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【シリーズ】あるじとしもべのダイアローグ(14)

「オイしもべ」
「ハイあるじ ごきげんうるわしゅう」
「それ好っきゃなおまい ごきげん…うるわしぃはないな…で、なんやねんその顔」
「顔ですか いつも通りですが…」
「いつも通りやあるかい なんや目ぇは赤いしおまいさっきからパソコンの前でぶつぶつ言いながらなんか書こうとしてるやんけ 何書いてるの 見せてみ」
「あっだめですよあるじ やめてください プライバシーの侵害」
「どうせ青少年に見せられへんなんかいかがわしい感じの動画でも見とんのやろ…ってなにこれ。白紙のnote下書き画面やんけ」
「…」
「このタブは?何これ 『「言語学な人々」アドヴェントカレンダーに乗り遅れた全裸中年男性 Advent Calendar 2022』…」
「…」
「おまい…なんや…」
「なんやって、なんですか」
ハブられたんかぇ
「ハブられたんじゃありません たぶん… 乗り遅れただけです…」
「どうかな~ 去年おまいそれ参加したんやろ」
「しましたね」
「それがあんまおもしろくなかったから今回スタメン落ちしたんちゃうの」

「スタメン落ちってあるじ…(泣)そんなことありませんよ?ホラ見て まあまあスキももらえてるじゃありませんか」
「だっておまい、いうほど専門的っつうか言語学っぽいネタでもないやでこれ」
「…」
トルコ語とほかのテュルク諸語の違いなめんな、って20文字ちょっとですむ話をよぉ 長々と書いただけやんけこれ」
「…」
「あーーーーーウソウソウソウソ 泣くなて あと泣きながら首しめんなて💢」
「…やっぱりもうちょっと言語学っぽい話をしないとダメでしたかねえ…?」
「いうほどみんな期待してなかった説はあるんちゃうか」
「…」
「まーまーそんなことよりも なにこれおまいどーすんの 一人で毎日書くんかえ
「ノリでそうなってしまいましたね…ノリというかネタというか、勢いで「やったるわぇ」、って書いてしまったので」
また年末に、えらいまためんどくさいハードル自分で立てよったの~」
「そんな薄情なこと言わないで、あるじも手伝ってくださいよ」
「ええやで で?何するの」
「(快諾したよオイ…)いやまあ、具体的には特に何もしなくてもいいですけど」
「ワイ、文章書くの得意やで」
「いえ(食い気味に)けっこうです ほんとに 余計なことは何一つしなくても その辺で寝転がっててくださいな」
「遠慮すんな 猫の手も借りたい状態やないんか」
「本当に借りてもしょうがないんで… まあどうせほら、毎日何か書いてるっていうのは通常営業ですから」
「まあそれもそやな でもおまい、アドヴェンターとかいうのはなんかよーわからんけど、イベント的なもんなんやろ?なんか普段書かんようなこと書いてみよう、とかないの」
「何かアイデアお持ちですか」
「せやな~ おまい本当に毎日なんか書いてるからな~」
「そうなんですよ。これでもかっていうくらい自分の持ってる武器というか、ぜんぶ使い果たしてますね」
「自業自得やなぁ~」
「…」
「まあ、いつも通りやるしかないんちゃうけ」
「…そうですね。そもそもテーマを言語学に寄せていく必要もないわけで」
「乗り遅れたからな せやし、能力的にm」
「…」
「あ゛ーーーーすみませんすみませんワイが悪かった 許せください おまいの心の傷をえぐってすみませんでしたーーーー」
「まあでもたしかに、言語学そのものの話って今までほとんど書いてないんですよね」
「なんで書かへんねんな」
「なんとなく、自分のやっていることとしても違うんじゃないかなって思って…ホラ私って、テュルク諸語ベースの人間じゃないですか どうしてもそこからしか言語学の話に入れないみたいなとこってあるんですよね」
「そーゆーもんなの まあ好きにしたらええやけど」

かわいかったころのあるじ(2018年12月撮影)

「そうしましょう まあしかしそんなわけで、ついに12月ですねあるじ」
「せやで 言うてる間に寒なってきたし 冬はかなんな~」
「でも、さっきカーペットにうれしそうに寝転んでましたね」
「そらもう、冬の楽しみなんてあったかいところで爆睡するくらいしかないやんか ほかに何がある?ワイおまいと違って『星の王子さま』集める趣味とかないし」
「別にいいじゃないですか…あれはあれで趣味と実益を兼ねた世界ですから」
「実益あるか~? ワイにはおまいの自己満足にしか感じられへんねんけどな?だっておまい、集めて集めて、最終的にどーすんの」
「どーすんのって言われても…まあそれは…どうするってわけでもないですけど。 でも!でもね!!あるじだって夜中突然わたくしをたたき起こして、夜中におもちゃで遊べってうるさいじゃないですか あの遊びに何か意味があるんですか??」
「遊んだらおまい、ワイが楽しいやんけ あれはちゃんと役に立っとる」
「じゃあ私めの王子さま蒐集もそれです ちゃんと役に立ってる」
「あれ、買った後読んどるの???
「…」
「買いっぱなしでおまい、テュルク諸語のやつとかもどーせまともに読んどりゃせんのやろ もったいないな~」
「あるじ(〇す)」
「ハイハイわかったわかった そう怒んなし おまいは気が短くていかんわ」
「テュルク諸語の『星の王子さま』に関しては必ずそのうち手をつけますから…」
「そらおまいの好きにしたらええわ さてアドヴェンターやがな」
「アドヴェンターですね…いざ書き出してみると、この1日1記事が義務的に続くというのはまあまあストレスかも…」
「せやけどおまい、もう後には退かれへんのやろ ほなやるしかないな~」
「やるしかありません 初日はこの我々の会話をそのまま掲載しましょうね」
「このダイアローグをかぇ 早くも言語学全然関係あらへんがな」
「まあもう、いいじゃないですか 気楽に書いていきましょう 給料の出るお仕事じゃなし」
「まあおまいには給料でーへんかもしれへんけど、それはそれとしてワイにはクリスマスプレゼント的なもんはあるんやんな?」

「…」
「おまいまさか、普通に今年もなんもないつもりかぇ」
「だってあるじ、トルコねこじゃないですか、トルコはサンタクロース関係…あ… ありましたね…」

「サンタのおやじどん、たぶんアナトリア出身やからな ワイもアナトリア出身です ということはワイはサンタ派ということになるので、クリスマスプレゼントを受け取る権利があります」
「(ということはとは?サンタ派とは??)まあじゃあ、アドヴェンターが無事クリスマスまで完成したら、あるじにもなにかプレゼントってことでどうでしょ」
「ホンマかぇワレぇ 男に二言はないやで」
「(ガラ悪いしゃべり方やで…誰がこいつに日本語教えてん)ハイもう ですからわたくしめの完走を応援してください」
「するがな 明日は?明日何書くねん」
「…たぶん今日ワクチンを打ってもらいに行きますので、その辺の話でも」
「おもろいかな~それ もっと違う話にしたら」
「何かアイデアございますか」
「ん~ ワイの写真めちゃたくさん貼り付けて、ワイのかわいさと尊さを長文で語るとかどーよ ウケること間違いなし 今までもそーやってしのいできたやろおまい」
「それはたしかにそうですが、今回は本当に困ったときにしましょう さてあるじ それはそうとご相談が」
「なんやねん」
「どうやってオチ…つけましょうか…」
「オチ…考えんと書き出したんか…」
「ハイ…いつも通りで…」
「どないすんのこれ…初日やで…」
「初日にして早くも冒険してしまいましたね…アドヴェンターならぬ…」
「…オイまさか やめとけください スベるて あかんて」
「いやもうヤケクソです 3000字超えましたし あるじ止めないでください アドヴェンch」

(明日以降に続く!!)

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