カボチャ先生

主に道徳教育が好きで道徳科授業について実践と研究を深めています。 2週間に1回、not…

カボチャ先生

主に道徳教育が好きで道徳科授業について実践と研究を深めています。 2週間に1回、note投稿します。

マガジン

  • 道徳の発問研究

    「発問」とは、子どもを深い学びへの導く最重要アイテムです。

  • 教材の深める思考法

    授業成功のためのFirst Stepである「教材解釈」の思考法を述べています。教材をどのような見方・考え方で深めればいいのかわからない。と言う方にお薦めです。

  • 道徳授業で大切なこと

    教師にとって、道徳授業で最も大切な3つの心得について述べています。

最近の記事

  • 固定された記事

道徳授業で大切なこと⑴

【Point】  ⑴ 本気で考えたくなる「問い」  ⑵ 困っている子どもに目を向ける  ⑶ 挙手に頼らない 道徳授業で最も大切なことは何だと思いますか。 それは・・・ 教室の中にいる子ども全員が「本気で考える」ということではないでしょうか。また、一回の道徳授業で、必ず一度は全員の子どもに自分の考えをアウトプットすることが大切なのではないかと考えています。 しかし、子どもは以下のような理由で「本気で考える」ことができなかったり、自分の考えをアウトプットできなかったりしていま

    • 伝記(偉人)の取り扱い方 〜低学年〜

      本シリーズでは、道徳科の授業において、どの学年でも出てくるけど、「なんか上手く取り扱えない」という声が多い、伝記(偉人)教材について、私なりに迫ってみたいと思います。今回は、実際に低学年の教材を活用して、授業づくりを行います。 *前号と併せてお読みいただけると幸いです。 1 教材「平野美宇選手」で考える前々号では、伝記(偉人)教材におけるねらい設定の方法、前号では発問構成の仕方について述べて参りまいした。 本号では、実際に低学年の教材を使って、授業計画を立ててみたいと思いま

      • 伝記(偉人)の取り扱い方 NO2

        本シリーズでは、道徳科の授業において、どの学年でも出てくるけど、「なんか上手く取り扱えない」という声が多い、伝記(偉人)教材について、私なりに迫ってみたいと思います。これは、完全に私独自の考え方なので、共感できないかもしれませんが、シリーズの最後までお読みいただき、少しでもお役に立てば幸いです。 1 前号のおさらい前号では、伝記(偉人)教材を、アナロジー思考を働かせることで、偉人教材を、多様な視点や観点から考えることができることを述べてまいりました。 手順としては以下のよう

        • 伝記(偉人)の取り扱い方 NO1

          本シリーズでは、道徳科の授業において、どの学年でも出てくるけど、「なんか上手く取り扱えない」という声が多い伝記(偉人)教材について、私なりに迫ってみたいと思います。これは、完全に私独自の考え方なので、共感できないかもしれませんが、シリーズの最後までお読みいただき、少しでもお役に立てば幸いです。 1 アナロジー思考前号で、①偉人の生き方(行為)のみに着目するのではなく、その人の考え方や葛藤などにも目を向けることの必要性。また、②視点や観点を変えて考えさせることがポイント。とい

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        道徳授業で大切なこと⑴

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        • 道徳の発問研究
          4本
        • 教材の深める思考法
          4本
        • 道徳授業で大切なこと
          3本

        記事

          伝記(偉人)の取り扱い方

          本シリーズでは、道徳科の授業において、どの学年でも出てくるけど、「なんか上手く取り扱えない」という声が多い伝記(偉人)教材について、私なりに迫ってみたいと思います。これは、完全に私独自の考え方なので、共感できないかもしれませんが、シリーズの最後までお読みいただき、少しでもお役に立てば幸いです。 1 伝記(偉人)教材はなぜ難しいのか教科書には、杉原千畝、野口英世、マザーテレサといった先人から、現在活躍しているアスリートや各界の一流と呼ばれる様々な人が、伝記(偉人)教材として掲

          伝記(偉人)の取り扱い方

          道徳の時間の「考える」とは NO3

           本シリーズでは、道徳科の授業で子どもが「考える」とはどう言うことなのかについて迫ってみたいと思います。  前号では、子どもが教材と自分自身のことを語り始める中間的モードを引き出すための3つ方略のうちの「多元的機能化」について述べました。  本号では、二つ目の方略「モデル化」について述べてまいります。 *前号と合わせてお読みいただけると幸いです↓ 1 モデル化とは 前号では、物事の構造を様々な視点や観点から見直し、多様な機能があることを引き出すための「多元的機能化」について

          道徳の時間の「考える」とは NO3

          道徳の時間の「考える」とは NO2

           本シリーズでは、道徳科の授業で子どもが「考える」とはどう言うことなのかについて迫ってみたいと思います。  前号では、子どもが教材と自分自身のことを語り始める中間的モードを引き出すための3つ方略のうちの「エピソード化」について述べました。  本号では、二つ目の方略「多元的機能化」について述べてまいります。 *前号と合わせてお読みいただけると幸いです↓ 1 多元的機能化とは 前号では、ものごとの背景となる具体的なエピソードを引き出すための「エピソード化」について述べました。

          道徳の時間の「考える」とは NO2

          道徳の時間の「考える」とは NO1

           本シリーズでは、道徳科の授業で子どもが「考える」とはどう言うことなのかについて迫ってみたいと思います。  前号では、必ずしも子どもの身近な場面に置き換えて考えなくても、子どもの中間的モードを引き出すことができれば、子どもは自己を見つめたり、自分の生き方について考えを深めることができるということを述べました。  本号では、中間的モードを引き出す方略について述べてまいります。 *前号と合わせてお読みいただけると幸いです↓。 1 思考と結び付くための三つの方略東京大学名誉教授で

          道徳の時間の「考える」とは NO1

          道徳の時間で「考える」とは

           本シリーズでは、道徳科の授業で子どもが「考える授業」とはどういうことなのかについて、徹底的に迫ってみたいと思います。もしかしたら、専門的で難しい話になってしまうかもしれませんが、シリーズ最後までお読み頂けると幸いです。 1 とある授業研究会でとある学校の授業研究会で、A先生から次のような質問がありました。 「今日の授業は教材の内容ばかりにとらわれて、子どもが自分ごとで考える機会がなかったように感じました」 そのように問われた授業者は、次のように答えました。 「ご質問ありが

          道徳の時間で「考える」とは

          道徳科における表現力を育てる NO3

          本シリーズでは、道徳科の授業ではあまり重要視されていない表現活動について述べていきます。前号の「発言はできるだけ短く」では、友達の理解を確認しながら自分の考えを伝えるポイントついて述べました。  本号では第3弾「探索的な言葉を育てる」についてです。 *前回号と合わせてお読み頂けると幸いです↓ 1 辿々しい子どもの言葉 道徳科の授業で教師が発問した際、「あっ、わかった」と勢いよく挙手した子どもを指名して発表させると、 「私は、〜だと思います。だって・・・なんて言ったらいいんだ

          道徳科における表現力を育てる NO3

          道徳における表現力を育てる NO2

          本シリーズでは、道徳科の授業ではあまり重要視されていない表現活動について述べていきます。前号の「宛名性の意識」では、仲間へ真剣に語る言葉が互いの関係性をつなぐことについて述べました。  本号では第2弾「発言はできるだけ短く」についてです。 *前回号と合わせてお読み頂けると幸いです↓ 1 一文が異常に長い子ども 道徳科に限らず、子どもの発言には特徴があります。  それは・・・ 「一文が異常に長い」と言うことです。 例えば、算数の台形の面積の求め方を説明する場面の子どもの発表は

          道徳における表現力を育てる NO2

          道徳における表現力を育てる NO1

           本シリーズでは、道徳科の授業ではあまり重要視されていない表現活動について述べていきます。なぜなら、私は道徳における表現力を育てることが価値の理解を深めていくために必要な土台となると考えているからです。  本号では第1弾「宛名性の意識」についてです。 *前回号と合わせてお読み頂けると幸いです↓ 1 「宛名性」とは   前回もご紹介した東京大学名誉教授の秋田喜代美氏によると、誰に向けて言葉を発しているか(宛名)で、子どもの授業への参加意識という点で重要な働きを持ってくるそうで

          道徳における表現力を育てる NO1

          道徳における表現力を育てる

           本シリーズでは、道徳科の授業ではあまり重要視されていない表現活動について述べていきます。なぜなら、私は道徳における表現力を育てることが価値の理解を深めていくために必要な土台となると考えているからです。 その理由も含めて述べていきます。 シリーズの最後までお読み頂けると幸いです。 1 ある日・・・ 教師を始めたばかりのある日のこと・・・  いつものように淡々とした道徳の授業を終え、「どうして、考え議論する道徳ができないんだろう」と反省していると、休み時間に私の周りに子どもが

          道徳における表現力を育てる

          自分との関わりの中で考えを深める NO4

          本シリーズでは、道徳科の授業で子どもが「自分との関わりの中で考えてくれない」「いつも他人事になってしまっている」という悩みが少しでも解消される方法を紹介していきます。 前回号、「自分との関わりで考えを深める発問①」について投稿させて頂きました。合わせてお読みいただけると幸いです↓ 子どもの真意を引き出す問い返し 前回号では、自分との関わりで考えさせる際に、すべきでない発問と、効果的な発問について投稿させて頂きました。  今回は、教師の発問に対して子どもが答えた後の問い返しに

          自分との関わりの中で考えを深める NO4

          自分との関わりの中で考えを深める NO3

           本シリーズでは、道徳科の授業で子どもが「自分との関わりの中で考えてくれない」「いつも他人事になってしまっている」という悩みが少しでも解消される方法を紹介していきます。 前回号、「共感」と「ねらいの設定」について投稿させて頂きました。合わせてお読みいただけると幸いです↓ 1 自分との関わりで考えを深める発問  前回号で登場人物の心情に共感させるために、「席を譲った時にはどんな気持ちだったでしょう」と問われても、登場人物への共感させ、自分との関わりの中で考えさせることは難しい

          自分との関わりの中で考えを深める NO3

          自分との関わりの中で考えを深める NO2

          本シリーズでは、道徳科の授業で子どもが「自分との関わりの中で考えてくれない」「いつも他人事になってしまっている」という悩みが少しでも解消される方法を紹介していきます。 前回号、「自分ごとという勘違い」について投稿させて頂きました。合わせてお読みいただけると幸いです↓ 1 もう一つの課題 前回号では、「自分との関わりで考える」=「身近な事例で考えさせる」だけではないということをお伝えしました。 さらに、それだけにこだわってしまうと、教材から子どもが分離したり、本音が語れない

          自分との関わりの中で考えを深める NO2