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Z世代と話をした

Z世代とは、1990年代後半から2000年台に生まれた若者たちのことを指す。
まさに現在社会に出て数年たち、企業の上司たちから期待をされ始めている世代だ。

私は若い人たちをずっと教えてきたので、ありがたいことに今でも彼らと会う機会がある。社会に出て、会うたびに成長を感じられることは本当に嬉しい。

最近このZ世代である教え子に会う機会があった。この時話をしたのは、ほとんど仕事の話だ。彼女は仕事が大好きで、社会に出て一つ一つ壁を乗り越えてきた経緯を、若い人の口から聞くのは楽しい。私はほとんど聞き役で、時折話の要約をする程度だった。

学生の時から知っている彼女と、ほぼ半日ほど一緒にいて感じたのは、「大人になったな」「やっぱり賢いな」と言うことであり、「Z世代だな」と言うことだった。

世代によって考え方も、モノの捉え方も全く違うのは、いつの時代も同じことだ。ただ、このZ世代は、彼らの先輩や上司たちがどう付き合っていったらいいのか、を悩ませている世代であり、なかなか理解し難い世代と言われている。

それでも、彼女と仕事の話をしていると、本質を突いた話ができる点や、論理的思考で考えたことなどは、私は理解できるし、仕事のやり方としては私たちの時と変わらないな、と共感できる。

違うのは、私たちはその仕事のやり方を、スパルタ式で叩き込まれ、その後自分で考えながら身につけたが、彼らはしっかりと整理された研修内容で、理論的に教えられたことを実地で身につけていった、という違いのように思う。

さらに、「仕事のやり方」「本質の捉え方」などは、時代は関係なく同じ認識を持っているが、対人関係や、どう自分を見せていくか、ということについては、いかにもZ世代らしい考え方をしているし、それは本人にも自覚はあるらしい。

私は今、この世代の人たちを教えてはいないので、ある意味無責任なことが言える立場だが、そもそもZ世代を理解しようなんて、やめた方がいい、と思うし、もし私が彼女の先輩であったとしても、理解しようなんて思わないだろう。もちろん、普段からコミュニケーションはとるし、観察はするし、仕事については王道を教えるだろう、と思う。しかし、それ以上のことを求める必要もないし、飲み会などは本人たちが参加したくないのだから、誘う必要もない。

そもそも人を理解することなんて、そんなに簡単なことでもないし、理解しなければ一緒に仕事ができないわけでもない。理解できたら、ラッキーかもしれないが、できなくても仕事が滞りなくできているのであれば、問題はないのだ。それを、チームワークとやらに巻き込もうとしたり、昔ながらの飲みニケーションなどに巻き込もうとするから、無理があるのだ。

それより変わるべきは、40代、50代の人たちの方だろう。この日彼女が感じている問題点や、不満に対して、私が一貫して言い続けたのは、

「今、日本はすべてのことにおいて過渡期である」

と言うことだった。採用についても、人材育成についても、企業の在り方についても、雇用についても、全てが変わらないといけないのに、昔のやり方を続けているとか、変わらないといけないのはわかっているし、言葉ではいうけど、実際にはできていないと言う意味での過渡期だ。

もう少し落ち着いていけば、到達するべき着地点に着地するのだろうとは思うので、その頃にはZ世代の人たちのことを、無理に理解しようとしなくても、彼らも、先輩や上司も働きやすいように変化しているだろう、と思う。

もちろんすべての会社が変化できるわけではないし、早く変化した企業が、良い人材を集めていくだろう、と言うことは想像がつく。

旧世代と新世代。

いつの時代にもあったギャップを埋めていくのは、旧世代側の変化であることを、つくづく感じることができたのは、彼女との久しぶりの対面で最も良かったことかもしれない。

それにしても、Z世代は賢い。あっと言う間に成長し、私たちに追いついてくる。追い越されないように、日々研鑽しないと・・・と思わせてくれた彼女に、感謝している。


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