁師女史に“鮎 要りますか?”

“要ります”と

また 漁場に出かけ
天然鰻釣り帰りの鮎漁師女史に
鮎を どっさり贈る。

“天然鰻 持って行きますか?”

天然鰻に 蛤に

“鰻 捌けないから 捌いてから
ください”

そんなやり取りを 眺める坊は呟く

“物物交換って 縄文人みたいやな”と...

太古から やってる事なんて なんらかわってないと 思っている

戻って 鮎の仕分け....
大きさに合わせて フリーザパックに
入れて 空気を抜き 冷凍庫へ

10キロ 500匹弱の天然遡上鮎達

無事に 采配し 落ち着く

獲った鮎は 御縁をいただいた皆さんに
贈っている

今は それしか出来ないから....

そんな 皆さんからの 美味しそうな
写真を眺めているだけで
鮎漁師 冥利に尽きるのである

皆さん それぞれの拘りがあって
嬉しくなって来る

石灰分の多い揖斐川水系根尾川の水は
甘く
その水に惹かれ遡上する
天然遡上鮎は
美しく
美味しい


鮎柱大祭りを 知ってか
珍しいお酒🍶が届いた

“大漁を祝って呑んだら”と坊は呟く

ならばと...

シュワシュワと 
美しく
美味しい


毎日毎日 水の中に居る

誰も居ない 水の中
雲眺め 鮎と戯れてると
“生きてるなーって”


ギランバレーに恋をして
そこまで 回復出来たのは奇跡ですよと
主治医は呟く

“スパルタリハビリは ほどほどに”

皆さんに 言われている....


ギランバレーに恋をして
回復期リハビリテーション
鮎漁師 浮世雲拝


落鮎の頃
雪の便りが聞こえるまで
水の中に居る...


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