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「国技館ロイヤルランブル」(5) 『角界の爆弾処理班』

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(前の取組)

戦国時代、怪力無双で知られる数々の武将を無傷で翻弄し相撲で殺して名を挙げた小兵がいた。その名を木下藤吉郎、後の豊臣秀吉である。江戸時代、徳川家の治世になると豊臣系の武将は次々と改易され大阪城と共に滅亡した。その際、ひそかに地下に潜り幕府転覆と捲土重来を狙い続けた組織こそが「国家安康党」である。

「SHHHHHHHH!!!!」

爆弾怪人時限ゼミのハウリングシャウトだ!!
茹太郎、小諸山が同時に耳から血を噴出してダウン!!

「今日コソ天下ヲ取リ返スゾ!!」

昆虫ベース肉体にニトログリセリンを循環させた時限ゼミは生体爆弾だ。彼は自分が敗北した場合は国技館ごと自爆をするつもりなのだ。

「まずいですな」

元小結爆弾魔が時限ゼミにぶつかり、がっぷり四つの構え。現役時代は角界の爆弾処理班と呼ばれたマニュピレーターに比肩されるテクニカルなまわし捌きが時限ゼミのがぶり寄りを許さず取組は膠着したかに見えた。

「ふぅ、起爆装置解除完了」

爆弾魔は時限ゼミのまわしにぶら下がる赤と青のさがりを次々と的確に抜き取っていたのである。ベテラン故の技術!!

「SHHHHH!!??」

時限ゼミは自爆装置を奪われて動揺!!

「若いうちから死ぬことを考えるんじゃない!」

爆弾魔の張り差し!時限ゼミも親方の心意気に胸を打たれた。

「SHHHHHH!!!」

今度はハウリングではない真実の雄たけびだ!!時限ゼミが爆弾魔を寄り切った。

「来場所はウチに来いよ!」
「ゴッツァンデス!!」

土俵下の炸裂親方のサムズアップに時限ゼミが応えた。

【残り10名】



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