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私が「人材紹介会社のウラ側」をお伝えしていきたい理由について。後編

こんにちは。齋藤亜瑚です。

今回で、自己紹介も兼ねた【私が「人材紹介会社のウラ側」をお伝えしていきたい理由について。】も最終回です。

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◆転職の仕方を教えてくれるところが「ない」

今回のコロナ禍やリーマン・ショック時のように、急激な社会変化のために、今まで働いていた仕事が無くなってしまうことを私たちは経験してきました。

だから、いつそういう事態に自分が置かれても、きちんと動けるよう「転職に日頃から備えておく必要」がどの社会人にもあるのではないかと思うのです。

でも、「終身雇用制度」の名残りか、大っぴらに「転職活動の仕方」を尋ねることができる人がどこにいるのかを、私たちは知らないですよね?

応募書類を準備するとします。履歴書は、新卒の就職活動の時に書いたから何となくわかる。だけど職務経歴書は?転職サイトに書き方が載っていたりするけれど、いまひとつピンと来なかった時、どうしますか?

会社の先輩や同僚に訊こうものなら、「え、転職しようとしてるの?」と疑われてしまいます。「年功序列」世代の親に尋ねたりしても、余計な心配を掛けさせるだけですし、中学校や高校の先生も、進路指導や就職指導はしても「転職活動の方法」は教えて貰えないでしょう。公務員であることも多い「先生」たちは、そもそも「転職」するためのノウハウを持ち合わせてはいない。

「人材紹介会社のプロに訊けば良いのでは?」と思っている方は多いですが、繰り返し書かせていただいているように、彼らはボランティアではなく、「営利目的」で「自分たちが売りやすい会社・お金をきちんと払ってくれる会社」へ転職者を紹介することで利益を得ている営業職です。

ひとたび「この転職者は売れる」と思ったら、どこまでも追いかけます。本来、客観的に見て転職すべきではなく、現職に留まったほうが長い目で見ればその転職者のためであっても、自分のクライアント企業のニーズに合致した転職者だった場合、半ば強引に応募を促すキャリアコンサルタントも残念ながら存在します。

転職者が何の知識もなく頼り切る=自分のキャリアを預け切ってしまうのは危険なのです。自分と相性が良く、本当に有益な情報を得ることができるキャリアコンサルタントに出会うためには、複数の人材紹介会社に登録する必要も出てきます。

「ハローワークで聞けば良いのでは?」という方もいるかもしれません。が、在職中からハローワークで転職活動のノウハウを聞くという方はほとんどいないのではないかと思います。失職してしまってからハローワークで転職活動のノウハウを教えて貰うというのは、それはもう「備えている」とは言えないのではないでしょうか。

◆自分のスキルを客観視することは難しい…

はじめて転職活動をする人は、どうしたって「自己流」で転職活動を始めなければならなくなります。そのため、しなくても良い失敗を繰り返す人がとても多い。転職活動を始めたばかりだと、「求人情報の読み方」もよくわからないし、自分のキャリアの客観視も難しいからです。

例えば、はじめて転職活動をする人が人材紹介会社に登録するときです。人材紹介会社へのエントリー方法には大きく分けて3種類あります。

一つは、私たちキャリアコンサルタントから配信された「スカウトメール」に反応してエントリーしてくること。もう一つは掲載されている求人情報に興味を持って応募してくる「求人エントリー」。さらに、転職者がこの人材紹介会社のサービスを受けたいと希望して「人材紹介会社にエントリー」してきてくれるパターンです。

私がキャリアコンサルタントとして活動していた時、この「求人エントリー」がなかなかの曲者でした。

「どうして、この人がこの案件にエントリーしてきたんだろう?」「どうしてこの案件に受かると思ったんだろう?」と疑問に思うようなエントリーがとても多かった。

学生時代を思い出してほしいのですが、高校や大学進学の際は、学校や塾や予備校が受験のノウハウを教えてくれますし、模試のたびに自分の偏差値を知り、どの学校にどのくらいの確率で合格しそうだ、とか、どの科目の得点をあとどのくらい伸ばさないと合格は難しそうだ。と客観視することができます。

自分のいつもの実力を知っているので、偏差値55の受験生が「(もしかしたら・あわよくば)東大に受かるかも!?」等と無謀な受験をする人あまりいないと思うのです。(記念受験は別ですが。)

就職するときも学生課や就職セミナー、インターン等で職業選択のための自己分析の仕方や、志望企業の選択の仕方を教えてくれますし、面接でどんなことを話したらよいか、希望すれば指導を受けることもできます。

が、こと転職活動に於いては「何故ここに受かると思うんだろう?」と思うようなエントリーをしてしまう人が多い印象があります。(一時期、一部の人材紹介会社が“リベンジ転職!”“転職して年収を100万円アップ!”等と煽った影響もあると思います。)

何故、「無謀」とも思えるエントリーが多いのか。理由を考えたのですが、前述の通り、そもそも日本には「転職活動の仕方を教えてくれる人がいないから」そして「人間は自分を客観視することが苦手だから」ではないかと思うのです。

キャリアコンサルタントが、どんな視点で転職者という「商材」を見極めたり、どんなところを補えば自分が担当している会社のどのポジションに推薦できるかもしれない、と考えるか。とか、「大っぴらに求人票には書けないけれど、本当は採用人事は『こんな人材を推薦してほしいと言っている』」等という「人材紹介会社のウラ側のお話」をお伝えしていくことで、「すぐ転職するわけではないけど、いざというときのため日頃から備える」お手伝いになるのではないか?と考えたのでした。

そんなわけで、これからも不定期でこのnoteに「人材紹介会社のウラ側的なお話」について書いていきたいと思います。どうぞお付き合いの程をよろしくお願いいたします。

齋藤亜瑚

よろしければサポートを是非お願いします。現在医療介護系の人材会社に所属しつつ、これまで経験してきたことを「転職しようと思ったこともないひとたち」「転職活動したことがないひとたち」が「転職せざるを得なくなってしまった」ひとに還元できるようにしたいと思い活動を始めました。