興味を持ってもらうために

 「最近何してるの?」という再会の常套句。

ちょっと前なら「気にかけてくれてるんだな」と受け取られたかもしれませんが、最近ではSNSを日々更新する人にこれを言ってしまうと「普段から発信してるのに何も興味を持ってくれていないのか」と受け取られるかもしれません。

 特にアーティストは、ブログやSNSで日々発信してブランディングしているので、僕自身がよく思うことがあります。

不意に会った時でも「あ、こないだインスタにあげてたアレさー」などとっさに出てくると、会っていなかった時間も交流していた気分になることがあります。

「よくSNSで見てるけど、あれってどういうこと?」とか、「ブログやYoutube見ました。」など言ってもらえると、「ああ、普段から興味を持ってくれてるんだな」と嬉しく感じますよね。

それが当たり前とは言いませんが、日常的な感覚として根付いているのは確かです。

 なので、久々に会う約束をしたり、何か用事があって時間を作って会う機会などで、「最近何してるの?」なんて言われた時にはちょっと引いてしまうかもしれません。

個人で仕事をいくらでも生み出せる時代ですから、それは会社にアポを取って商談しに行く時に、HPも事業内容も見ないで会うのと同じことだと思います。

 また、アーティストが上記に加えて興味を持ってもらいたいと感じているのは、作品です。

僕は色々な仕事やプロジェクトをやってはいますが、ベースはアーティストなので、人柄や人生観などパーソナルな部分は音楽から感じて欲しいと思っています。

親しいのに僕の経歴を知らなかったり、音楽を聴いてくれていなかったりすると本当に悲しいですし、その相手とはきっと音楽のフィールドで何かを生み出せることは無いと思います。

極端な話、他の仕事で関わる人でも、僕の音楽を評価してくれる人との方がいいお仕事ができているような気がしているのです。

 とはいえ、「かまってちゃん」ほどキツイものはありませんよね。

僕も、どうやったらうまいバランスで興味をもってもらえるのか、日々悩むことがありました。

 そこで行き着いたのは、シンプルにまずは自分から「その人に興味を持つ」ことでした。

自分の人生と、その人の人生の共通点を探して、「あなたの◯◯ですけど、僕はこう感じるんですよ」というようなことを、必ず1ネタ持って人と会うことから始めました。

その人のことを好きとか、仕事上のメリットとかは抜きにして、まずはフラットにその人のことを検索して把握してから会うようにしています。

人を紹介する時にも、自分なりにその人のコピーライティングをするかのようにプロフィールをまとめて紹介するようにしました。

 できている人にとっては当たり前かもしれませんが、僕はこれがとても苦手だったので、本当に頑張ってトレーニングしました。

すると、特定の相手やその周りの人が、僕のことにも興味を持ってくれたり、紹介してくれるようになったのです。

 もちろん、見返りが欲しくてやっているわけでは無いですが、自分がそういう「ひと手間」をかけて人に接していると、相手はどうなのかが露骨に見えてくるものです。

逆に、自分が気づかないところで気遣いをしてもらっていたのだと改めて知ると、無意識に(気づかない結果として)「してもらって当たり前」になってしまっていることは本当に怖いと感じました。

 興味を持ってもらいたいのなら、全力で人にも興味を持ってみるといいと思います。

そこで同じ温度でついてきてくれる人が、きっとこの先の味方になってくれるのだと思います。

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