見出し画像

フランスで不動産を買う:コロナの影響でどうなるパリの不動産価格!?

「パリの不動産価格は上昇し続けだから、定職についたら即ローンを組んで買うべし!」というのがパリジェンヌ、パリジャンが、親からいわれてきたこと、というのは前にも少し触れました。
私の周りでも、正社員採用されるとすぐに、一緒に住むためのアパルトマンを、共有名義で購入したカップルがたくさんいます。
そもそも、正社員になるまでの道のりも、非常に厳しい国ではあるんですけどね。
学校を卒業して、インターンシップを数か月、派遣社員を数年、契約社員を数年、そしてやっと正社員になれるのです。自分のステイタスを上げるためには、転職も欠かせません。
そして、正社員でない限りは、なかなかローンを組むことも叶いません。

日本で良くある、賃貸vs 購入という議論は一切なく、断然購入という風潮です。
過去の推移をみると、不動産価格は上昇し続けていて、家賃もこの調子で年々上がっていくので、家賃はどぶに捨てるようなものだという感覚が根強いのです。

まず、ロックダウン以前(2019 年9月5日)のLe Parisienの不動産価格に関する記事を見てみましょう。

画像1


2000年以来248%の上昇とあります。
フランス人の間では、「20年前に買った3000万のアパルトマンの値段が、今3倍超えの1憶に!」というような自慢話が、尽きませんでした。
この表をみると、あながち盛った話ではないことがわかります。
パリは、ほとんどが歴史的建造物で、建て替えがないため、住戸数が大きく増えることがありません。
値段が上がり続けても、数が限られたパリの不動産を所有することへの憧れというものは、フランス人にとって根強くあるです。
不動産購入は、利率の良い定期預金のようなものだ、と表現していた人もいました。

ロックダウンが始まる2020年3月17日までは!

では、この度のコロナウィルスで、パリの不動産相場はどうなっているのでしょうか?
meilleurs agentsという、公証人役場が公開している統計を、わかりやすくまとめ直しているサイトがあります。
このサイトは、フランスで不動産を買おうと思ったら、まずみてみる大手サイトのうちのひとつです。

画像2

Covid-19:不動産販売が大幅に減少したため、価格は3月17日以前の不動産市場を表示。今後の市場予測の記事へのリンク
(引用元:meilleurs agents

取引数が少なすぎて参考にならないということですね。

そして、今後の市場予測の記事というリンク先を要約すると…

ロックダウン中の不動産取引件数は75%減。買い手の多くは既に10%の値引きを期待しているが、売り手は価格を保ちたいと考えている。両者のギャップが広がりつつあり、価格交渉は長期化し難航するだろう。それは、2020年末までに、価格が緩やかに低下することと、取引量の大幅な低下を意味している。(参照元:meilleurs agents

外出禁止の中、物件訪問はおろか、多くの不動産屋は休業していたので、納得です。
むしろ、契約数がゼロではなかったことが驚きですが、なんと、この期間中にリモート契約をしていた人達も!(参照元:Le monde

そして、ロックダウン開始後の、Le Parisianはこのようにいっています。

コロナウイルスにより、公証人高等評議会の会長は「価格が10から15%に」下落すると予想している。ただし、この低下は短期的なものであり、中長期的には、不動産価格は戻り、安定するはずである。(参照元:Le Parisian

価格に関しては、今年中はお買い得かもしれませんが、そもそも売り主が値下げを避けて売りに出さなそう。
売り急いでいる人以外は、様子を見ることになるでしょう。
となると、市場全体の物件数が少なくなりそうなので、気にいるものに出会えればラッキーという感じでしょうか。
今はロックダウン明けすぐなので、まだ情報があまり出てきていないのですが、これからも追ってみていきたいと思います。

今後、新しい働き方とともに、ライフスタイルも変わっていくと思われます。
パリ市内の狭いアパルトマンよりも、郊外の庭付き一戸建て、もしくは田舎の別荘へと、需要がシフトするという話も。
私の同僚でも、ロックダウン中、田舎の広々とした別荘でリモートワークをしている人が何人もいました。
リモート会議中に小鳥のさえずりが聞こえてきたり。

リモートワークで、世界中どこにでも住めるようになったら、パリに不動産を購入してみるのはいかがでしょうか?

フランスの不動産に関する記事は、こちらにまとめてありますので、もしよろしければ。


もし面白いと思う記事がありましたら、興味ありそうな方にご紹介いただけたら、とっても励みになります!記事のシェアが一番のサポートです!