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おやしらずを抜く

先日、親知らずを抜きました。

我ながら成長したなあと感じるのです。

ちょっと何を言っているのか、わからないと思いますが・・・


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要は、歯医者さんが苦手なんです。

それは、子どもの頃に通った歯医者さんが影響しています。

その歯医者さんは、いつまで経っても治療が終わらないんです。

次はこれやります。次はこれやります。次はこれ・・・と。

最初から言ってよと思うんです。

そのうち、わざと治療を長引かせているんじゃないかと、ものすごく疑心暗鬼になって、その歯医者さんには通わなくなりました。

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でもですよ、歯医者さんは「診断」と「治療」を同じ先生がやりますよね。

こういう場合、こちら側に判断材料が与えられなかったり、自覚症状がないような場合、先方の診断のさじ加減次第では、いくらでも治療ができてしまうのではないでしょうか。

世の中には、似たような構造が多いと思います。

幸いなことに、その後の歯のトラブルはなく、ここまでずっと来ていたのですが、この前、おにぎりを食べていたら、「ガリッ」と奥歯の詰め物がとれました。

こればかりは仕方がないので、十数年ぶりに歯医者さんに行きました。


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いやあ、すごいんですね、最近の歯医者さんは。

待合室で名前を呼ばれて、案内された診察室は、広々とした半個室でした。

ファーストクラスのような白い大きな椅子が1台あって、そこに座ると、目の前にデッカいモニターがある。

そのモニターには、検査の結果が全て映し出されて、自分の歯の状況が見えるようになっています。

その画面を見ながら先生がいろいろと説明してくれるんですね。

ちなみに検査は、レントゲンやら、写真撮影やら、顔の周りをグルグル回る3Dの機械やら、噛み合わせのチェックやら、いろいろやりました。

完全に浦島太郎状態でした。

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今回初めて自分の歯のレントゲン写真を見ました。

親知らずがありました。(いや、誰にでもあるのだと思いますが・・・)

4本のうち3本は、横向きに生えていて埋もれていました。だから外からは見えません。

でも1本だけ、左上の1本だけは、外に顔を出していました。

ずっと気づきませんでした。僕にも親知らずが生えていたんです。


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「この親知らず、虫歯になっていて機能していないので、抜いちゃいましょう。」

と、先生に随分と軽いノリで言われたので、

「あっ、わかりました。お願いしまっす。」

と思わず軽いノリで答えました。

冷静に考えると、「機能していない」って、あんまりだとも感じるのですけど。


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抜歯当日は、不覚にも緊張と不安に襲われました。

いざ歯を抜くとなると、なぜかデッカいペンチのイメージが沸いてきます。

いつも通りに診察室に入ったつもりでしたが、ただならぬ緊張感が伝わったのでしょうか。みなさんがいつも以上に優しいんです。

豪華な椅子にドカンと座って、背もたれがゆっくりと後ろに下げられ、目元にタオルを掛けられて、

「痛かったら左手を挙げてくださいね~」

という言葉を聞いたとき、なぜか緊張感MAXになりました。

チクッと麻酔を打ったあと、先生がなにやら歯をグリグリやっています。

さあ、いつ抜くんだろう。

デッカいペンチのようなものはいつ出てくるんだろう。

いまかいまかと待っていたら、もう抜けていたようです。

全く痛くなかったんです。あっという間のできごとでした。


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その後の経過も順調で、腫れることも痛みが出ることもありませんでした。

何よりも、親知らずを抜いても、口の中に全く違和感がありません。

たしかに「機能していなかった」のだなと。

うーむ、何とも複雑な気分です・・・。


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今回、詰め物を新しくしてもらい、全ての歯のクリーニングもしてもらいました。

とってもすっきりとした気分です。

あれだけ苦手だった歯医者さんに最後まで通えて、親知らずまで抜くなんて、我ながら成長したなあと感じたというわけです。

今まで歯医者さんを疑っていたこと、素直にお詫び申し上げます。



【2021.11.15 記事修正済】
(正)「左上の歯」←(誤)「左下の歯」 

・「左上」の歯を抜いたのですが、当初の記事では「左下」の歯を抜いたと書いていました。
・タイプミスではなく単なる勘違いです。それほどまでに機能していない歯だったということでしょうか・・・(言い訳です。)
・お詫びして訂正申し上げます。詳しい経緯はコメント欄をご覧下さい。





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