見出し画像

2022年11月10-11日 奈良・曽爾村


奈良県と三重県の県境くらいの場所にあるのが、曽爾村(そにむら)。

たぶん、初見じゃ読めない人が多いんじゃないだろうか。ただ関西出身の人にはよく知られていて、この村にある青少年の家に研修に行ったとか、曽爾高原というススキの群生地へ観光で行ったとか。なんらかの形で関西の人は行ったことがあるらしい(自分調べ)。

11月、次第に寒さを感じる時期に曽爾村を訪れたのは、地域おこし協力隊の募集記事を3本分書く取材のためだった。曽爾村にはそれまでもよく取材で訪れていて、たぶん4度目くらいになると思う。名張駅のトヨタレンタカーで車を借りて、40分くらい。川沿いの山道を抜けると、集落が見えてくる。

役場の方に取材をしたあとに向かったのが、星咲(きらら)というオーベルジュ。ここがすごくいい高台にあって、日が傾き始めたころの山々がすばらしく美しかった。奈良で経験を積んできたご主人と奥さんが切り盛りしていて、予約をしないと入れないという人気のお店。ぜひ気になる人はいってほしいと思う。僕も料理を食べてみたいなと思いながら、いろいろ話を聞かせてもらった。(星咲のホームページはこちらから)

オーナーの芝田さんも気さくに丁寧に話してくださる方なので、最初は緊張するかもしれないけれど、気持ちよく食事をして、泊まることができる場所だと思う。



2日目に訪れたのは、トマト農家さん。ベテラン農家の寺前さんとは数年前に話したことがあって、数年ぶりだったけどぼくのことを覚えていてくれた。こうやって「久しぶり!」と言ってくれる人の元へ行くことができるのは、幸せなことだなぁと思う。

曽爾村では地域おこし協力隊の制度を利用して、新規就農者を増やす試みをしていて、トマト農家もその一つ。

寺前さんのもとで3年間学び、その後は独立してトマト農家として生きていく。ビニールハウスの費用補助など、役場の補助も手厚いので、農家として生きていくことに興味がある人は、曽爾村をぜひおすすめしたい。役場の人もフレンドリーで、移住者も多いので、安心して暮らせると思う。

トマト農家見習いの募集は、2月8日まで出ているので、気になる人はこちらの記事もぜひ読んでほしい。


今回の取材ではとてもうれしいことがあった。

ぼくが3年前くらいに書いた、おなじくトマト農家見習い募集の記事で曽爾村に移住した方が、無事に3年間の研修を終え、独立していたのだ。

今回その人にも取材させてもらった。以前よりも生き生きとしていて、なんだかワイルドな雰囲気になった感じ。「やっぱり自分だけでやるのはむずかしいですね」とはにかみながらも、トマトへの思いを語ってくれたのは、個人的にグッとくるものがあった。

写真にある二個のトマトは、旬は過ぎてしまったけど、といただいたトマト。家に帰って食べたら、めちゃくちゃおいしかった。

こうやって、どこかにいるあったこともない人の人生を変える。そしてその新たな道が幸せであることを知る。この仕事をしていて、これ以上ない喜びだし、これからもそんな機会をたくさんつくりたいと胸に誓った瞬間だった。

あ、あと書き忘れそうになったのが、曽爾高原のこと。ススキの時期ぴったりに訪れたのは初めてだったけど、これは一見の価値ありという感じ。結婚式の前撮りをしているご夫婦もいた。

曽爾村を訪れたときは、ぜひ寄ってみてほしい。個人的には、曽爾高原に行く途中にある温泉は本当にマジでおすすめです。

(稲本琢仙)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?