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子宮筋腫と子宮もろともおさらばした話 術後の経過~4日目まで

開腹手術の翌日。午後から歩く訓練をする、とのこと。マジか。
 
前回 開腹手術当日のお話↓

歩く……前に、体を起こす

朝のうちに少しずつ頭を上げた。
そう、歩く前に「体を起こす」が必要なのだ。
 
ベッドの角度をつけて頭を上げる。
一気に上げると貧血になるので少しずつ。
60度くらいでふわーっと気持ち悪くなる。麻酔が抜けきってないためらしい。
角度を戻したりしつつ、時間をかけて、最終MAXまで上げた。
 
体を起こす、それだけで一仕事。
普段なら無意識で、一瞬でできることなのに。
 
看護師さんの手伝いで着替え。
「おなかの傷はきれいです」
マジか。怖くて見られない。
 
左足がしびれてゴムみたいになってます、というと、
「背中から入れている痛み止めの量を減らします」という話に。そしたら傷のあたりが重くなり、熱くなり、汗が出てきた。痛み止めを錠剤で2種類もらう。
 
ここでついに! 念願の!! 水が飲めた!! 
口から水を飲める! ひゃっほー!! 
こんなふつうのことが、めちゃくちゃうれしい。
 
お昼ご飯は7割食べられた。元気である。
 

1日ぶりの「歩行」の様子

①両足をベッドから下ろす 
②そのまま数分待つ(体を慣らすため) 
③靴をはく 
④看護師さんにつかまって立ち上がる 
⑤足踏みする 
⑥点滴スタンドにつかまる 
⑦10メートルほど歩く(看護師さんに支えられつつ) 
 
歩幅は15センチ程度。膝下からしか動かせない……が、
やった!! 歩けた!!
 
しかし、ただ「歩く」というだけのことに、これほどのステップと気遣いがいろうとは、この茶ぶどう夢にも思わなかったぞ!(滝涙)
 

順調な午後

ゆっくりでも歩ければ話は早い。
トイレに行く→便座に座る→立ち上がるができて、めでたく尿管が外せた。順調そのもの!
 
尿管は私は平気というか、「え? なんかついてますか?」状態だったが、気になってしょうがない人もいるそうだ。鈍い体に作ってくれてありがとう神様。
 
とにかく、ベッドの上で「大」をするなどという破目に陥らずに済んでホッとした。
 
動いたせいか傷は痛み出す。
夕飯は7割食べた。立って自分で歯磨きできた。
 
夜、パジャマが濡れてる、と思っておなかの辺りを見たら真っ赤っか!
腹部の傷から出血してんの!? なにこれ怖い!!
看護師さんに来てもらうと、手術中に出た血が内部にたまっていたのが傷口から漏れ出しただけです、と。
ふえー、そんなことが。
 
この日の夜はわりと落ちついて寝られた。
手術も無事終わったし、立てるようになったので安心したのだろう。 

【術後3日目】

正座ができた。
声が出しやすくなった。
朝ごはんを完食。
歩幅、20センチ以上にまで広がる。
 
一番たいへんなのが、寝てる状態から起き上がるとき。
ベッドの角度をつけるより、横向きになって腕力で起きる方がよさそう。
起き上がるって、全身運動だったんだなあ。
 
鎮痛剤は2種類、時間をあけて飲む。飲みすぎると胃潰瘍になりますよ、と脅された。
 
咳したり笑ったりすると傷に響く。スマホでツイッター見てると不意打ちがヤバい。
やめてくれ「KinKi Kidsは5人くらいいると思ってた」みたいなツイートは!
 
背中に管がついているのに何をしても痛くないのは不思議でしかたない……と思っていたが、人によっては気になったり痛かったりするらしい。鈍い体に作ってくれて本当にありがとう神様。
 
机に乗せておいた聖書もちゃんと自分で取れて、読んでから寝た。えらい。
 

【術後4日目】

採血の結果、順調な回復ぶりが認められ、痛み止め用の背中の管と腕の点滴用の管が抜かれる。
晴れて「管フリー」の身!! 
これで、一人で立ち歩けるようになった。
それまではベッドから立ち上がる際、トイレだろうと何だろうと看護師さんをいちいち呼んで付き添われながら行っていたのだ。
 
お昼ご飯では人生でついぞ見せたことのない華麗な「三角食べ」を披露。もちろん完食。
食後、お盆を自分で配膳台に返却さえした。それまでは看護師さんに持っていってもらっていたのだ。
 
さらには、病室から20メートルほど離れたウォーターサーバーに行って自分で水筒に水を入れられた。いよいよ、安心だ。
 
一人でシャワーが浴びられた。3日頭を洗っていなかったのでかゆかったんだよなあ。爽やか爽やか。
傷は完璧にシールでおおわれていたので問題なかった。(見ないで済む、という意味も含めて)
着替えもすべて一人でできた。それまでオムツだったのだが、ユニクロパンツへ。
パンツを誰の手伝いもなく自分ではける喜び! 
久々に靴下もはいた。やっぱり生足に靴は嫌だもんね。
 
 「長足の進歩」 「自立」
といったフレーズがキラキラと脳裏に浮かぶ。
 


エレベーターホールに若い男女。「おめでとうございます」と見送られていた。
そうか、このフロアには子宮全摘で一生子どもを産めなくなる人と、出産する人が同居しているのだ。
 
私は自分が出産できないことに一切悲しみを覚えず、
「私のかわりに(?)産んでくれてありがとう」と手を合わせる思いだが、
中には辛い思いをする人もいるだろう。メンタルヘルス的にどうなのか。
 
子宮を取ったら少しは寂しいとか惜しいとか、喪失感的なものを感じるだろうか、と思ったが、全くなかった。
ああ、スッキリした。
あとは日常を取り戻せれば万々歳だ。旅行にも行きたいな。
 
さしあたっては、帰宅したらハンバーグと唐揚げが食べたい。
母ちゃんにLINEでリクエストしておく。

次回↓↓


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