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自分を認め受け入れた時、事態は好転し始める


先日相談を受けていた。
仕事で相談に乗っているので、特にしっかりと聞いて何かのヒントなることを伝えることができたら、と思っていた。

その方は結局「自分のここが嫌だ」と思っている部分があり、そこを変えたいと思っている、という一言が出てきた時に、私は瞬時にこう言っていた。

「認めましょう。あなたが嫌だと思っているところがあるからこそ、あなたなのだと。そこから、あなたの嫌だと思っているところを、どう生かしていくか考えましょう」と。

「あなたの嫌な部分や、性格を変える必要はないです。
むしろそれをひっくるめて自分なんだ、と認めたところから自分をどう生かしていくかがスタートします」と、ほぼ考えずに口走っていた。

もちろん、いい加減なことを言ったわけではない。
過去にも同じようなアドバイスをしたことがあり、そこからその人は変化していったからだ。

「じゃあ、変化してるじゃん」と思ったかもしれないが、本人は自分を変えようとは思っていなかった。
ただ、自分の嫌な部分もひっくるめて認めて、じゃあその部分をどう今後生かしていけばいいのか、どう扱っていけばいいのか、を考えて行動に移し始めた。
すると、「結果的に変化した」のだ。

例えば、自分にサボり癖があって、何事も長続きしない部分が嫌だと思っているとする。
それを認めて、「じゃあどうすれば長続きするかを考えてみる」のだ。
実際に、私はある卒業生に聞いたことがある。
「どうしたらサボりませんか」と。

すると、「誰かに見張られていたり、宿題など提出日が決まっているものはサボりません」と言った。

「じゃあ、私が監督すればいいのですね。明日から毎日やることリストを送って、翌日にはその達成率を送ってください」と監督することを始めた。
最終的に毎日続き、それが自信になり、客室乗務員に合格した。
合格した時も、その後客室乗務員になってからもお会いしたが、彼女は別人のように自分に自信を持ち、でも自分ができなかった時のことをしっかりと覚えていて、在校生たちにとても心強いメッセージをたくさん残してくれた。

そう、変化したのだ、結果的に。
ただ、彼女の根本的な部分は変化していないのかもしれない。
だけど、自分の扱い方は十分にわかったのだと思う。

自分の嫌な部分は誰でも見たくないし、認めたくない。
でも、それを勇気を出して認めることから、その人の変化は始まっている。
大事なことは、自分の嫌な部分が「ほんの一部分であり、全部が嫌いなわけでも、全部がダメなわけでもないことも認めること」だ。

一つ失敗したら、全てがダメ。私はダメな人間なんだ、と考える必要は全くない。
その人が嫌だと思っている部分は、一つの「くせ」であって、短所でもないのかもしれない。

完璧主義な人ほど、一つのミスで自分を徹底して追い込んでしまう。
そんな必要は全くないのだけど。

結果的に相談を受けたその人は、すっかり元気になり、やる気が出てきたようだった。

自信がない、というのが口癖の人は、まず自分の自信がない部分を認めてみることから始めるといい。
それをどう生かすか。どう付き合っていくか。
ただ、それだけを考えればいいのだから。

短所は克服するものではなく、うまく付き合っていくこと。
そしてその短所だと自分が思っていることが、もしかすると長所として活きてくる可能性もある。

優柔不断な人は、優しい。
せっかちな人は、テキパキと行動ができる。
はっきりと言う人は、決断力と勇気がある。

短所と長所なんて、誰かが決めたことかもしれないけど、こんな風に裏表なのだから。
いろんな特性を持って生まれてきた自分をまずは、丸ごと認める。
そこから、全てはスタートするのだと思っている。


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