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【映画】フローズン・タイム/Cashback

とてもとても愛おしい瞬間を永遠に保存するには、やっぱり時間を停止するしかないよな。でも、主観の中で停止した時間は誰とも共有できないから、この瞬間を誰かと分かち合うためにぼくらは写真に撮り絵画に写し映画や小説に記すんだ。

※本作はパッケージが相当アレなので穏当な画像に差し替えさせていただいております。同様にFilmarks上での感想もリンクカードの表示は避けました。

よくきたな。俺は真の海の男なので10年くらい前の映画であろうと今知った映画は新作としてタフに紹介する。今日はパッケージがアレで手を出しにくい純愛ロマンス映画である「フローズン・タイム/Cashback」を紹介する。(リンク先はFilmarks上の感想)

この作品は、アマゾンプライムでオススメされた作品を無作為にチェックしただけであり、時間停止アニマルビデオ風のパッケージにアレしたわけではないことを付け加えておきます。あと、現実世界に時間停止能力者はほとんどいない。いいね?

※これは本編がおっぱままつりなので私が自主的に差し替えた、パッケージのスーパーのヌード主婦を代替する画像であり猥褻は一切ない。

あらすじ

失恋の痛手から不眠症に悩む美大生は余った時間を利用して深夜営業のスーパーでアルバイトを始める。同僚はトレインスポッティングを真に受けたようなバカとそれと同等のバカ(時代的にスマホが普及していなくてよかった)と『THE BOSS』と書かれたマグカップを愛用する上司とブルースリーかぶれのバカカンフーバカ(こいつはロッカーに寸勁で衣類を叩き込む、天秤棒を担ぐようにモップ掛けをする、フットサルのゴールを守るときにボールと反対側に跳ぶ、なぜか日本語で平手打ちと書かれた日の丸ハチマキを着用するなど真の腰抜けだ)、そして時計恐怖症の深夜バイトの姫。

主人公はあまりにも長い夜を乗り越えるために次第に体感時間の調整能力を獲得していく。美大生ならではの瞬間映像記憶的に凍結させた時間の中で彼は裸婦スケッチを繰り返し「美」に対する追及を深めていく。

そんな中、スカムフットサル大会を経て深夜バイトの姫との距離を縮めた彼はザ・ボスの誕生パーティーへ赴くが、そこには元カノが復縁を迫ろうと押しかけてきていた。そこで再び時間停止が発生してしまう。 最悪のタイミングで。

人間は自らの意思で時間を停止できる。あなたにも。

この映画は、人間であればだれもが可能な「主観的な時間停止」を扱っている。それは幸福な時間を切り取ったものだけではなく、退屈な時間、耐えられないような時間、行動を誤った瞬間。人間は自らの意思で体感時間を停止してしまうことがある。しかし、巻き戻してなかったことにすることはできない。

この作品は露悪的なパッケージと前半のほとんど違法行為(おっぱままつり)シーンのせいで背徳的な魅力に溢れている作品にくくられてしまいそうだけど、実際「大失敗をしてしまった!! このまま時が止まればいいのに!!」 という経験を持たない人間のほうが少ないはずなので、この映画の取り扱うテーマは全人類的なものであるといえる。

※パッケージのほとんど違法行為なシーンについては、主人公が美大生であり美術的な興味からの行為なので違法行為に及ぶことはなくご安心だ。

それでも生きていかざるをえない

停止した時間の中で何日過ごしてもよいが、生存のためにはやがて時間を進めなくてはいけない。停止した時間の中で、受け入れ、反省し、諦め、やり過ごす。これは全人類の営みだ。

彼はこれまで過ごしてきた幸福の時間を絵画(裸婦スケッチ)として残してきたため、将来への夢をつかむ希望的な傾向へ進むことができた。いつか彼の幸福な時間を誰かと共有して停止した時間を共に歩みだすことができるはずだ。

なお、この能力は主人公だけではない全人類が備えており、ストリップシーンで全男性が心のレコーダーにDR画質で録画するシーン(脳にしおりを挟むポーズ)によって象徴的に示唆されている。 

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以下は個人的な感想となります。

スタッフロールでふいうちされる。(個人の感想です)

前述のとおり、この映画は「アマゾンプライムでオススメとして挙がってきた映画」なので特に意図をして選んだわけではないのですが、スタッフロールと一緒に流れたエンディングテーマを聞いてぶっ飛びました。

あらっ!? ロイクソップじゃない! もってるよぼく!!このCD全部持ってる!!

まったく縁のないと思っていた、前情報のない、普段なら絶対見ることがなさそうなジャンルの映画に自分の好きな音楽がかかっていた。ヤバイ。

つまり「戸川純仙水状態」であり、また「俺のための映画」が生まれてしまった。 つまり、誰にわかってもらえるかわからないけど、誰かに伝われ!という気持ちで書いた感想でした。

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