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自作短編小説集

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これまでに書いた自作の短編小説を載せています。
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#ミステリー

【短編ミステリ】夏の朝、推理するわたし

 列車が発車したのはわかっていた。  だって、「ファーン!!」っていう大きな警笛の音が、…

植木意志
1年前
29

図書室の探偵③/③

 一瞬だけ、時間の流れが止まったような感覚があった。  私はごくりと唾を飲み込んだ。「何…

植木意志
2年前
16

図書室の探偵②/③

 図書室の中は静寂に包まれていて、十人くらいの生徒たちが熱心に本を読んだり、勉強に励んだ…

植木意志
2年前
15

図書室の探偵①/③

「え、嘘……ない」通学カバンの中を覗き込みながら、私はつぶやいた。  帰りのホームルーム…

植木意志
2年前
18

短編小説『未来の自分』⑤(最終話)将来の夢

「嘘、、、そんなの嘘よ。鈴江君が、、、。そんなこと、そんなことあるわけがない」と先輩は言…

植木意志
3年前
4

短編小説『未来の自分』④作戦決行の夜

「犯人は、どんな風に現れると思いますか」と僕は訊いた。 「そうね、、、普通の人を装ってや…

植木意志
3年前
5

短編小説『未来の自分』③自分殺人事件

 僕が今夜、誰かに殺される?  彼女が言ったその言葉の意味を、僕は上手く呑み込むことができなかった。  周囲に響き渡る蝉の鳴き声が、徐々に遠のいていくような感覚があった。 「急にこんなこと言われて、とてもショックだと思う」と女性は言った。「でも、安心して。その事件を阻止するために、私はここにいるから」 「鈴江君が殺されるって、、、そんなの、悪い冗談にもほどがあります」 「あなたに信じてもらっても、もらわなくても、どちらでも構わない」と女性は言った。「私にとって重要なの

短編小説『未来の自分』②未確認飛行物体の正体

 野上先輩の家は、図書館から少し離れた小さな港町にあるらしく、僕らはバスに乗ってそこまで…

植木意志
3年前
7

青春ミステリー小説『放課後の冒険』 エピローグ「仕掛け人の正体」

 翌朝、拓実は席に着いて、頬杖をつきながら窓の外を眺めていた。  外にはどんよりとした曇…

植木意志
3年前
3

青春ミステリー小説『放課後の冒険』 第2話「少年少女の心理戦」

 拓実は真相を確かめるために、葵に話しかけようとした。  しかしその直後に、「拓実!」と…

植木意志
3年前
2

青春ミステリー小説『放課後の冒険』 第1話「窓の外の落下物」

 プールの授業の後は、決まっていつも眠くなる。 特に今みたいに、退屈な国語が6時限目にやっ…

植木意志
3年前
3