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【収集用】逆噴射相撲教習所マガジン

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逆噴射プラクティスのぶつかり稽古を集めます。テッポウ禁止。
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2018年11月の記事一覧

「国技館ロイヤルランブル」(2) 『人類最強の男』

「国技館ロイヤルランブル」(2) 『人類最強の男』

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(前回)

国技館最終ランブル出場力士一覧。

01 十両 田中 
02 十両 生之際
03 前頭 茹太郎
04 小結 小諸山
05 小結 梅茂斗
06 関脇 富士卒婆
07 大関 大失恋
08 大関 群馬灘
09 横綱 万寺
10 横綱 若銀河
11 元小結 爆弾魔(炸裂親方)
12 元関脇 八極弾(追放:現プロ

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「国技館ロイヤルランブル」(3) 『土俵臨界点』

「国技館ロイヤルランブル」(3) 『土俵臨界点』

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(前回の取組)

突然だが原子爆弾の起爆の仕組みをご存じだろうか。簡単に言えば、土俵に臨界点ギリギリの力士を保存して、そこに高速度で許容量を超えた力士をぶつけることで稽古パワーの分裂及び増殖が開始され臨界点を超えて爆発するというような現象である。(「量子力士学入門」より)

その原子爆弾に匹敵するような現象が今、国

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「国技館ロイヤルランブル」(4) 『悲恋の大関』

「国技館ロイヤルランブル」(4) 『悲恋の大関』

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(前回の取組)

格闘技ファンにとって相撲道は一対一に特化していると認識されている。実際に十両・前頭クラスまではそうだ。しかし、三役と呼ばれるエリート階層にとっては異なる。相撲とは多対一、一対多、多対多の戦場格闘技である。三役同士の取り組みはもはや格闘技ではなく論理戦闘の舞台となるのだ。

(前方から田中、後方から梅

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「国技館ロイヤルランブル」(5) 『角界の爆弾処理班』

「国技館ロイヤルランブル」(5) 『角界の爆弾処理班』

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(前の取組)

戦国時代、怪力無双で知られる数々の武将を無傷で翻弄し相撲で殺して名を挙げた小兵がいた。その名を木下藤吉郎、後の豊臣秀吉である。江戸時代、徳川家の治世になると豊臣系の武将は次々と改易され大阪城と共に滅亡した。その際、ひそかに地下に潜り幕府転覆と捲土重来を狙い続けた組織こそが「国家安康党」である。

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「国技館ロイヤルランブル」(6)
「光の射す方へ」

「国技館ロイヤルランブル」(6) 「光の射す方へ」

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(前回の取組)

十両最年長生之際の頭髪は後退を続けている。地球温暖化に伴う北極の氷や南極上空のオゾンホールのように永遠に広がり続けている。そこはまさに不毛の砂漠だ。そんな砂漠の砂の中に1粒だけダイヤモンドが混ざっている。それこそが生之際光、見苦しくも現役にしがみつき続ける元関脇の相撲であった。

富士卒婆の強烈な

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「国技館ロイヤルランブル」(7)
「昭和の巨人」

「国技館ロイヤルランブル」(7) 「昭和の巨人」

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(前回の取組)

国技館最終ランブル(残り7名)

07 大関 大失恋 (異能「客観視」の使い手)
09 横綱 万寺 (外国人横綱)
10 横綱 若銀河 (もっとも完成された横綱とされる)
12 元関脇 八極弾 (暴力事件で追放されたレスラー) 
13 元大関 肉達磨 (肉塊親方。限りなく横綱に近づいた平成の怪物)

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「国技館ロイヤルランブル」(8)
「伝説力士」

「国技館ロイヤルランブル」(8) 「伝説力士」

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(前回の取り組み)

「巨人!?」観客も力士も視聴者も我々も、そう錯覚したのは無理はない。
昭和の英雄大銀河は前代未聞の128連勝を果たした文字通りの大横綱であった。日本人であればこの巨人の取組を知らないものはいない、その現役時代の姿が巨大な幻影となって襲い掛かったのだ。巨大なを受けて後ずさる力士たち。一方で、動じな

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「国技館ロイヤルランブル」(9)
「かわいがり」

「国技館ロイヤルランブル」(9) 「かわいがり」

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(前回の取組)

土俵下で大銀河の強烈な上手投げを受け失神していた時限ゼミの意識が復帰した。土俵を見上げると、そこには二つの相撲竜巻が発生していた。

横綱若銀河は大銀河と睨み合い、それだけで強烈なオーラが発散されている。

横綱万寺は肉達磨の強烈な打撃を避け続けている。それらから距離をとり漁夫の利を狙うのは八極弾だ

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「最後の魔法!恋の千秋楽!」(完結編)

「最後の魔法!恋の千秋楽!」(完結編)

(これまでのあらすじ)
魔女から”魔法のまわし”を受け取った小結乳白色舞海は連戦連勝。ついに千秋楽で憧れの横綱の胸を借りることになった。”魔法のまわし”とは一体? ついにその謎が明かされる。

クリームシチュー化したちゃんこ鍋がいきなり爆発して白濁親方は気絶!!ゆっくりと湯気の中から姿を現した魔女は乳白色関に言った。

「ヒッヒッヒッ!お前さんの願いを言え、なんだって叶えてやるよ」

「私、横綱に

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「国技館ロイヤルランブル」(10) 第十話「国盗り」

「国技館ロイヤルランブル」(10) 第十話「国盗り」

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(前回の取組)

土俵下、時限ゼミの元へ近づく影があった。相撲協会の職員キャップとジャンパーを着こんだ巨漢。団体職員……ではない。この顔はテッポウ禁止の通路でハーキュリーズ・ヘラクレスと立ち会っていたあの男ではないか。

「よく頑張ったな」
「坊チャン……」
「もうひと頑張りしてもらうぞ」
「オレ、モット相撲トリタ

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「国技館ロイヤルランブル」(11)第十一話「旧支配者」

「国技館ロイヤルランブル」(11)第十一話「旧支配者」

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(前回の取組)

横綱万寺、メキシコ出身。
貧しいスラムで育った彼を拾い、まっすぐ育てたのは肉塊親方であった。慣れない環境、合わない食事、厳しすぎる稽古。「いつか殺してやるよ」と笑いながら軽口をたたきあう、肉親以上の肉塊親方が死んだ。

横綱若銀河、東京都出身。
大横綱の父を追い自らも横綱となったがいつも巨大な背中

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「国技館ロイヤルランブル」(12)「deus ex machina」

「国技館ロイヤルランブル」(12)「deus ex machina」

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(前回の取組)

触手の持ち主は土俵下の職員キャップにジャンパーの若者。彼はキャップを外し土俵へ上がった。「国家安康党」首領、豊臣秀頼その人である。

「SHHHH!!! 下郎ども頭が高いぞ!!」

土俵上には現役の両横綱、若銀河と万寺。二人は顔を見合わせ(俺が先にいくぜ)(応)(あとでやろうな)ウィンクをした万寺が

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「国技館ロイヤルランブル」(13/終)「It's "SUMO" World」

「国技館ロイヤルランブル」(13/終)「It's "SUMO" World」

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(先場所の様子)

「どすこーい!」「どすこーい!」『大相撲混沌場所ロイヤルランブル事変』から数年。"次元猟犬"多角力が土俵へ顕現するなど相撲業界の様相は激変したが今もクラシカルな伝統相撲を続けるのが大銀河部屋の力士達だ。大横綱の名跡を継いだ横綱大銀河を中心とする銀河軍団はいまなお日本の伝統美を象徴している。

「ど

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コスモ力士☆星丸!

コスモ力士☆星丸!

西:リニア力士、新十両 星丸。(筑波部屋)
東:機工力士、前頭 牛頭駆。(磐梯部屋)

星丸は球体のボディの周囲をリニアまわしが回転している。その姿はまるで土星だ。
牛頭駆はモノアイ眼球のクールさが人気のベテラン前頭。首が存在せず喉輪を無効化する。

二名のコスモ力士は顔を見合わせた。
そして、なんらかの思念波が交わされ、二名は土俵の中央で激突した!!

キーーーーーーン……

甲高い澄んだ衝突音

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