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「旅をすると、ハプニングが追いかけてくる(最終回 私だったら、こうする編)」



仕事と絡めて旅に行ったところ、思わぬハプニングに遭遇した。
初めてのことであり、今でも不可解な部分はあるのだが、旅ブログとして書いた部分もあり、
長編となってしまった。
(たった一泊2日の旅なのに)

今回が最終回。

「旅編」「接客編」はこちらからご覧ください。


旅編


https://note.com/uenohiromi03/n/nfaec017ea407


接客編


https://note.com/uenohiromi03/n/n4018b0724d56


「マナー、接遇講師」の癖が抜けず、その観点から今回の接客について解説している部分が後半あります。
ご興味がある方だけ、ご覧ください。


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某月某日


前夜、一つだけ気になっていることを確かめるその日がやってきた。
朝早く目を覚まし朝食会場へ向かう。

手づくりオムレツもオーダーできる、本格的なビュッフェスタイル。
朝食のグレードは高いと感じた。


そして荷物をまとめて、早めにチェックアウトする。
さて、ここからだ。


フロントでカギを渡す。
昨日接客してくれたスタッフは1人もいない。


あの残置物の服を引き取りに来た、中年男性スタッフもいない。
私を担当してくださったのは、40代初めくらいの男性スタッフだった。


「はい、追加のご清算はございません」
と言われ、

「ありがとうございました」

と私が言うと同時にチラッと手元を見た男性スタッフは言った。


「昨日は誠に申し訳ございませんでした」


と。

この引き継ぎはちゃんとできてる❗️❗️❗️


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接客とは、リレー。
たとえ接客する人が代わっても、スタッフ全員がその会社としてお客様に接する、という意味であり、引き継ぎがしっかりできていて、初めて接客は完結する。

そして接客とは、お客様が帰られるその瞬間まで終わらない。

ご迷惑をおかけしても、不手際があっても、そこで終わりではなく、最後の最後まで挽回のチャンスが与えられている。

ホテルの場合は、チェックアウトの時。

客室乗務員の場合は、降機の時だ。

確認したかったことが、しっかりとできていたことに感動し、その瞬間私の気持ちはスーッと晴れた。


色々あったけど、このホテルの接客は、一定レベルを保っていると思った。


「私だったらどうするか、を考えてみた」


職業柄、このようなハプニングがあると、「私だったらどうするか」を常に考えてしまう。
興味がある方は、この先もご覧頂きたい。


お客様から電話があったら

「大変申し訳ございません。私どもの確認不足だと思います。
清掃のものに確認をして、只今からお客様のお部屋にそのお洋服を受け取りに参りますがよろしいでしょうか」
と聞く。

OKが出たら
「もしお客様がご希望でしたら、お部屋の変更も承ります。
いかがでしょうか」
と聞く。


お客様が変更を希望したら(私は希望したと思うが、私の方から「部屋の変更はしなくていいですか」と遠回しに聞いたのに「大丈夫です」と言われた)
満席であれば、アップグレードしてでも空いてる部屋を案内する。


これが、お客様のショックを和らげる事ができるその1。


お部屋に伺う際には、クリーニングスタッフを同行し、
一緒に謝罪をし、清掃を担当したスタッフから事情を説明してもらう。
クローゼットの中を確認しなかった理由なども言える範囲で言う。

これがお客様のショックを納得に変えるその2。


お部屋に入るときには、お部屋が完全に閉まらないように、ドアを少し開けておく。
そして洋服をハンガーから外し持っていく。

その際にも「ご迷惑おかけして不快な思いをさせてしまい申し訳ございません」と言って深くお辞儀をする。

お部屋移動の際にはお客様の荷物を、貴重品以外全て新しい部屋に移動させる。

その後お客様をお部屋にご案内する。
その際可能であれば、お部屋に花をご用意して、「ささやかなお詫びの印でございます」と言う。
これが、お客様のショックを和らげる方法その3。

翌朝、チェックアウトの際に再度お詫びし、可能であれば支配人からの手紙又は次回利用のクーポンなどをお渡しする。
ただしお客様が前日の対応で、納得されている場合に限る。
何でもお金やクーポンで解決するのは逆効果になることもあるので、注意が必要だ。

これが、お客様のショックを和らげる方法その4。



お詫びにかかる経費

お花代
クーポン代


程度だ。

部屋のアップグレード
支配人の手紙などは手間はかかるが、経費はほぼかからない。
こうした謝罪と「挽回」のチャンスがあるのに、全力でやらないのは本当にもったいないと思う。

ミスとクレームは顧客に変えるチャンスなのだ。


私は先輩方から徹底して叩き込まれた。

「クレーム応対が、着陸までに良い形でクロージングできて、ようやく一人前だ」と。


私が現役でどこかで接客できるチャンスは、年齢的には無理だろう。
ただこうした事を、現在現役の方々に伝えることはできる。


結局は「目の前のお客様に、どれだけ一生懸命になれるのか」だ。

もし私が女性だから、甘くみてあのような対応だったのだとしたら、それは根本から見直す必要があるが、スタッフ教育にも限界があることも知っている。


接客業は、誰でもできると思われがちだが、レベルの高いサービスをするためには、ある程度の資質と徹底した、継続的な教育と、仕事への情熱がある人でなければ無理なのだと思う。

だからこそ、ビジネスホテルなど、お客さまからの期待値がそれほど高くない職場にはAIの導入をして、正確で迅速な対応ができるようにしていくことも、解決方法の一つだ。

ただ、お客さまの期待値が高く(ということは、価格も高いということ)人の手が必要なところには、人材教育は欠かせないし、実践に即した内容が必要なのだとつくづく思う。

そのために採用と教育に力を入れる必要があるのだ。私ができることは、どんどんやっていきたいと、改めて思ったので、このブログをまとめた。

完全な私見ではあるが、どなたかのお役に立てたら嬉しい。


それにしても、旅に専念したい、という希望は叶うのだろうか笑

次回の旅はハプニングなしで、お願いしたい。

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