令和のクリエイターの稼ぎ方~競合から協合へ~
先日、初となる著書「令和のアーティストの稼ぎ方~9割の人が知らない音楽ビジネスの裏側~」をKindle電子書籍の形で出版させていただきました。
お陰様で新書・ジャンル別ではありますが、Amazonにて1位を獲得させていただき、レビューも仕込みなしで(本当に笑)好評をいただいております。
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出してしまった以上、自称・日本一アーティストの生態を知り尽くす男として突っ走る所存ですので、どうぞよろしくお願いします!
で、この令和の時代は、フリーランスのアーティストやクリエイターにとって危機であり、チャンスでもあります。
この先のビジョンを明確にするためにも、ここ数年、HRベンチャーに参画して、シャバの世界(笑)の人材活用事情を網羅させていただきました。
念のため、僕はこれまでにも小売、IT、通信、保険など、社会情勢がモロに影響する業界で社会人経験があるパラレルワーカー。
そんな僕が思う、クリエイターの近未来像を語ってみます。
差別化からパーソナライズ化へ
なんのこっちゃと思うかもしれませんが、もう世の中の半分以上がそうなってきています。
世の中のサービスや商品を開発するとき。
これまでは他と違う部分を売りにして差をつけようとしていたけど、これからは買う人のニーズに合うものの方が価値を得やすい。
例えば、アイス屋をやることが決まっているとする。
チョコレートアイスがヒットしているなら、チョコミントで勝負しにいくんじゃなくて、チョコレートアイスをどうやって届けていくかが大切ということ。
どんな人が、どこで、なぜそのチョコレートアイスを買うか。
その理由の一つに、ブランドとか高級とかの差別化された価値はあると思うけど、今はもう、ちょっとやそっとじゃレア感は出せない。
なんせ情報量はこの10年で530倍になったらしいから、遠くのレアさより、ちょい近、ややレアで十分。
差別化は一定の効果はあるかもしれないけど、より求められるのは
「私にとってどう良いか示せ」ということ。
もちろん、売り手の想いはあると思います。
チョコモナカジャンボを売りたいか、ゴディバアイスを売りたいかは選べばいいけど、戦略はもう「ゴディバだから良いに決まってる」だけではダメだということ。
なので、これからはますますマーケティングが重要。
ちなみに、個人的にはこのマーケティングという言葉も、この数年で定義が少しずつ変化していると感じています。
モノづくりや開発側の人も、このマーケティング目線が無いと厳しくなっていくと思います。
競合ではなく協合をつかいこなせ
競合調査をして、差別化して、勝つ。
これは確かに定石です。
ただ、繰り返しになりますが、最近はもう単純な差別化が難しくなってきていて、感情や使用感といった細かい部分での差別化の勝負になってきました。
特に入口でのジャッジは昔よりも厳しくなっていて、少しでも違和感や面倒に感じた瞬間に離脱されてしまいます。
例えば、漫画やボードゲーム。
僕が最近ハマってるんですが、我ながら消費のしかたが昔と違うことに気づきました。
というか、そういうマーケティングでその市場が動いてるんでしょうね。
何が違うかというと、新しい物を探すとき、昔はそれまでと全く違うものを好んで選んでいたのに対し、最近はちょっと近い物を選ぶようになった点。
漫画なら異世界系、退魔系といったように、舞台設定が近いものならストーリーに入りやすい。
ボードゲームなら、カードやツールを使うか、脳を使うかで大きく遊び方が異なります。
どちらも、サクサク次の漫画やゲームに進むためには、初期設定を把握するまでのストレスの少ない物を選びます。
時間も有効に使えるからです。
これは音楽をプレイリストで聴くことに似ていて、HIP HOPを好んで聴くなら、HIP HOPを聴き続けたいですよね。
今は、HIP HOPのリストを聴き続ける人にHIP HOPを届けて気に入ってもらう戦略の方がはるかに消費者のニーズに合っています。
だから差別化よりも、近い志の人たちで影響を与え合って、発信力を上げていく形でヒットも生まれています。
バイラルヒットと言われたり、インフルエンサーマーケと言われるのはこれですね。
切り替えるタイミングが少ない=購入チャンスが少ない
カテゴリ内で人気 or 複数のカテゴリにリストアップ=購入されやすい
ということです。
ただ似せたり寄せればいいというわけでなく、近い志を持つ人たちが集まり、自然とそういうムーブメントが起きています。
競い合うのではなく、リーダー格同士でパートナーシップを持つことで、切磋琢磨しながら層が育っていくのです。
それぞれが独立した個が、必要な時に支え合う、可変かつ少数精鋭のチームの時代だと思います。
協力し合うという意味で「協合」とか言ってみたりして。
スペシャリストの単価は下がっていく
今はまだ、何かに特化したスキルがあれば重宝されるかもしれませんが、これからはスペシャリストの活躍の場は減っていくと思います。
なぜなら、これだけツールや情報が普及している時代、ましてやパーソナライズが重視されている時代です。
優れたものより「私にちょうどいい」が価値基準です。
すると、スペシャリストはスペシャリストでも、空気の読めるスペシャリストでなければなりません。
空気の読める、というのはつまり、応用や融通が利くということ。
そのためには、必然的に他のスキルが必要になっていくのです。
歌のスキル AAA
イベント企画 できない
タレント性 C
デザインスキル C
という人がいるとしたら、きっと仕事は歌のみですよね。
歌のスキル A
イベント企画 B
タレント性 B
デザインスキル B
この人は、Bを伸ばせば何とかなる可能性がありそうな気がしますよね。
お手伝いでイベントの仕事ができたり、デザインもセンスが合うお客さんになら売れるかもしれません。
収入の面でも後者の方がいいと思います。
そして、一見、歌の世界を志すなら前者の方が有利に思われるかもしれませんが、チャンスの面でも後者の方が有利です。
理由は3つ。
①一定のレベルを超えると、一般人には差が見分けられないから
②歌以外で仕事のレベルを知ることで、仕事への意識が上がるから
③関わる関係者が増えると、チャンスも増えるから
もちろん、スペシャリストの仕事は完全には無くならないと思います。
しかし、それだけを目指すことで失われるチャンスも多くあるのです。
依頼する側のコスト面でも、一つのことだけを単発でお願いするのか、時期によって役割を変えながら長く付き合うのか、天秤にかけます。
最近は、信頼・成果・コストのバランスのいい人が選ばれている傾向があります。
いずれにしても、ある一定以上のレベルに到達するためには、一時的にでも寝食を忘れるくらいの情熱を注いで取り組まなければいけないんですけどね。
その時がいつなのか、見極めながら総合力を身につけていくことが大切です。
さいごに
令和になって、クリエイターにとって挑戦しやすい世の中になっていると思います。
これまでは「保険を掛けるなんてダサい」という風潮があったかもしれませんが、ベーシックインカムがあると、長く深くその道に携われるので、層の底上げにつながっていくと思います。
また、役割が増えると、顔を出す場所が増えます。
・資料作成
・写真
・動画編集
・営業
・講師業
・イベント企画、運営
この辺りは身につけておくといいスキルです。
中には数時間といくらかの予算さえあればすぐに学べるものもあります。
僕にご相談や学びたいと思っていただけた方は、ぜひお問合せくださいね。
(ボイトレ、講師のなり方、進路相談など承っています。)
自分の売りたい物を、多方面に広げられる可能性を、ぜひ検討してみてください。
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ガリバー宇田川(アーティスト専門家)
メジャー経験のある現役シンガーで日本アーティスト協会代表理事。アーティストの社会進出とキャリア形成の支援がミッション。イベント企画、映像や舞台の脚本・演出、動画、デザイン、企業の採用コンサルもやってます。
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