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書く。

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日々の、書き殴り
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2021年9月の記事一覧

はっと

 明日死ぬなら何をしますか。
 食べたかったあれを食べる?
 行きたかったあそこへ行く?
 会いたかったあの人に会う?
 出来なかったあれやこれをする
 明日一日じゃ短すぎる?

 じゃあ一週間後に死ぬなら?
 二種間後でもいい。一ヶ月後でも。
 ある程度、まとまった時間があるとして。
 そしたら、何をする?

 私は気付いてしまった。私は、そうなったらたぶん、特に何もしない。いつも通りに過ごす。

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カレー。まぜまぜ

 今夜はカレーだった。おかわりをよそいながら思い出した子どもの頃。カレーとご飯を均等に食べるのが苦手だった私は、最初に全部を混ぜてから食べるようにしていた。記憶違いでなければ、母に言われてそうしていた。ご飯の白い所はなくなるし、私はその食べ方が嫌いではなかった

 父の里帰りについていったある年のことだ。その日の晩御飯はカレーで、私はいつも通り混ぜて食べていた。おじに"おめ汚ねぇ食い方すんなぁ"と

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3分で書き綴る思い

 政治がつまらないし、生きていることに絶望する。明るい未来なんか見えない。一部の人間が利権を握り私腹を肥やす。人のために何かをしてあげようと思わない。それだけの富と、権力がありながら。それが人間という生き物で、それに囲まれて生きているかと思うと肌が引き裂けそうだ。気持ちが悪い。消しゴムのように。なぞって消せたらいいのに

 私に出来ることはなんだ。無力感

書けない

書けない

 言葉が上手くまとまらない日が続く。頭の中の私が、私に言葉を投げない。各々が、自由に過ごしているような印象だ。私の中に居る私の数を、私は把握していない。きっとこの表現は正しくない。私の中には文字が浮かぶだけだ。きっと、底なし沼から浮上してくるこの言葉には主がいるはずだが私はその存在を認識していない。

 書けない。書けない。書けないが続くと、いずれ言葉が出るようになる。これは、だから兆候だ。可能な

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意識下を抜けて

 書くという行為には即時の応答がない。そのためじっくりと考えられるが反面、人の出方を窺って話を展開する私には不向きだ

 喋ることなら意識下を抜けて無意識的に行える。書き物をしているとこんなにも冴えない私だが、人が口を開けば人格が変わる。将棋のように、その人が展開する言葉が頭の中に浮かびオチを予測する。様々な状況を加味して話の速さとオチまでの距離、情報の積載量を考えながら列車を走らせる

 考えな

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名月

 中秋の名月、今年はよく見えている。私には記憶に残っている日がある。満月の日、起き出して窓辺で月光浴をした日のことだ。あの日は大きな満月だった。スーパームーンだったのだろうか。だけどこの記憶は部分的に、あるいは全てが間違っている

 私の寝ていた部屋には南側に窓がなく、東側に一つあるだけだ。東側の窓からは時間的に、深夜 満月が見えることはないはずだ。と理解している。もちろん、きちんと方角を測ったこ

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消費されるコンテンツ

 承認欲求を満たすためにコンテンツとしての消費を受け入れる。そう断言出来るのならもはやかっこいいと思うが実際はそうではない。承認欲求を満たしたいくせに消費されるのは嫌だというみっともない連中が群れる場所。そうやって悪態をつく。毒を吐く。なんだっていい。私が言葉を練るのに必要なのは正の感情ではないない。言葉を練れなくなる時は大抵、対人スイッチがオンになっている時だ。誰かに遠慮し、ウケる言葉を選び文章

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慣性で生きる

 テレビなんかで。社会に適合できないんだけど"上手く生きている人"を見ると絶望的な気持ちになる。この人たちは成功しているんだ、と。その人たちが語る、小さい頃はね~というエピソードには違和感を感じない。私も、似たようなものだと思う。似たようなもの。だけどたぶん、決定的に違う。私は"少し"変なだけで、大部分は人と変わらないのだろう。どこにも馴染めないままに幼少期を過ごし、青年期を過ごし、大人になっても

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親ガチャ

 親ガチャ。そんな言葉があるそうだ。親や家庭は選べないということを比喩的に表現しているらしい。私は世間から離れているからネットやメディアの反応くらいしか分からないのだが、一部界隈で盛り上がりを見せているとのことだ。貧富の格差を筆頭に、頭の良さや運動神経、容姿など自力ではどうにもならない(と思う)要素を当人のせいにされても困ると主張しているそうだ。親が悪い、と言いたいのだろうか

 私の親はアルコー

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耳と音

 傾聴。そうすべきだった。主張をされた時には自分の主張をせず、それを全面的に受け入れるべきだ。どうせ解決などしない非建設的な"愚痴"だ。そこに自分の気持ちを出すことになんの意味があるというのか。十数分前の自分は大変に愚かだったと言わざるを得ない。嫌なことがあると昔のことが思い返されるのが常だ。ロマンチストは後ろを向き、リアリストは前を向く。私は前者だ

 "大人びている" "垢抜けている" たまに

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買い回り

 "ブーッ"と、けたたましく車のクラクションが鳴る。進行方向 右手側からゆるゆると出てきた白色の自動車。その運転手の婦人が、右折しようとした折、これまた右折しようとしていた私の車に驚き鳴らしたものだ。道幅はほぼ同じで一時停止がないにしてもその道は、習慣的に婦人側が道を譲るべきところだがそれを勘案しなかったとしてもだ。進行方向 左手側から来る車が優先されると規定されているはずだ。つまり婦人、過失割合

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書く。

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 書く。何も考えずに

 "君のは…あれだね……なんというか。週刊誌の記者が書くような…文章だ"

 高校生の時。現代文の先生に言われた言葉は今でも忘れない。それが良いとか、悪いとかではなく。私の書く文章は私の嫌いな週刊誌記者のそれと同じだという客観的事実を、私は今も忘れていない。私は別にそれでショックは受けなかったけれど、私は文章を書くのは諦めた。きっとそれはただの言い訳に過ぎない

 私はいつ

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