911同時多発テロという名の不思議な話⑥

ビン・ラディンと米国政府の蜜月関係

2001年8月6日にC I Aがブッシュ大統領に提出した資料には「オサマ・ビン・ラディンが飛行機をハイジャックしてアメリカに攻撃を計画しているらしい」と書いてありましたが、ブッシュ大統領はこの警告を完全に無視しました。

オサマ・ビン・ラディンが率いるとされるアル・カイーダは、もともとはムジャーヒディーン(聖戦を遂行する者)と呼ばれ、1979年にソ連がアフガニスタンに侵攻した時に、CIAが資金提供してアラブの義勇兵を招集し、ソ連への対抗勢力として彼らを訓練したのが始まりです。

C I Aは1982年から1992年の間に、世界から3万5000人ものイスラム急進派をパキスタンに集め、軍事訓練を施してアフガニスタンに送り込みました。

オサマ・ビン・ラディンはサウジ王家の全面支援を受け、C I Aに強力して義勇兵をパキスタンに送り込んでいたのです。

また、C I Aはサウジアラビアの若者を米国に送りこみ、軍事訓練を受けさせた後にアフガニスタンに送るという工作をしていたのですが、その実行者もオサマ・ビン・ラディンでした。

実在しない「高度に組織された秘密の国際テロネットワーク」

2004年に英国BBCが製作した「The Power of Nightmares」(NHK・BS1が「“テロとの戦い”の真相」という邦題で2005年に放送)(※YouTubeで英語版を観ることができます。)というドキュメンタリー番組では、アル・カイーダという名称は、米国政府が2001年に反マフィア法でオサマ・ビン・ラディンを訴追しようと決めた時、対象が名前のある犯罪組織でなければならないためにFBIが名付けたもので、「高度に組織された秘密の国際テロネットワーク」などは実在しないとしています。

ビン・ラディン一族はサウジ・ビン・ラディン・グループ(SBG)を柱とする財閥で、50億ドル以上の資本を所有しています。

米国、欧州、アジアに多数の支部と子会社(60社以上)を有し、土木建築、石油、化学プロジェクト、遠距離通信、衛星通信事業に従事しています。

サウジアラビアにおける米国政府関係の土木建築を一手に引き受けているのが、このビン・ラディン一族なのです。

マイケル・ムーア監督の映画「華氏911」でもブッシュ家とビン・ラディン家が密接な関係を持っていたことが暴露されていますが、1977年6月、ジョージ・W・ブッシュが初めて設立した石油掘削会社アルブスト・エネルギーの最初の投資者はビン・ラディン家の長男サレム・M・ビン・ラディンでした。

ネルソン・A・ロックフェラー元副大統領の叔父ジョン・D・ロックフェラー4世の妻シャロン・パーシー・ロックフェラーもビン・ラディン一族のビジネス・パートナーであり、シカゴのハリス銀行に共同口座を持っていました。

ビン・ラディン一族は前述の投資顧問会社カーライルにも投資をしていました。カーライルの会長は元国防長官フランク・カールッチで、上級顧問にはブッシュ(父)元大統領やジェイムズ・ベイカー元国務長官も名を連ねていました。

かつてはジョージ・W・ブッシュ大統領もカーライルの理事を務めていました。

911事件の前日から当日にかけての2日間、カーライルはワシントンDCのリッツ・カールトン・ホテルで年次投資家会議を開催していて、その会議にはオサマの異母兄シャフィグ・ビン・ラディンが出席していました。

10日の会議ではブッシュ(父)元大統領もシャフィグと並んで同席していたのです。

オサマ・ビン・ラディンをかくまっていると非難されたタリバン政権は、9月21日に記者会見を行なって「同時多発テロに関係しているという証拠を提示してくれたら、オサマ・ビン・ラディンを差し出す」と言明しました。

それを受けて当時のチェイニー副大統領とパウエル国務長官、コンドリーザ・ライス大統領補佐官が「確たる証拠があるので時期がきたら公表する」と確約しましたが、証拠を見せないうちにアフガンへの侵攻を開始。

いまだにその証拠は公表されていません。

ちなみにFBIのオサマ・ビン・ラディンの手配書には911事件に関する記述がありません。

FBIは「オサマ・ビン・ラディンは、911事件との関係では正式には起訴されていない。なぜならFBIは『確固たる証拠』を何も持っていないからだ」とコメントしています。

つづく

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【参考文献】『国際銀行家たちの地球支配/管理のしくみ』 阿部芳裕 (徳間書店)

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