夜を走れば月の逆襲

 ジョギングが趣味で、良く走っています。週に4~5回、だいたい月に120キロくらいは走ります。コースは一応決まっていて、5キロ、7.5キロ、10キロで3つずつくらい。大通りがメインではありますが、駅の近くや街中、歩行者にはちょっと迷惑かもしれませんが商店街などをゆっくり流すのが好き。その街には匂いがあって、色があって、空気がある。時々、見知らぬ街を目指して適当に走って迷子になることも。そんな結果も好き。

 通り過ぎていくたくさんの人たち。みんな何を考えているんでしょう。同じようなランナー。きついのかな、がんばって。喋らない出会いは意外と飽きない。

 休日の朝走ることもあるし、暇な昼下がりに走ることもありますが、一番好きなのは夜走ること。ひんやりした空気で最初は身体が少しぎくしゃくするけど、だんだんと温まってきていい感じになる。寒い空気と熱く動いている身体のギャップは、どこか感性を研ぎ澄ませてくれる。暗い中で自分が世界と一体化してる気がしてくる。周りの音が良く聴こえる。街灯の光を感じる。そんな中で走るのが好き。

 走るときに欠かせないものが音楽。気分と走るコースによって聴く音楽が変わる。音が外の音と一緒に頭の中に染みわたって、いつもよりも頭に響く。アーティストの世界観に浸れる時間。

 夜に聴くのに良い曲はたくさんある。僕のプレイリストはこんな感じ。

 サカナクション「夜の東側」「目が明く藍色」「アルクアラウンド」、go!go!vanillas「雑食」「Do You Wanna」「サウンドエスケープ」、androp「Bright Silen」、MONDO GROSSO「ラビリンス」、宇多田ヒカル「虹色バス」、東京事変「メトロ」「SSAW」、yonige「センチメンタルシスター」。

 その中でも一番好きなのが、クリープハイプ「月の逆襲」。夜のラジオとYoutubeと僕らが寝る前の話。

 昼に無いもの。それは一人きりの世界。人の本質が現れるのは夜だと思っています。明日を控えて、一人で思う事は何でしょうか。

 それは好きなあの娘のこと、仕事のこと、なんでもないこと。そんなごちゃごちゃが夜にはあって、眠ってしまうとまた朝が来る。明日からはまた一日が始まっちゃう。

 ずっと夜の中に居たいよ 太陽が昇らず月が輝く 
 そんな夜の中に居たいよ 太陽早いよ もうちょっとこのままで居させてよ

 それは叶わないことを感じ乍ら、僕は走るのが好きなんです。  

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