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(長谷部誠・著)の『心を整える』を読んだ感想

1.現在の競争社会を生き抜く人にとても参考になる本

 この本を読んだのは、題名の「心を整える」というフレーズに惹かれて読んだんですが、その後の「勝利をたぐり寄せるための56の習慣」という言葉を見落としていました。

実際に心を整える長谷部選手らしい方法が紹介されているんですが、それは試合という勝負の舞台に向けて、日頃から試合で全力を出せるように心がけていることの紹介が多かったですし、それよりはチームの中でどうすれば勝てるか(スタメン争いだったりチームを勝利に導くためであったり)が多かったです。

なのでこれは自己啓発本でもビジネス本でも通用するような本でした。
読書家の長谷部選手ならではなのか、自己啓発本で見かけるような方法も多かったですし、また勝負の世界で生きている長谷部選手なりの勝ち方(スタメン争いやチームを勝利に導くための方法)が沢山紹介されていました。

ですので、ビジネスマンやフリーランスで勝負している人にとても参考になる本ではないかなと思いました。

2.個人で勝負する人にも、チームで勝負する人のどちらにも参考になる

 サッカーというのはチームプレーのスポーツではあるんですが、そこには激しいチーム内での争いがあります。
まずはスタメンにならなければ試合に出れませんし、スタメンで出れるようになっても、毎年新しい選手が入ったり監督が変わったりするとまた勝負がある、常に勝負の世界です。

しかしながらチームプレーのスポーツですので、スタメンになれたからといって自分本位のプレーをしていれば良いわけではありません。
チームを勝利に導くために自分が目立つようなプレーをすればいい訳ではありませんし、チームという集団を考えて自分がどうプレーすべきことかということを自分で考える必要もあります。
チームとしてどうすれば勝てるか、また控えの選手も含めてどう全体で一体感を作り出すか、日本代表ではキャプテンを任された時期も多かった長谷部選手なりのチームとしての勝利を手繰り寄せる姿勢の作り方も書かれています。

特に長谷部選手には、例えば中田英寿選手のような際立った能力があるわけではありませんし(全然無いことは無いんですが)、そのような自分がどうやって競争社会で自分をアピールして選手として活躍してきたか、またチームとして自分がどうすればチームの勝利に導けるかという、彼なりに実践してきて成功してきた方法が数多く紹介されています。

なので本当に自分が数多くの競争相手の中からどうしたら自分をアピールできるか、またはチーム(会社)として自分はどう行動すればいいか、そんな事で悩んでいる働く人に参考になると思います。

3.実は長谷部選手が、日本人のサッカー選手としての魅力を伝えた選手であったらしい

 長谷部選手が海外に移籍する前にも色んな日本人選手が海外の舞台へ旅立って活躍しました。
しかし長谷部選手がドイツに移籍した時、今までの日本人選手とは違う、チームへの溶け込み方の巧さであったり上手くチームとしてプレーする才能を海外(主にドイツ)に浸透させ、サッカーでの日本人選手としての評価を高めたという記事を読んだ記憶があります。

そしてその後に多くの日本人選手が海外に活躍の場を移し、今では日本代表のほとんどの選手が海外でプレーしている選手です。
長谷部選手一人だけの力だけではないと思いますが、それでも多くの日本人選手が海外でプレーする転機点にいた選手ではあったと思います。

その点は長谷部選手も書いています。
海外で活躍するためには自分からどんどんアピールしなければいけないという小野伸二選手のアドバイスをもらって実践したということも書かれていましたし、積極的にチームメイトと拙いドイツ語と英語で親睦を深めるようにしたとも書かれていました。
その点は会社だったり、社会の中であったり、日本国内の場合でも同じではないでしょうか。
ただ上から目線になってもいけないし、逆に卑屈に接してもいけないとも本書では述べられています。

4.最後に

 これは言うまでもない事ではない事だと思いますが、やはり読書の大切さを感じました。
長谷部選手も積極的に読書を心がけているようです。
スポーツ選手でも活躍している人は読書(頭を使う)事をしている選手が多いとは感じています。
中田英寿選手も、チームのパーティーで一人で本を読んでいてチームメイトから変人扱いされたという記事も読んだこともありましたし、野球でも、自分の力のピークが落ちたが、本で改めて勉強して再び活躍したという選手を知っています。

それは読書を通して実生活で自分自身の価値を高めるというものかもしれませんが、その一助として本を読むことは助けになることではないかと思います。
読書と実践を両立させると良い方向に向きそうだなとは感じました。

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