見出し画像

人事が考えるべき、本当の離職率ってなんだろう。

人事として働いているなかで、大変残念だけど切っても切れないのは社員の退職と向き合うこと。
以前、歴史のある大企業の人事の方と話をする機会があって、社員の離職率について質問してみたところ、その会社の離職率は平均すると1.5%との回答。
私はこれまでのキャリアで大企業で勤めた経験は無く、成長途上のベンチャー企業ばかりだったので、現場は血で血を洗うようなカオスな環境であることが多く、離職率は30%くらいは余裕であったため、「終身雇用型の日本の大企業ってそんなにも人が辞めないのか。」と正直びっくりした。

もちろん、離職率が低いことが良いことばかりではなく、一定の健全な代謝がない組織は上が詰まってしまい人が淀んでしまうことにもつながる。

つまり、事業内容や組織文化、あるいは企業の発達段階によって最適な離職率というものが存在するということ。
人事は経営陣から「人員を早く採用しろ」とか「離職率を下げろ」とか言われる宿命にあるのだけど、ただただその指示に従うのではなくて、「一体この会社で本当に最適な離職率って何%なのだろうか?」という問いを検討し、自分なりに当りを付けてからアクションすべきだと思っている。

労働人口がどんどん減少し、就労者の高齢化が進んでいくことが確定的な日本社会において、「優秀な人材の採用と定着」というキーワードは非常に重要であり、人事として取り組むべきミッションとして優先順位はめちゃくちゃ高いのは理解している。

でも、自分の会社で長く働くことがその社員にとって本当にメリットがあるのか?やりがいを持って仕事ができ、高い給与をもらって人生が豊かになり、自社の業績拡大にも貢献してくれる。この状態が未来永劫続くのか?
そう考えると、一定の割合で、一定のステージで、できるだけ笑顔で去っていく。理想論かもしれないけど、こんな流れでの人材の外部流動性は必要なんだと思う。

離職率〇%って数字に踊らされるのではなくて、自社の事業のビジネスモデルや収益性を理解し、そこで働く社員の入社から退職に至るまでのエンプロイージャーニー・賃金イメージを検討し、5年~10年スパンくらいの人材ポートフォリオを明らかにし、その上で最適な離職率の仮説を算出し、経営陣に提案する。

人事として、このくらい踏み込んだ思考で仕事ができると経営陣・事業部からの信頼も厚くなり、より経営にコミットできるようになる。

会社の未来を創造し、語れる人事になろうと、自戒の念を込めて。

<採用と組織づくりに関するご相談受付中>
事業戦略を実現するための・人と組織づくりをしたい方からのご相談受付中です!
ビジネスサイドの知識・スキルセットも一通り有していますので、事業相談の壁打ち役も大歓迎です!

Xをフォローしていただいた上で、DMにてご連絡ください!

よろしくお願いいたします。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?