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【ゲーム考察】(ネタバレあり)ティアキンに散見するジェンダーバイアスまとめ
※【ゼルダに王位継承権がない】の考察についてこちらの記事をご参考ください↓
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馬宿の荷馬車チャレンジ
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セリフにある「男手」を見た瞬間、英訳はどうなってるだろうと英語に切り替えて確認した。
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日本語の男性指定された「男手」という言葉に対し、英訳は性別が特定しない「a helping hand」である。
日本語に「人手」という言葉があるのに、なんでわざわざ「男手」を使ったのか。
そもそも女性は自力で馬を捕まえることも、車輪の組み立てることすらもできないのか?
ちなみに気づかない人も多いだろうが、馬宿のオーナー(支配人?)15人(双子含む)には、女性が1人もいない。
全員男性。
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男性が支配者の位置に立つべくという常識が当たり前すぎで、気づかないのが不自然ではない。
ついでに馬宿の従業員を数えてみた。見落としたキャラもいるかもしれないが、女性13人、男性8人がいるみたい。
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それに、男性従業員キャラはミニゲーム担当、サブイベ担当、ガイド役担当などの重要モブ役の打率が女性従業員より明らかに良かったと感じる。
私はまだ拾っていないサブイベがあるけど、女性従業員のように、箒を持って掃除をし、馬の餌を準備するモーションなどをしている男性従業員を見当たらなかった。
他にもこの荷馬車チャレンジに似ているケースがある。
ブレワイで「花のカースガノン」と呼ばれ、名を広めたオコバというキャラクターのイベントに出たセリフ。
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彼女の話し相手が男性なので、「困ってる女性」というセリフで自分の持つ女性というステータスを強調した。
「誰もお前を女として見てねーよ」とここでつっこんでくるプレイヤーがたくさんいるだろう。
制作側もそう思っているからこんなセリフを彼女に言わせたのでしょう。
このセリフの英訳を確認するには、もう一度英語版で最初からプレイするしかないのでまだ確認していない。ただジェンダーバイアスは確実に存在する。
なぜなら、もしオコバの話し相手が女性だったら、自分の女性性を強調する意味がなくなる。逆に性転換して、男性のオコバが女性相手と話をしている時にこう言った:
「目の前で困ってる男性に
農具の使うコツを、手取り足取り教えたいって」
こんなセリフ、オカマキャラにも使えないわ。
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エビシャツ
ウオトリー村でエビシャツイベントにこんなセリフがあった。
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この会話から得られる情報は:
・母ちゃんが服を作った
・父ちゃん(サバッキャ)がご飯をこぼして服が汚れて悩んでいた
・母ちゃんが服をキレイにしてあげた
つまり、父ちゃんキャラは服が汚れたら自分で洗うことすらできず、ただひたすら悩む。そして母ちゃんキャラが服を洗ってあげた。
笑える。
これに気づかない人はキャラの性別を逆転してみれば不自然なことにすぐ気づくはず。
・父ちゃんが服を作った
・母ちゃんがご飯をこぼして服が汚れて悩んでいた
・父ちゃんが服をキレイにしてあげた
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カップルに人気のスポット
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セリフの中に特に気になる点は「ウチには娘が4人いる」という言葉。
別に違和感がないよと思われるかもしれないから、キャラを性転換してみる。
「ウチには息子が4人いるんですから、
2人で鳴らせば、永遠の愛が叶うと言われている
カップルに人気のスポットの絵を撮って欲しいです」
辻褄が合わないと感じたのがまさにジェンダーバイアスがセリフにあった証拠。
「女はいつも恋愛ばかり考えている。
女にとって結婚が人生の全て。」
このジェンダーバイアスがゲーム内に大々的に表れたのが言うまでもなくゲルド族である。
前作のブレワイでエノキダと結婚したパウダも、元々裁縫好きで服屋を経営している設定だったのに、ティアキンではすっかり主婦になった。
ゲーム内に植物や音楽などが元ネタになっている各種族の名前の中に、ゲルド族の名前の由来が、美容。
女といったら美容しか思いつかないのか。
ゲルド族がみんな戦士だから、筋肉や武器の名前にしても相応しいのではないか。
そもそも「女は美しさが命」という考え方は女性Femaleというジェンダーが生まれつきの天性ではない。
社会が女性に美しさを強要しているからそうなってしまったわけ。社会は男性主導の社会だから。
強き戦士に成長しても、「ヴォーイハンター」をして「ヴォーイと結婚する」のが頭にしかないゲルド族の女性たち。
ゲルドの街に恋愛教室という自分を弱く見せる、男の胃袋を掴むなどの「恋愛スキル」を教えている場所もある。
こんなに強く成長したのに、なんで自分を格下げまでして相手を奉仕しなきゃいけないと思うのかおかしい。
なんで男より弱い人間じゃないと生きていけないのか?
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シドの母親
ゾーラ編をクリアした後にゾーラの里に戻ってドレファン王と会話したらこんなセリフがあった。
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疑問点:
・世界の危機を解決したら何がしたいと聞かれたら、ドレファン王が一番目に思いついた若い頃の良い思い出が妻とのことではなく、ムズリと諸国漫遊していたこと。
(お前らどんだけ仲が良いんだよ。結婚詐欺した隠れゲイじゃないの?www)
・ドレファンの妻、シドの母は作中に一度も言及されなかった。
・新規キャラ、シドの許嫁ヨナはなんの前触れもなく急に登場して、そして急に結婚した。政略結婚?幼馴染と一言だけではなんの説得力がない。
ここでまた以前書いた文章に考察した王位継承権の話に繋がる↓
以下は私の推測:
・男性シドが結婚することが王になる条件。つまり「女性」という財産を所有してはじめて王になる資格に準する。
・ヨナが自分の里から離れてゾーラに嫁いだのは、女性には王位継承権がないから自分の里に住んでいても何もならないからのではないか。
・同じく、シドが男性だからたとえゾーラから離れて別の里に婿入りしてもおそらくよそで王になれるし、ゾーラの里がそこそこ繁栄しているから嫁を貰えばゾーラの王になれる。
・ドレファンの妻、シドの母も政略結婚のために別の集落から嫁いできた女性なんだろう。だからドレファンは妻のことより、(本命の)ムズリのことを大事にしているwww
余談
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ヨナとムズリがめっちゃ似ている!
まさかヨナがムズリの娘?親戚の子?
ならドレファン王とムズリが実はゲイカップル、お互い結婚できない身分だったので、シドが成人したからドレファン王が息子を自分の愛する人(ムズリ)と血縁のある子と結婚させた?!!
自分とムズリと結婚する夢を叶うために?!!
ぅオオオオオオオオ!俺の世界観が崩壊して行く!!!!!
余談終わり
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世襲制とMale Gaze
ハテノの村長選イベントを進むとこんな会話が見れる。
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この2つのセリフから得られる情報は:
・トユユのひいじいちゃんと当時の村長とハテノチーズを開発した
・クサヨシ(現村長)の祖父と村の誰かと作っていた。
これで断定できるのは:
・当時の村長が現村長クサヨシの祖父
・村の誰かがトユユのひいじいちゃん
イコール:
村長の祖父も村長、村長の孫(男の子)も村長。つまりハテノ村の村長は世襲制。
住んでいる家も一番立派だった。
ここで疑問:
村長が世襲制だったら、なんで村長選なんて行うのか?
私の推測:
大統領や首相の子供、もしくは血縁のある人が偉い位置に昇りやすいのが事実。
現実社会が民主主義とはいえ、実質上ある程度形式でしかない民主主義でもある。
それに大多数の人にとっては、自分で頑張って自分で責任をとるより、誰かに頼るのが楽だから(銀英伝の受け売り)。
こういった慣性が働いてしまって、結局民主主義のままごとをして村長選なんてを行っても、当選者がもうとっくに決まっている。
次の疑問:
もし男の孫が産まれなかったら、村長の世襲制が自分の代で終わってしまうのか。
逆にいうと、村長という地位を自分の子供に代々引き継がせられたのは、男児が産まれ続けられたからのではないか。
残念なのは、この質問の答えは探しようがなかった。他の村の社会制度についても考察したかったが、情報不足で断念した。
ただ各集落のリーダーの性別がほぼはっきりしているので、それをまとめてみた。
・カカリコ パーヤ 若い女性(前作は高齢女性だったが前作から人気のあるキャラ)
・ゲルド ルージュ 若い女性
・ハテノ クサヨシ 中年男性
・ウオトリー 名前? 高齢男性
・リト テバ 中年男性(前作は高齢男性)
・ゾーラ シド 若い男性(前作は高齢男性)
・ゴロン 名前? 設定上は無性別だが
何かを垣間見えてくるのではないか。
Male Gaze、メールゲイズという男性が女性を覗いてくる眼差しを。
ゲルドの街にどうしても入ろうと図っている男性キャラたち、そして街の侵入を果たしたポテンサの目線。電車、トイレ、更衣室で女性を盗撮しようとしている男性たちの目線。
先に私の結論を言おう:
リーダー、すなわち支配者を男性に設定するのがごく自然で当たり前のこと。
もし女性に設定した場合、たとえ良いキャラクターを作ろうとしても、制作側の男性目線による偏りで、どうしても男性ユーザーの欲望を満たすためのモノになってしまう。
男性に人気のある女性キャラ、プルア、パーヤ、ルージュ、ゼルダ、彼女たちは全員自分の部屋と日記がゲーム内に配置しており、プレイヤーが彼女たちの日記が読める。しかも日記を複数冊持ちのキャラもいれば、部屋の構造にこだわりを感じられるキャラもいる。
対して女性に人気のある若い男性キャラ(リンクがプレイヤーだから含まない)がシド(もう1名タウロを入れようか)しかいないし、彼には日記ところか、自分の部屋すら配置されなかった。
「野郎の部屋なんか見たくねーよ」
制作側の男性目線がもろに出たのではないか。
それに、パーヤは一族の長という肩書きがまだ自分には荷が重い、ルージュは雷を操るスキルがまだ熟練していないことに焦りを感じているとストーリーから読み取れる。若い女性リーダーたちは自分の能力への自信の無さに対し、男性リーダーたちは誰も自分の能力を疑っていない。戴冠したばかりのシド国王はあの並びのキレイなギザギザ歯でさえ自信が溢れている。
これも一種のジェンダーバイアスなのではないか。
もし私がシドの部屋を見落としたら教えてください。
私も覗きに行きたいです。
また何かに気づいたら更新するかも。
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