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怒りをぶつけられるターゲットの影で 息をひそめいい子を演じるもう1人の…

「WAVES」鑑賞。アメリカの青春映画と紹介されているけれど、実質、毒親・機能不全家族の映画だった。
兄と妹 2人兄弟の4人家族の話。
兄は父の期待に応えようと、スポーツを頑張るんだけど、どんだけやっても父は認めてくれないどころか、小言の嵐。痛み止めを飲んでも飲んでも聞かないほど体が故障しているのに、それを父に言い出せないでいる。

一番困ったときに「全く頼れない親がいる」これが、毒親問題にしか思えない。言いたいことも言えず、痛いことも痛いといえず、さらに親の話はきちんと受け答える。子供の吐き出し口はすべて塞がれている。

そんな彼は、薬の副作用なのか、メンタルを追い込まれたからなのか、次第に怒りをコントロールできなくなり、事件を起こしてしまう。

抑え込んだ感情の爆発だ

兄が起こした事件のせいで、学校に居場所がなくなった妹。事件を起こす前の兄の不安定さを、陰で静かに支えていたのは妹だった。本来なら親が支えるべきところを、この家族は妹が親代わりをしていたのだ。そして兄が問題を起こした後、両親は凍てついてしまう。妹の悩みも知らずに。。。学校にも家庭にも居場所がなくなってしまう。
ずっと、どこでも誰とでも 心を閉ざしている妹ちゃん、私は見ていて苦しかった。

あなたも叫んでいいんだよ

いつだって自分の気持ちを打ち明けるより、兄の、両親の話の聞き役な妹ちゃんに、

それじゃぁ 自分が押しつぶされちゃうよ

と。

後半は、妹ちゃんがどうにか 幸せになってくれて よかった。

機能不全家族の光と影、歪み、親の身勝手さがよく表現されている映画だった。そんなつもりでなく、見たんだけれどね。

ターゲットにされる子供の陰で、息をひそめて感情を押し殺している子供もいるんだよ
という すばらしい描写力のある映画でした。

痛みに気づこう!

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