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・会計関連の話(企業分析・事例を含む)

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2021年3月の記事一覧

野村HDの2,200億円の損害とその影響を考える:儲かっている時こそ用心、問われる海外子会社のガバナンス体制

野村HDの2,200億円の損害とその影響を考える:儲かっている時こそ用心、問われる海外子会社のガバナンス体制

野村ホールディングス(以下、野村HD)が大きな損失を発生させました。

こちらの記事をご覧ください。

野村ホールディングスは29日、米子会社で顧客との取引に起因し、多額の損害が生じる可能性のある事象が発生したと発表した。当該顧客に対する請求額は26日時点での市場価格に基づく試算で約20億ドル(約2200億円)という。業績に与える影響が判明次第、速やかに公表するとしている。

詳細は不明ですが、2

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綺麗ごとではなくお金で説明していく

綺麗ごとではなくお金で説明していく

建て前的な議論や話はあるとは思いますが、最近感じることはちゃんと貨幣、お金で説明することが大切なんではないかと。

お金で測れないもの。

あります。

幸福度などの主観的なものもありますし、私たちの感情を数値化するのは不可能でしょう。

最近の世の中の流れを見ていて、お金に関することを避けた綺麗事の議論が多過ぎる、と感じています。

バラマキによって生じる将来負担もそうでしょう。

コロナ禍で大

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会計を学ぶ意義:お金に関する説明力を意識することで、自分自身のお金の使い方に関する意識もまた変わってくる

会計を学ぶ意義:お金に関する説明力を意識することで、自分自身のお金の使い方に関する意識もまた変わってくる

会計って何の役に立つの?

しばしばいわれることですね。

会計はお金に絡んだ学問です。

ですが、お金を儲けることに長けている学問かと言えばそうではないと考えています。

もちろん、会計の技術をマスターすることで、組織の財務諸表を整理する技術が身に付き、結果として金銭的な成果と犠牲という考え方が身につくという効果はあります。

会計は「貨幣」で物事を見ます。

なので、組織の成果がどの程度の犠牲

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閑話休題:分からないものに投資しない

閑話休題:分からないものに投資しない

こちらの講座ではファンダメンタル分析の基礎的なお話をしております。

投資で儲けたい!

と思う人にとって、財務情報を分析して慎重に投資判断を行うファンダメンタル分析は向かないと思います。

野生の勘で投資をする・・・

それもまた正解なのだと感じています。

そもそも予測が難しい側面があります。

たりたり師匠のこのツイート

本当にそう思います。

だって、それまで東京電力といったら、安定株、

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米菓は底堅い:亀田製菓の第3四半期分析

米菓は底堅い:亀田製菓の第3四半期分析

さて、亀田製菓と言えばどんなイメージでしょうか?

やっぱり柿の種かな?

米菓コーナーでよく観察すると亀田製菓の製品が多いことに気が付きます。

亀田を代表する主力12ブランド
主力12ブランドは時代の変化に合わせて進化し、お客様から支持されている亀田製菓を代表するブランドです。おつまみやおやつにぴったりな『亀田の柿の種』『つまみ種』『うす焼』。お客様に幸せ(ハッピー)が戻って来る(ターン)よう

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北米エリアでの強みが業績を支えている:SUBARU第3四半期分析

北米エリアでの強みが業績を支えている:SUBARU第3四半期分析

さて、これまでトヨタ、ホンダ、日産、マツダ、スズキと分析してきました。

最後に分析するのはスバルです。

スバルは、元々富士重工業という会社名です。

2017年4月1日付で、社名を「株式会社SUBARU」(英文表記:SUBARU CORPORATION)に変更しています。

以下、スバルでお話をしていきます。

スバルは日本国内よりも北米エリアで圧倒的に売れている会社です。

20201年3Q

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技術力の高さを発揮して生き残っていけるのか?:マツダの第3四半期分析

技術力の高さを発揮して生き残っていけるのか?:マツダの第3四半期分析

マツダの第3四半期分析をします。

マツダ、といえば、なんといってもロータリ―エンジンのRX-7!

とか思ってしまうのは40代の証拠ですかね・・・

最も生産は2012年に中止していますけどね。

なお、マツダは、トヨタの資本提携を結んでいます。

自動車メーカーにとって、部品の調達だけでなく、研究開発には多額の費用が掛かります。そうしなかで、提携を結ぶことには両社にとって大きなメリットがありま

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日産の再生、復活はあるのか?:第3四半期分析

日産の再生、復活はあるのか?:第3四半期分析

さて前回のトヨタに引き続き、自動車産業シリーズということで、今度は日産について分析を行っていこうと思います。

日産は業績予想を修正しています。

当社は、昨年 11 月に今年度の年間販売台数を 416 万 5 千台と発表しましたが、その後も世界中で新型コロナウィルス感染は拡大し続け、日本においても感染者数が大幅に増加し、緊急事態宣言が発令されるに至りました。それに加え、自動車業界は世界的な半導体

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トヨタの第3四半期分析:盤石か、それとも衰退か?

トヨタの第3四半期分析:盤石か、それとも衰退か?

トヨタの第3四半期の決算書を読み解いていきたいと思います。

トヨタは言うまでもなく、日本最強の企業です。

どういった点でというと、まず、

国内の時価総額でナンバーワンです。

国内自動車メーカーとしても生産・販売台数ともにナンバーワンです。

さらに経営手法についても「カイゼン」「カンバン」などの方式があり、経営学、管理会計の事例としても取り上げられるのがトヨタです。

まさに世界的な知名度

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